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2-1 だいたい平和な日常は事件のフラグ

待たせたな!いつものおバカな話を再開するぞ!

 アイオライ王子が後継者争いに勝つまでに時間はかからなかった。ジギル=シルフィード主催のパーティーにアイオライ王子が出席し、エルライト領、スカイウォーカー領、レイクサイド領さらには魔人の国ヒノモトの魔王までがアイオライ王子を推薦する事を表明してしまったのだ。第1王子ルクセイン=ヴァレンタインと第2王子フォーセイン=ヴァレンタインに付いていた貴族の多くはこのパーティーの後に鞍替えし、気づいたら2人のもとに残る者はほとんどいなかったという。

 タイウィーン=エジンバラは後継者争いに関しては中立の立場をとると表明していただけに、勝ち目があると思った者はいなかったのだろう。ローエングラム=フラットが慌てていたらしいがそんな事は知らない。

 数週間して、アイオライ=ヴァレンタインを王太子に任命するという王命が下された。アレクセイ=ヴァレンタインとしてもこの流れに逆らう気にはなれなかったらしい。ほとんどセーラさんの思った通りに事がなされてしまった。これにはだれもが苦笑するしかなかったと言う。そんなこんなで年が明けた。



 そして春、レイクサイド領、レイクサイド領主館、次期当主の部屋。

「いや、何でここにいるのさ?」

「だって、ここが面白いし、飯も旨いし、自然と集まるのは仕方ないじゃねえか。」

 ヒノモト国魔王テツヤ=ヒノモトは自国を弟であるシン=ヒノモトに全面的に任せてヴァレンタイン旅行中だ。すでに1年のほとんどをヴァレンタイン大陸で過ごすこの魔王は前世が人間というハルキ=レイクサイドと同じ境遇の魔人族である。弟は苦労人かと思っていたが、実際はテツヤが振り回される事の方が多いというのだから魔人族は理解できない。前回も帰ったらテツヤの知らない間に領土の島が2倍に増えていたという。

「うむ、旨い物が多いのは良い事だ。実際それで人も集まる。」

 アイオライ=ヴァレンタイン王太子。先日正式にアレクセイ=ヴァレンタイン現王より後継者として認められたこの国を継ぐ重要人物である。レイクサイド領はこの人のためにかなりの労力を費やし、他領地を巻き込みながらなりふり構わず後継者争いを勝ち抜いた。俺はあんまり何もしていない。主に動いたのはセーラさんだ。噂では、アイオライ王太子はセーラさんに頭が上がらなくなっているのだとか。うちの妻はどれだけなんだよ。

 先日よりこの2人はレイクサイド領に滞在中だ。特にアイオライは王都ヴァレンタインにいなくてもいいのだろうか?

「今日はこれからビューリングの所に行こうと思っていたのに・・・。」

大森林の開発も終盤である。今後は開発よりも維持に重点を置きたいために人員の整理が必要になっていた。それをビューリングに相談しに行くのだ。特に定期的にとれる資源の採取には人を派遣しておきたい。

「いいな!俺もついて行くぞ!」

「もちろん俺もだ!」

何故だろうか、この世界の重要人物はものすごい暇そうにしか見えない。コレデイイノカ?


 セーラさんにロージーを託して俺はウインドドラゴンで大森林の世界樹の村へと飛んだ。護衛は爺だ。風竜は数時間も経たないうちに大森林の中央部まで運んでくれる。世界樹は1年経っていないにも関わらず、すでにかなりのデカさになっていた。

「ハルキ!よく来た!テツヤもアイオライ様もお元気そうで!」

ビューリングが出てくる。なんだか、髭というかたてがみというか、もじゃもじゃ感が増してライオンみたいになっている。お前はトラの獣人じゃなかったのか。

「ビューリング、髪伸びたね・・・。」

「たてがみだ。」

「・・・そう。」

なんだろうか?最近、世界に置いて行かれている感じがする。


 ビューリング率いる獣人騎士団の人員も順調に増えてきていた。この調子で行けばレイクサイド騎士団の補強は問題なさそうだ。エレメント帝国がいつ襲ってきても対処できる軍事力をヴァレンタイン王国はつけてきている。アイオライが王太子に決まり、宮中のゴタゴタもほとんど解消された。ジギル=シルフィードとタイウィーン=エジンバラが政治に関しては裏で手を取り合って頑張っているそうだ。俺は関係ないぞ。巻き込むな。


「ビューリング!ハチミツが手にはいったのか!?」

アイオライよ、お前はいつも食う事ばかりだな。

「今回もテト殿の部隊が頑張ってくれました。アイオライ様の分はきちんとお取りしてありますよ。」

「よし!でかした!」

「・・・怪鳥ロックはご自分で狩ってきてくださいね。」

「大丈夫だ!ヘテロに頼んで料理人ごと運んでくるように言ってある!」

「ほっほっほ、マスタードはこちらにございますよ。」

「うむ!あと、セーラ殿のお土産を忘れるな!絶対だ!」

人の部下を勝手に使いやがって・・・。そんなにロックのハニーマスタードグリルが気に入ったのか。


 大森林の開発もほとんど終わりに近い。自然はそのまま、資源も取りつくさぬように配慮して道路は各所につなげてみた。荷馬車が通れるために物流の面ではかなりの改善がみられる。その荷馬車を護衛する騎士団の人員も増えているためにこちらも問題なさそうだ。あまりにも早い改革についてこられないかと思ったが、獣人は意外と適応能力が高いのかもしれない。最近はレイクサイドの町でも結構な数の獣人を見かけるようになったからな。


 獣人の騎士団の面々はフランとテツヤが来たという事で、訓練の準備に忙しそうだ。毎回、この二人が来るとお祭り騒ぎになる。稽古をつけてもらいたい人が多すぎて大変だが、騎士団としては良い傾向でもある。

「おらぁ!かかってきやがれい!」

 テツヤは最近次元斬なしで戦う事ができるようになり、純粋な剣術を磨いているそうだ。以前、フランにやられたのがショックだったらしい。

「はあ、そいじゃビューリング。こっちはこっちで仕事をしてしまおうか・・・って。お前は訓練してる時間ねえぞ!並んでんじゃねえ!」

・・・なんで、俺の周りにはこんな奴ばっかりなんだ?



 大森林での打ち合わせは終了し、1泊して帰ることになった。夕飯に怪鳥ロックの肉と料理人が間に合ってよかった。ヘテロの部隊の若いやつが死にそうになってたけどな。

「ビューリング、ここは誰かに任せて、たまにはお前もレイクサイドに来いよ。」

ビューリング=ブックヤードもそろそろ社交界デビュー的な時期だろう。純人社会の事も学んでいかねばなるまい。

「分かった。ついて行くことにする。」

と言っても、もともと純人に混じって防衛線に加わっていたくらいだ。息抜き程度に来ればよいだろう。

「よーし、我が家へ向けて出発!!」

ウインドドラゴンを飛ばす。帰ったらロージーの歩行練習の続きだな。



 しかし、帰った俺たちを待っていたのは半壊した領主館と怪我を負っている部下たち、そしてセーラとロージーが行方不明という知らせだった。



ホープ=ブックヤード 22歳 男性

Lv 114

HP 1480/1480   MP 4560/4560

破壊 13  回復 4  補助 16  召喚 252  幻惑 4  特殊 0

スキル:逃避行・改(現実から目を背けて逃避行しても心が痛まない、改良版)

眷属:ノーム(召喚3、維持1)

   ウィンディーネ(召喚100、維持10)

   サラマンダー(召喚100、維持10)

   ファイアドレイク(召喚200、維持15)

   アイアンドロイド(召喚150、維持15)

   フェンリル(召喚300、維持15)

   黒騎士(召喚300、維持15)

   アークエンジェル(召喚700、維持40)

   クレイゴーレム(召喚1000、維持50)

   アイアンゴーレム(召喚1200、維持60)

   ワイバーン(召喚800、維持30)

   レッドドラゴン(召喚2000、維持100)

   ウインドドラゴン(召喚1900、維持120)

   コキュートス(召喚2500、維持150)


ビューリング 34歳 男性

Lv 55

HP 2140/2140   MP 104/104

破壊 21  回復 17  補助 11  召喚 1  幻惑 4  特殊 0

スキル:獣化(外見的により獣の要素が多くなるが、力や俊敏性が増える)

    剣豪(戦闘において剣の使い方が上手くなる)


テツヤ=ヒノモト 28歳 男性(魔人)

Lv 162

HP 6190/6190   MP 2310/2310

破壊 97  回復 47  補助 37  召喚 1  幻惑 2  特殊 134

スキル:次元斬(特殊系統、全ての物質を空間ごと切断する)

    剣豪(戦闘において剣の使い方が上手くなる)

    金剛(強靭な防御力を誇る肉体を手に入れる)

    カリスマ(仲間の信頼がUP)

    自己再生(徐々にHPが自動で回復する)

    不屈(敗北を糧にして強くなる)

    ヴェノム・エクスプロージョン(特殊系統、広範囲の爆発系魔法)

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