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1-4 友達

「セーラさぁぁぁん!!ロージーぃぃぃぃ!!ごめんよぉぉぉぉ!!」

レイクサイド領、レイクサイド領主館。約10日ほど失踪していた次期当主が風竜を使い上空から落ちてきていた。叫び声に館の人間が上空を見上げるが、何故か慌てている人間がいない。

「ま、待てぇぇぇ!!危ねぇぇ!!」

後ろにいるのは、猫型獣人ビューリングだ。鞍がないからたてがみにしがみつくにも苦労する。

 ズドーォンとすでに中庭に形成されたクレーターの上にさらにもう一個を形成し、風竜は雑に着陸する。

「てめぇ、ホープ。なんて事するんだ。」

白目をむいているビューリングの抗議も全然聞いていない。

「セーラさぁぁぁん!!ロージーぃぃぃぃ!!」

そして一目散に駆けていく。領主館の人間も次期当主の帰還にほっと胸を下しているのか、それともいつもの事なのか、この砂埃とクレーターに対しての突っ込みは皆無である。

 ひゅっと魔力が消失してウインドドラゴンが還っていく。ぺしゃっと地面に落とされたビューリングがため息とともに空を見上げるが、砂埃が舞いまくった空はやや黄土色をしていた。



「ハルキ様。それでこちらの方はどなたですか?」

次期当主の部屋で正座をさせられている部屋の主。その前にはその妻が幼子を抱いたまま説教をしていた。約2時間ほど待たされてから部屋に通されたから、もしかしたら2時間ずっと説教され続けていたのだろうか。幼子はすやすやと寝ている。将来大物になるかもしれない。

「ああ、こいつはビューリング。大森林に住んでた猫型獣人で、俺のと、と、と、トモダチだ!」

顔を真っ赤にして部屋の主が言う。正座はそのままだ。

「ビューリングと言います。ハルキ=レイクサイド様とは大森林で知り合い、それからずっと同行させていただきました。去年のエルライト領防衛戦にも参加しておりましたので、レイクサイド騎士団の事はよく知っております。」

「そうでしたか、夫がお世話になりました。妻のセーラ=レイクサイドです。」

セーラ=レイクサイド。マジシャンオブアイス・ロラン=ファブニールの娘であり、ハルキ=レイクサイドの妻。才色兼備を絵にかいたような美女でシルフィード騎士団アイシクルランスに所属していた際には、どの騎士団でも人気の高かったという噂である。獣人から見ても美女であることは間違いない、と思う。

「いえ、こちらこそ。命の恩人ですし、この度友として我が集落にも来ていただけましたから。」

「そうなんだよ。集落でビューリングの家にお世話になってね。」

「ご迷惑をオカケシマシタでしょ?」

「ゴ迷惑ヲオカケシマシタ。」

しかし、天下のハルキ=レイクサイドが妻の尻に敷かれているとは。まあ、この数日一緒に生活してみた限りではそれも納得できる。

「ぜひ、今日はゆっくりしていってくださいね。レイクサイド領をあげて歓迎いたします。」

「そんな、恐れ多い。私はホープ=ブックヤードの友のビューリング。それだけの男です。」

「いいんだ、ビューリング。気にせず歓迎されてやってくれ・・・。ちょっと足崩してもよいですか?」

 その日はレイクサイド召喚騎士団など、一緒に戦場を駆けた憧れの人物たちと夕食を取り、綺麗なベッドでゆっくりと寝ることができた。



「では、俺は大森林に帰ります。」

「もう少し、ゆっくりしていけば良かったですのに。」

「いえ、あちらの生活もありますので。それでは奥方様もご健勝で。」

「はい。ハルキ様はまだ起きてこれないみたいなので、こちらから伝えておきますね。」

 早朝、俺は大森林へと向けて出発した。しかし、この約10日間はすごい事の連続だった。なにせあのハルキ=レイクサイドと知り合いになれ、集落で共同生活をし、レイクサイド領主館で歓待されたのだ。こんなに幸運な男もそうそういないだろう。


 大森林へ入って3日間。前回のようにハルキ=レイクサイドがいない事もあって、やや魔物を狩るのに時間がかかる。そして夜の見張りがいない事も疲労を蓄積させる原因となっていた。もともと1人で旅をしていたんだ。前回が楽だったのは言い訳にはならない。そう思ったが、それでも前回の事を思い出さない理由にはならなかった。集落までの道のりは順調で、なんとか集落の大樹が見えるところまで来ることができた。


「帰ってきたか。」

 何故か前回帰ってきた時よりも、感慨深いものがある。今になって、どっと疲れが襲ってきた感触があった。やはり、ハルキ=レイクサイドと旅をするという夢のような時間が現実味を薄れさせていたのだろう。帰った後も怪鳥ロックの狩猟や風竜でレイクサイド領へ1日かけずに戻ったりと考え付きもしない出来事が多かった。これで、本当の日常に戻るのだ。だが、終わってしまえば寂しい気持ちは否定できない。もし、次に同じようなチャンスがあれば・・・いや、おそらくはないだろうが、もしあれば、ハルキ=レイクサイドについて行くのも良いだろう。部下としてでも、良いと言ってくれるなら友としてでも。おそらく、刺激には困らない人生を歩むことができるはずだ。


 そう考えながら大樹門をくぐる。考え事をしていたために門番のじいさんが何か言っていたが、よく聞いていなかった。しかし、それはすぐにわかる事となった。

「ビューリングぅぅぅー!!」

向こうから走ってくるのはそのハルキ=レイクサイドだった。あまり速くない。

「なっ!ホープ!なんでここに!」

「だって、フィリップが、フィリップが!!」

今度は筆頭召喚士と喧嘩したらしい。そしてウインドドラゴンで大森林に先回りしたとの事だった。

「ははっ、お前らしいや。」

せっかくできた友人だ。刺激にも困らないだろう。もうちょっと付き合ってやるのも面白いと思う。

「よしよし、好きなだけここにいろ。」

「ありがとうぅ!ビューリングぅ!」

 感激しているハルキ=レイクサイドの後ろにもう一人の人物がいるのに気付いた。そいつはこっちにやってきてこう言った。

「おい、ハルキ。俺にも紹介してくれよ。」

「ああ、こいつがビューリング。俺の友達!だ。」

「あぁ、ビューリングです。」

少しその男に圧倒される気がして、何故か敬語が出た。初対面だし不自然ではないとは思ってたが、違和感を感じた。その理由はすぐに分かった。

「俺はテツヤ=ヒノモト!俺もハルキの友達だ!なあ?」

「え?」

「え?違うの?」


 コイツ、魔王じゃないか。前言撤回、刺激が強すぎる。




ホープ=ブックヤード 21歳 男性

Lv 112

HP 1400/1400   MP 4420/4420

破壊 11  回復 4  補助 16  召喚 250  幻惑 4  特殊 0

スキル:逃避行・改(現実から目を背けて逃避行しても心が痛まない、改良版)

眷属:ノーム(召喚3、維持1)

   ウィンディーネ(召喚100、維持10)

   サラマンダー(召喚100、維持10)

   ファイアドレイク(召喚200、維持15)

   アイアンドロイド(召喚150、維持15)

   フェンリル(召喚300、維持15)

   黒騎士(召喚300、維持15)

   アークエンジェル(召喚700、維持40)

   クレイゴーレム(召喚1000、維持50)

   アイアンゴーレム(召喚1200、維持60)

   ワイバーン(召喚800、維持30)

   レッドドラゴン(召喚2000、維持100)

   ウインドドラゴン(召喚1900、維持120)

   コキュートス(召喚2500、維持150)


ビューリング 33歳 男性

Lv 45

HP 1440/1440   MP 86/86

破壊 14  回復 12  補助 6  召喚 1  幻惑 3  特殊 0

スキル:獣化(外見的により獣の要素が多くなるが、力や俊敏性が増える)

    剣豪(戦闘において剣の使い方が上手くなる)


テツヤ=ヒノモト 27歳 男性(魔人)

Lv 160

HP 6120/6120   MP 2280/2280

破壊 97  回復 47  補助 36  召喚 1  幻惑 2  特殊 131

スキル:次元斬(特殊系統、全ての物質を空間ごと切断する)

    剣豪(戦闘において剣の使い方が上手くなる)

    金剛(強靭な防御力を誇る肉体を手に入れる)

    カリスマ(仲間の信頼がUP)

    自己再生(徐々にHPが自動で回復する)

    不屈(敗北を糧にして強くなる)

    ヴェノム・エクスプロージョン(特殊系統、広範囲の爆発系魔法)


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