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4-5 ストロング=ブックヤード

「さすがに詮索はしないとは言っても、これは異常だろう。」

ビール片手にカーラが騒いでいる。反対の手にはAランクにあがったばかりのギルドカードとそこそこの金額がはいった革袋だ。

「え?不満?」

「不満なんて全くありませんよ!ほんとありがたい!でも、何もせずに解体作業員してただけでAランクいただいちゃいました!これまでの数カ月はなんだったのか!?そしてこんなに早い時間から飲んでてすいません!」

酒乱か?今は17時だ。早めの夕食を取りに来ている。

「確かにこの2日でかなりの数の依頼をこなしたことになっているが、ほとんどがハルキとセーラのおかげだ。」

ソレイユもAランクもらったらしい。俺は最初から、セーラさんもとっくの昔にAランクだ。

「こんなにたくさんの金額が貰えるなんて思ってもみなかった。いつもは馬車代や野営代でそこそこの経費がかかるからな。」

たしかに馬車代と宿代、野営の準備を考えると高いかもね。今ならワイバーンでぴゅーと行って帰ってくるだけだ。

「はっきり言って召喚魔法をなめていたよ。こんなに使える魔法だったとは。俺もまだまだ見聞を広めないといけないな。」

「まあ、魔力とか契約条件を考えると冒険者向きとは言い難いし。使い勝手はよくないよ。」

「でも、おかげで武器を新しくできるぞー!」

「じゃあ、カーラは明日鍛冶屋に行くんだね。ソレイユは?あ、ついて行くんだ。そしたら俺らはどうしようか?セーラさん。」

「当面、しなきゃならない事はありませんから、ゆっくり情報収集しましょう。」

「そうだね。」

つまりはデートだ。



 次の日、街中を散策することとする。エルライトの町はシルフィードの町に比べると歴史情緒あふれるって感じで古いレンガの建物が目立つ。旧市街と新市街に分かれているそうであるが、新市街もできてから1000年経ってるそうで新しいとは言い難い。

「この世界は発展が遅すぎるな。1000年も経てば平安時代から現代日本なのに」

違和感とも言うか、腑に落ちないと言うか。ずっと戦争してるんなら発展が凄くてもおかしくないと思うのはあの世界を知っているからだろうか。

「ん?何か言いました?」

「何でもないよ、セーラさん。」

商店街を抜けてみる。どの顔も生活するだけでいっぱいいっぱいの顔だ。スリなどもいそうであるため十分注意する。

 ふと、路地裏から声をかけられた。

「ハルキ様。」

「ウ、ウォルター!?なんでここに!?」

「お戯れを。ハルキ様が設立された情報機関を統括するのは私です。全国に諜報員がおりますゆえ、ウインドドラゴンの速さには敵わずとも数日あれば居場所の特定は容易でございますよ。」

「まじかよ、爺がやって来るんじゃないか?」

「フラン様には情報はお渡ししておりません。ハルキ様がエルライトに滞在されている事を知っているのは私が率いる者とフィリップ様のみとなります。」

フィリップの将軍っぷりがますます上がっている。もはや長官だ。しかし、半分遊びで諜報部隊に予算を割り当てて、デーモン召喚が得意なウォルターに好きにやらせていたが、まさかここまでの部隊を作り上げるとは。

「ハルキ様がフェンリルの鞍を作らせたあの鍛冶屋は私どもの機関の協力者ですので、鞍の情報は他の誰にも漏れないようにしてあります。あ、奥方様ご機嫌麗しゅう。」

「ウォルターさんこんにちは。」

「最近になって中央に不穏な動きがあります。いまだ訓練不足ゆえ、危険な任務に就けるものが少なく詳細は分かりませんが、エジンバラ領の者たちにはお気をつけ下さい。すでに何名かこちらにも犠牲が出ております。」


 エジンバラ領とはシルフィード領以上の財力を誇る大領地だ。地理的にはシルフィード領のさらに南に位置し、北はシルフィード領、南と西は山陸地帯、東は小領地群に囲まれているため魔人族の襲撃はほとんどない。肥沃な土地にシルフィード領と東の小領地群との交流のしやすさも含めてかなり恵まれている領地である。歴史も古ければ、騎士団の規模もかなりのものだ。先の防衛線では派遣された規模は大したことなかったが。

「エジンバラ領か、襲撃に注意しなきゃならんのは爺だけではないんだな・・・。」

「それに正体不明な一団も確認されています。こちらはかなり魔力の強い集団らしく、黒いローブにはご注意ください。」

黒いローブとはまたベタな連中だな。

「状況が状況ですのでできましたら護衛を最低でも一人、僭越ながらこのまま私がつきたいと思っておりますがよろしいでしょうか。」

う~ん、カーラたちとパーティー組んだばかりだから不自然な感じになるよね。

「そこはお任せください。周囲に怪しまれないようにするのは得意です。」

ウォルターは最近、契約したアークデーモンとの相性が良かったようで、対人戦等に特化した諜報暗殺部隊を率いている。アークデーモンお得意の闇に関する魔法とウォルターの性格が妙にあっているとフィリップが言っていた。

「ん~、まあ仕方ないか。自然な感じでパーティーに入ってくれるんなら、それでいいよ。では任せた。」


 ウォルターと一旦別れて宿に戻る。今日の昼食はと言うと、この前狩ってきたホワイトボアの肉を宿の主人にお土産したらそれを料理してくれるらしい。日本でいうところのポークチャップというやつだ。脂がのっていて非常に旨い。

「でも、エジンバラ領とか正体不明の一団とか、怖いですね。ハルキさんが狙われる可能性もあるから気を引き締めなきゃ。」

「ん~、俺は直接狙われたらアッという間にやられちゃうだろうからね。」

やっぱり、護衛のフェンリルを常時召喚しておくべきか・・・?仕方のない事とはいえ、身辺には気を配らないといけない身分になってしまったようだ。セーラさんに危害でも加えようものならコキュートスで領地ごと滅ぼしてやる。


 翌日、ギルド館でカーラたちと集合だった。新たな武器を手に入れたカーラはご機嫌そうだ。

「それでな。このロックリザードの鉱石を使った長剣なんだけどな、前のやつに比べて強度は上がってるんだけど軽いんだ。はやく試し切りがしたいぜ。」

冒険者らしい物騒な発言だな、おい。

「じゃあ、今日は何か適当に依頼を受けるかな。」

「お、そうだ。その前に相談なんだが。」

うん?相談?

「昨日知り合ったやつがいてな。すごい優秀だし、できたらパーティーに入れたらどうかと思ってさ。」

「え?でも人数増えると移動手段が・・・。」

フェンリルもワイバーンも2人までしか乗せれない。力はあるが主に背中の面積の話だ。ウインドドラゴンは召喚すると他の事ができなくなるし、それに目立って仕方ない。

「大丈夫!そいつもフェンリルとかワイバーンが召喚できるんだよ!」

へ?そんな奴がいるのか?うちの騎士団にほしいな。

「あ!!ちょうどいい所に!紹介するよ!おーい、ストロング!」

ちょうどギルド館に入ってきた冒険者がこっちへ来る。

「ソレイユも気に入っちゃってさ、すげえいいやつなんだぜ。なあ。」

「うむ、人柄実力ともに申し分ない。ハルキたちさえ良ければ5人で組めばSランクも目指せる。」

というか、そいつは一般的な革装備に外見は特に特徴的なものは少ない。若干赤とか原色系のおおい目立つ腹を着ている。しかし、もっと気になるのは何故かパイロットゴーグルをつけている。レイクサイド製の。

「よろしく!!俺はストロング=ブックヤード!!得意魔法は召喚と破壊だ!」

「・・・・・・いや、ウォルタ・・・。」

「俺はストロング=ブックヤード!よろしくな!」

「いや、ウォ・・・・・。」

「得意召喚はフェンリルだ!俺の弟は黒狼の騎士と呼ばれてて、シルフィード領じゃ有名人だぜ!」

「ああ、そういう設定・・・・。」

「ウォルターさん、こういう性格でしたっけ?」

こうしてストロング=ブックヤードが違和感なく自然と俺たちのパーティーに加わった。



ストロング=ブックヤード(ウォルター) 27歳 男性

Lv 55

HP 1600/1600  MP 1900/1900

破壊 23  回復 17  補助 11  召喚 82  幻惑 4  特殊 0

スキル:隠密

眷属:ノーム(召喚3維持2)

ウィンディーネ(召喚100維持20)

アイアンドロイド(召喚150、維持30)

フェンリル(召喚300、維持30)

レッサーデーモン(召喚300、維持40)

アークデーモン(召喚700、維持80)

クレイゴーレム(召喚1000、維持100)

アイアンゴーレム(召喚1200、維120)

ワイバーン(召喚800、維持60)


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[気になる点] 誤記でしょうか? 目立つ腹を着ている。
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