↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/189

召喚士されし者 51・鳥を落としたその後に

読んでくださる皆様、いつもありがとうございます。お待たせいたしました。

 ひと狩り終えた俺が馬車に帰ってくると、空を埋め尽くしていたニビイロ達は見当たらなくなっていた。


 言うまでもなくシェイリア達が片付けたのだろう。

 

 地面に落ちたニビイロの解体をしている四人に声を掛ける。

 どうやら大きい怪我は無さそうだ。

 しかし、シェイリアは返り血を浴び、エライことになっていた。下手な戦士よりずっと戦士だった。シェイリアはアマゾネスかもしれない。

 対してロイドは綺麗な物だった。かすり傷も殆んど無く、返り血も点々とついているだけだったのだ。

 あまりの綺麗さに遊んでたの?と尋ねると、「必死で戦ったわ、馬鹿」と言ってきた。馬鹿にむっときたのでデコピンを打ち込んでおいた。馬鹿はいかん、いかんよ。


 極彩王鳥ことニビイロウとの戦いは実にあっけなく終わった。

 太い鳥の足をムゥの糸で地面に縛り。ラ・ディーンのレーザーで苛めて弱らせ、片翼を斬って叩き落としただけなのだから。ぶっちゃけグラスプリザードより遥かに楽だったので、本当に大した労力も使っていないのだ。


 その事をユミスに言ってみたら、「ユーキよりオーガのがしっくりくるよね」とオーガ呼ばわりしてきたので、デコピンを打ち込んでおいた。オーガはいかん、いかんよ。




 さて、話しは変わるんだが、ニビイロウは殺していない。森のどこかで小さくなっている筈だ。


 叩き落とした後、落としたニビイロウを見にいったのだが。驚くことにニビイロウは絶命してなく、苦し気に呼吸をしていたのだ。ひと思いに息の根を止めようと剣を振り上げ━━━、そこである事を思い付いた。


「あ、そうだ。翼、くっつけてみよう。」


 マッドである。実にマッドな考えである。


 しかし、俺は以前からムゥの能力にある可能性を感じていたのだ。もしかしたらムゥ先輩、手術的な事も出来る子なんじゃね?と。

 服を編む器用さ、自在に調整の出来る糸、傷を癒す治癒魔術と三種の神器が揃っているのだ。やって出来ない事ではない。

 今の所、治療手段がムゥの治療魔術だけで、常日頃から心もとないと思っていたのだ。これを期に、ムゥ先輩には医療術の知識を深めてもらい、より一層の活躍を期待したいのだ。


 そんな訳で、素人考えから実験的に手術してみた。


 結果だけで言えば、手術は思っていた以上に上手くいった。出血多量で危うく死なせかけたのを除けば、切断面は綺麗に繋がったし、神経も通っているように見える。試しに羽根をむしったら、血が出て痛がったので大丈夫だと思いたい。 


 今後も隙を見てムゥ先生には経験を詰んで貰って、いずれは名医になって貰うのが一つの目標になった。



 そんな得る物の多い戦いを終えた、その夜。


「いたたたたたた!いっっっっひゃいってば!ユーキ!!!」

「ほう。そうか。」


 俺はユミスの片手を背中に捻り上げ、関節技の練習をしていた。


「今日の戦いぶりを見て分かった。ユーキ、あんたには足らない物がある。・・・・組技だ!!」


 と、馬鹿な事を言ってきたので、よくある拘束術でユミスを苛めていた。

 なんで今日の戦いを見て、組技が必要だと思ったのか、徹底的に聞いてみたい所だが、ちゃんとした返事が返って来そうにないので止めた。


 ユミスとじゃれあっていると、馬車の影からシェイリアが混ざりたそうにこっちを見てきた。


「・・・・・シェイリア。見えてる、見えてる。」

「いひゃい、いひゃいよ、ユーキ!!!」

「あ、ユーキ様。いや、あの違うんですよ。」

「たたたたた!!!ユーキ、折れる!折れるって!」

「いや、何がどう違うかわかんないけど、取り合えずこっちに来な。」


 そう言うと、恥ずかしそうにシェイリアはやって来た。

 シェイリアが混ざった事により一段落ついた気がするので、ユミスへの技を変えてやる。コブラツイストでユミスを極める。見よう見まねなので効果の程は分からないのだが。


「今日は申し訳ありませんでした。」

「たい、いひゃいよ、ユーキ!!!」

「・・・・・何が?」

「あああぁぁぁ!?だめっそこおぉぉわぁ!!」

「任せて頂いたと言うのに、ユーキ様の手を煩わせてしまった事です。正直、あの大鳥と戦う余裕はありませんでした。私はまだまだだったようです。」

「ユーキぃぃぃぃ!しぬぅしぬって!ちょっ!」

「あぁ。あれは仕方ない。でも、あれだけのニビイロを対処したんだ自信は持って良いと思うぞ。武祭は・・・もうちょっと考えさせてくれ。」

「あばばばばば、しぬぅしぬぅ。ユーキいぃぃ!」

「はい!ユーキ様に認められるよう頑張ります!」


 ユミスがあんまり五月蝿いので、技をといてやる。

 ほっと胸を撫で下ろすユミス━━━の隙をついて今度は卍固めで締め上げる。


「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!ユーキぃぃぃ?!いひゃいよぉぉ!」

「・・・・・あの、ユーキ様。」

「あびゃぁぁぁ、ぁぁぁ!!」

「どうしたぁ?」

「いひゃいよぉぉぉぉ!いひゃいよぉぉぉぉ!ユーキぃぃぃ!止めてよぉぉぉぉ!」

「私にもそれ教えて下さい。」

「ちょぉぉぉぉ?!シア!?」


 シア?いつの間にあだ名で呼びあう仲になってるんだ。コイツ。

 まぁ、同年代の友達がシェイリアに少ないからな。仲良くしてやってくれよ。


 俺はそんな思いを籠めて、さらに強くユミスを締め上げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。