召喚士されし者 25・赤い大地
相変わらずのクオリティ(悪い意味で )
誤字脱字が減らない・・・。がんばってはいるんですが、なんとも。
あと文章へんだな。うん。
気づきしだい直していきますのでよろしくです。
アスラ国南部、国境沿いに位置するアトヌウス山脈。標高三千メートル級の活火山がそびえ立つ山岳地帯である。山脈から周囲100キロほどは噴火の影響から砂漠地帯となっており、植物はほとんど生息していない赤土の大地が広がっている。
なお、当然と言うべき事ではあるのだが。環境の悪いこの地域は生存競争が激しい。その為、生息する生物の気性は荒く、攻撃性の高い危険な魔物や魔獣が多数生息している。
代表的なものは、火を吐くトカゲ[サラマンドラ]、全身を岩のような羽で覆われた[ロックバード]、軟体な体から油を滲ませ火を纏うナメクジ[マグル]などであるが。他にもこの地に適応し、火に耐性を持つ特異個体のゴブリンやコボルト、ウルフも生息している。そのいずれも別の地域に生息している個体に比べ、戦闘能力は高いとされている。
そんな赤土の大地を走る、一台の馬車いた。
「シェイリア!見ろよ山脈があんな近くにあるぜ!」
俺は幌から乗りだし前方を指差した。
シェイリアも俺に続き幌から顔出す。
「すごい大きいですねー。私こんな近くに来たの初めてです。」
「あのよ、俺を挟んで話すなよ。」
御者台で手綱を握るロイドは、俺とシェイリアの間で溜息混じりに言った。
「何だよ照れてんのか?」
「照れているんですか?」
「照れてねぇ。つか近いんだよ、暑苦しい離れろ。」
つれない奴だ。この感動に共感してくれてもよかろうに。
「ロイドぉ、調査ってどこまでやんだ?ここらもそうなんだろ?」
「そうだよ。でもな、取り合えずは野営地に行ってからな。」
「野営地ってあれだよな。アスラ軍の砦だったとこだろ?」
「ああ。あの騎士の言う通りなら、あと半日ってとこだ。」
半日か。
俺は遠くの風景に視線を移す。どこまでも赤い大地が俺の目に映る。
こんな所にも生き物がいるとは思えないが・・・いるんだろうな、強い奴がウジャウジャと。
「楽しみだな。」
「楽しくねぇよ。」
しばらく外の風景をシェイリアと楽しんだ後、俺達を乗せた馬車は古びた廃城へとたどり着いた。
50年以上前に噴火の影響を受け廃棄されたアスラ軍の砦跡地であり、現在は旅人の野営地として一般に解放されている場所である。
俺は砦内を見渡す。
意外にも無人ではなく、ちらほら人を見かける。
「こんな所なのに人がいるな。」
「ああそれな。ヴァニラに聞いた話、ここは抜け道なんだとよ。」
あの変態からの情報かよ。
私的には信じがたいけど、多分本当だろうな。
しかし、抜け道?
「抜け道、ですか?」
シェイリアは俺より先に疑問を口にした。
「商人にとっちゃ特別な道らしい。普通に南にあるガイア国と行商しようとしたら、片道だけで三月。その上国境越えて荷を運べば税金もかかるしなー。けどこの山脈にある抜け道を抜ければ、時間は一月で、関所もないから税金もかからないんだとよ。」
「それ密入国ではないんですか?」
「そうだな。けど暗黙の了解って奴らしい。国境警備の連中にちょいと施しすりゃお咎めなしで通れるらしいからな。まぁ、俺は行った事ないから、実際どうだかは分からんがな。」
ロイドは前方にあるアトヌウス山脈を指差す。
「そう言う訳でだ、山越えする連中が最後に身支度を整えるのがここなんだとよ。分かったか?」
「私初めて貴方が頼もしく見えました。きっと目が疲れているんでしょう。」
そう言うとシェイリアは目頭を指で押さえる。
俺もロイドが頼もしく見えたのできっと目が疲れているんだろう。俺もそっと目頭を指で押さえておく。
「お前らな・・・・。」
野営地に着き一心地ついた俺は砦内を散策する事にした。
シェイリアとロイドは夜営の準備中である。
ん?俺はどうしたって?サボった?いやいや、やらせて貰えないのだ。特にシェイリアが猛反対してくる。
旅を始めてから今の今まで夜営の準備どころか、炊事も洗濯もやらせて貰えなかった。最近では、風呂まで手伝おうとする始末だ。
そんな訳で、手の空いた俺は砦内をプラプラする。
砦は敷地の半分ほどを溶岩にのまれており、砦内もそこまで広くはなかった。一時間もかからず隅々まで探索してしまったが、大した成果はなかった。
それでもあえて成果をあげるならば、溶岩石に埋もれた金属の扉を見つけた事だ。
また暇になった俺は、砦を掘り出す事にした。
意味などない。暇なのだ。
取り合えず先程見つけた扉付近から掘る事にする。
アルディオを喚びだす。
俺は思念を読み取り直ぐ様行動を開始するアルディオ。溶岩石を拳で砕き、どかし、掘る。
3分程で扉の全体が現れた。
「んーーーー。ただの金属じゃないよな?溶岩で焼けた形跡もないし・・・・魔鋼かな?」
俺は懐からギルドカードを取り出す。
手触りはよく似ている。触ると体内にある魔力が吸い付くような感触がする。
魔鋼と呼ばれる不思議金属は魔力に反応し、魔力により形状を変化させる性質をもっている。
ギルドカードはこの性質を利用して造られている。ギルドカードに刻み込まれている文字はこの性質を利用してつけられた特殊なものになる。
この性質をさらに応用したのが魔力による個人登録だ。個人の魔力を設定する事により、自分以外の魔力が流れると形状が変化しカードの不正使用を阻止する事が出来るのだ。
ようは、ハイスペックな形状記憶合金と言ったところだ。
さて、この扉恐らく魔鋼である。となれば、鍵となる魔力が無ければ開かない仕組みなのだろう。
「仕方がないな。アルディオ。」
アルディオに命じ力で扉を抉じ開ける事にする。
ガゴン。
アルディオのフルパワーを諸に受け、扉は扉を固定していた壁ごと抜けた。
「魔鋼頑丈だな、まさか壁ごと抜けるとは・・・。」
アルディオに軽く感謝し、俺は扉の奥を覗く。
どうやら中の通路は問題なく通れそうだ。
でも探索はまた今度にしよう。
俺は地平線に沈む夕日を見る。
うん、ご飯の時間だ。
アルディオに適当な瓦礫を持ってきてもらい通路を隠しておく。
鬼が出るか邪がでるか、はたまた宝がでるか。
俺は、後ろ髪引かれる気持ちを振り切り、夜営地点へと向かった。




