機甲兵団と真紅の歯車 22・喰らう閃光
ドン。
突然、美醜の館に響いた炸裂音。
空気が揺れ、砂埃が舞い上がり、窓ガラスが悲鳴をあげる。
そこにいたほぼ全ての人間が身を竦めた。
当然、俺もだ。
「なんだ!?」
「きゃーーー!?」
誰からともなく、そんな声があちらこちらから揚がる。
噴煙に包まれたホール内を、皆して慌ててるなーなんて見渡していると、バーディーを地面に押し付けたままの姿でやけに落ち着いた様子のアルシェが目に止まった。
・・・・・アルシェ。
本当にお前悪い事してないよな?
「あら、なぁに?何か言いたげねユーキちゃん。」
「別に・・・・。」
「そう?それなら良いけれど。あんまり疑われても、御期待には応えられないわよ?」
そんな期待には応えんで良いわ。
アルシェの余裕の態度に毒気を抜かれていると、大量の硬質な足音が玄関口の方から聞こえてきた。ガチャガチャ、ガチャガチャ、と。頭の中に、鎧に身を包むおっさんの絵が浮かぶ。
「夜分遅くに失礼。先ず、同志を返して貰おう。」
少し高めの耳障りな男の声が響くと同時に、一つの光弾がアルシェに向かって飛んできた。警戒を緩める事のなかったアルシェは直ぐにそれに気づき、バーディーから手を離し後方へと宙返りしてかわす。
体に光弾が触れる事は無かったが、その一発はドレスの裾を容易く貫き地面に深い傷を作った。直撃していたら、ただでは済まなかっただろう威力だ。
因みに解放されたバーディーは土煙に隠れてしまった。
「大丈夫か、アルシェさん?」
「ええ。かすり傷一つ無いわ。改めて受けてみると、あの銃ってやつは厄介ねぇ。気配が読みづらいったらないわ。」
「気配とかあんだ、あれ。」
アルシェの無事を一応確認した俺は、迷惑なお客さんが来た事に溜息を溢してから、声のした方向へと顔を向けた。
噴煙が晴れた先。玄関口だったと思われる場所にそれはいた。
アームドと思われる六人の赤褐色に染まった鎧兵士を引き連れた、頬が痩せたひょろ長い軍服の男。
軍服の男は引きつったような笑みを浮かべ、こちらを見下すような視線を送ってきた。
「誠に遺憾ながら、今夜貴殿等のお相手を務めさせて頂く、栄光あるエクスマキア皇国軍、第三大隊所属301隊の"襲撃"である。その濁った瞳に栄光を一身に背負う私を焼き付けると良い。」
尊大な態度にイラッとした。
何故だか無性に殴りたくなる。
まだ何か言いたそうにしてるけど、殴って良いだろうか?会話を切断して良いだろうか?
「エクスマキア?」
イライラしながら軍服を見ていると、アルシェが軍服の言葉に眉を寄せていた。
「知ってんのか?」
「大陸における六大国の一つですもの。普通知らない訳ないわ。」
すまん、俺知らんわ。
六大国って何?
そんな事を思っていたら、俺の表情を見ていたアルシェが残念そうに顔を歪める。
「ユーキちゃん。貴女は少しでいいから、周りに興味を持ちなさい。」
「おう。今度からな。」
「絶対に覚える気ないわね。」
はぁ、と深い溜息をついたアルシェ。
俺はそんなアルシェにエクスマキア皇国とやらについて聞こうとしたが、それは叶わなかった。
ドン。
アームドの腕から発射された光弾が館の壁を吹き飛ばしたのだ。その威力を見た貴族達の多くは、息を飲み顔を青くさせ身をすくませた。
様子を伺えば、どうやら逃げようとしていた奴がいたようで、逃げないよう威嚇されたみたいだった。アホめ。
「既にこの館は我々に包囲されている。抵抗しようとすればその身の安全は一切保証しない。なお、この街に向け我等の同志が都市殲滅級の戦力と共に進軍している。時期にこの街へと到着する事だろう。外部からの助力があると思わぬ事だ。憂慮せよ。貴殿等に既に活路は無いのだ。」
軍服は襟元を正し、隣に控えるアームド兵へと顔を視線を飛ばした。アームド兵は頷き、軍服の前へと出て高らかに叫ぶ。
「貴殿等には選択する権利がある!一つ!我等に頭を垂れ全てを差し出し、栄光あるエクスマキア皇国に永劫の忠誠を誓うか!二つ!我等に敵対し、反骨の精神と共に戦い、高潔なる魂を持ったままに無様な肉片へと変わり果てるか!三つ!どちらも選ばす、選べずに、ただ無意味に無価値に消し潰されるか!!返答や如何に!!」
それは随分と勝手な要求だった。
結局の所、用意された選択肢など奴隷になるか殺されるかの2択しかないではないか。
それに今降参すれば命は保証されるかも知れないが、何をされるか分かったものではない。そもそも全てを差し出せってほざいているのだから、その体を差し出せとかふざけた事も平気で言いそうだ。
死んだ方がマシパターンの可能性大である。
アームド兵はざわめく貴族達を見渡す。
そして、何かを目にとめ銃を突きだした。
「そこの娘!前に出よ!」
そう言ってアームドに銃を突き付けられたのは、見た事のある栗色のツイテールお嬢様サラだった。
サラは従者に留まるよう説得されている様子だったが、それを断り凛とした姿でアームドの前まで歩いていく。
「それと、そこの娘もだ!」
今度は別の令嬢に向け銃を突きだす。
今度の令嬢は背丈は高いのだがおっとりとした顔つきで優しそうな小動物系の令嬢だった。デカいのに小動物とは、これ如何に。
令嬢は膝を生まれたての小牛のようにプルプルさせ、泣きながら嫌々出てきた。・・・・まぁ、自分から出てきたと言うよりは、他の令嬢達に押されるような形で、生け贄の如く差し出されたのだが。
二人の令嬢を側に置いたアームド兵は、両腕の銃口をそれぞれの頭の位置に定めた。
再び軍服が口を開く。
「彼女達は貴殿等に与えられた砂時計である。これより私の手元にある時計の針が五分進む度、一人ずつ頭を撥ね飛ばしていく。まずはこの小牛娘を今より五分後。更に五分後、触角娘の頭を撥ね飛ばす。」
サラの従者が静かに怒りに染まっていく。発するオーラ的な何かが重い。うん、あれだ、恐い。サラが人質でなければ、間違いなく殺しに駆け出していただろう。きっと誰を犠牲にしてもお構い無しだろう。サラ命っぽいもんな、この人。
反対に、小牛娘の親御さんと思われる人達は顔色を真っ青にして震えているだけだ。まぁ、なにかしろって言う方が難しい状況ではあるんだけど・・・・あ、奥さんっぽい人気絶した。
因みに生け贄へと押し出した令嬢達はほっとしている様子だった。心配してさしあげろや、こら。
「計10分。それが私が貴殿等に与える選択の刻限である。さぁ、時は動きだした。早急に答えを出すと良い。従属か、消滅か。憂慮せよ、時は命である。」
軍服がそう言い終わるのを見計らい、貴族達は視線を領王へと集め口々に叫び出した。
やれ従属すべきだ、戦うべきだ、交渉するべきだと、意見は点でバラバラ。一切の纏まりが見えない状態だ。
領王は好き勝手に叫ぶ貴族に何か言う事もなく、ぼうっとその光景を眺めているだけ。何かしようとか、そう言う気配は欠片もない。馬鹿なのかもしれない。
「・・・・はぁ。なんか面倒な事になっちまったねぇ。」
心底面倒臭そうな低い女の声が聞こえてきた。
声の在りかを探して見れば、先程乱入し暴れていた鬼仮面の姿が目にはいった。
鬼仮面はその仮面と外装をあっさりと脱ぎ捨て、その素顔と体を晒す。
晒されたその素顔に、その体に、俺は瞠目した。
なにせ、そこには俺の大好きな犬耳と尻尾がピョコピョコとフリフリと動いていたのだから。
触りたい。
もふもふしたい。
俺の中にムラっとした欲望の火が灯る。
「あら、これは随分と大物が引っ掛かったようね。貴女程の人がこんなに簡単に騙されるなんてね。元ギルドメンバー、戦士ランク8『黒狼』の二つ名を持つ古兵。サラーニャ・ハウスキー?」
どうやらアルシェはこの犬子さんの事を知っているようだ。
知り合いのよしみで、もふらせて貰えないだろうか?
「はぁ。たく、そのだっせえ通り名、まだ覚えている奴がいるとはな。・・・・えっーと、なんつったっけか?あぁ、アルシェ・ディバインだっけか?あんたこそ、あの戦狂いの血族なんだってな。人の事言えるかよ。」
「止めて頂戴な。私はアルシェ・ゲヒルト。マゼラン・フラス・ゲヒルトの妻です。こんな立派な淑女を捕まえて、あの人達と一緒にするなんて失礼しちゃうわ。」
「けっ、言ってろ。普通の女が、あんな動きしてたまるかよ。あれが普通の淑女に出来んなら、こっちの商売あがったりだぜ。」
アルシェに堂々と悪態をつく犬子。もとい、サラーニャ。
本来なら、貴族相手にそんな口を聴けば命すら危ない状況になる筈なのだが、状況が状況なのか誰もつっこんでこない。アルシェも黙認している。
まぁ、アルシェなら相手によっては素で許す気もしないではないが。
「それで。サラーニャ。貴女が顔を出したって事は、そうとっても良いのかしら?」
そうとっても?どうとるんだろうか。
「はん。それで構いやしないよ。あたしゃ、ここに悪党ぶん殴りに来ただけだからね。相手が少し代わった所で問題なんてないのさ。その代わり、あんたにはあたしらの身柄を保証して貰うよ。」
「報酬は?」
「金銭の要求はしない。あんたに要求するのは、この一件であたしらが被った罪の免除だけで良い。元より、騙されたあたしらが悪いんだ。それ以上は望む気にならないよ。」
「そう。長生きの秘訣を教えずに済んで良かったわぁ。」
サラーニャはアルシェと軽く握手を交わした。
何か話が纏まったらしい。多分仲間になったのだろう。多分。
「━━━で、さっきからこっち見てる、そのおっかねぇ餓鬼は何処のどいつなんだ?」
サラーニャの視線が俺を捉える。
視線の中に警戒の色が混じっている。
むむ、少し見つめて過ぎたか?
「うちの用心棒よ。ね、ユーキちゃん?」
「おう。よろしくな、犬子・・・・・サラーニャ。」
「犬じゃねぇっての!あたいは狼の獣人だ、間違えんなコラっ!!」
狼子だったようだ。
フサフサ尻尾可愛い。
「分かった。狼子、よろしく。」
「おい!なんで、名前が吹き飛んでんだよ!?間違ってはねぇけど、そっちを全面に持ってくんな!舐めてんのか、あぁ!?」
「舐めてない。どっちかって言うと、もふもふしたい。」
「それを舐めてるって言うんだよ!!」
むぅ、舐めてないのに。
寧ろもふもふしたいだけなのに。
まぁ、良いか。後でもふらせて貰おう。うん。
「それはそれとして。」
「何勝手にそれとしてんだ、おい!」
「なぁアルシェ。俺、サラを助けようと思うんだけど、問題ないか?」
「聞け、コラっ!!」
俺の言葉にアルシェは頷く。
「貴女ならそう言うと思っていたわ。こちらの事は気にせず、好きにして貰って構わないわよ。」
「む・・・・。一応言っとくけど、誰でも助ける訳じゃないんだからな。サラを助けるのはさっき知り合いになったからで、俺はそこまでお人好しじゃないからな?勘違いすんなよ。」
「?そう?まぁ、貴女がそう言うなら、それでも構わないけれど。」
アルシェに下手に勘違いされると面倒な事任されそうだしな。先に釘打っておかないと。
俺は正義のヒーローではない。いつもいつも助けると思ったら大間違いだ。
ふんすと鼻息を漏らし、アルシェを見る。
何故か苦笑している。何か面白い事でもあったのだろうか?つか、俺の顔見て笑ってないか?・・・・・解せぬ。
「━━━あっ、用心棒の仕事も忘れてないからな。アルシェとリビューネには護衛をつけるから、心配すんなよ。」
「あら?手が足りるの?」
「まぁな。でもどうやるかは内緒だぞ。良い女には秘密が付き物だもんな?」
「ふふ。そうね、分かったわ。貴女の用意する護衛様に期待しておくわ。」
俺とアルシェが話終える頃、軍服の声が再び響いてきた。
「残り30秒。時期に最初の刻限である。返答や如何に?」
領王はまだ答えが固まっていないのか、何も言おうとしない。
他の貴族達は好き勝手に叫ぶが、それを国としての総意として認めていないのか、軍服は顔色一つ変えずにその光景を視界に捉えたまま動かない。
「━━━━時間だ。やれ。」
軍服の合図と共にアームドの銃口が令嬢の頭に擦り付けられた。令嬢の父親と思われる人が血を吐くような叫び声をあげる。
そして、「悪く思わぬ事だ。英断出来ぬ、愚かな祖国を呪うと良い。」と、軍服がアホな事を抜かした。
本当にアホな事だ。
それをさせなかったのは、お前らだろうに。
「アルシェ、ワン子。人質は任せた。俺は━━━」
魔力を練り上げる。
身体中にマグマの如く熱せられた魔力が駆け巡り、血がたぎって行くのを感じる。知覚が鋭くなり、力が膨れあがっていく。
俺はヒーローにはなれない。
困っている奴がいたとしても誰でも彼でも助けるとか考えないし、そう言うのが向いてないのは分かるし、なろうとも思えないから。
だから、これからする事はあくまで利己的な理由から。
俺が好きでやる事。好きで暴れて、好きで壊す。気に入らないから、殴り飛ばす。俺の大事の中にある物に触れようとするから、ちょっかいを掛けようとするから、蹴り飛ばす。
それだけだ。
先ずは、気に入らない軍服とその一味を━━━
「━━━あいつらをぶっ飛ばす!」
◇━◇
閃光。それは赤い閃光だった。
突如として発生した砂埃を切り裂き、それは現れた。
私の目の前を横切ったそれは、悪魔のような破壊力と、音も置き去りにする速度を持った、死を呼び込む赤い閃光だった。
私が栄えあるエクスマキア皇国軍に入隊したのは20年も前の話だ。当時の私にとって、それは誇りある選択だった。
祖国は北国という土地柄もあり、農耕が壊滅的である。
なにせ農耕には適さない冬が一年の半分以上続く上に、国土の40パーセントが凍土に覆われているのだ。加えて僅かな穀倉地帯も酷く痩せ干そっていて、並みの植物では芽すら出なかった。
勿論あらゆる手を尽くされている。だが、回復の見込みはもう何十年も立っていないようなそんな状態だったのだ。
私の実家は、そんな農家だった。
まともな農耕すら出来ない、穀倉地帯の外れも外れ。
その日暮らしがやっとの農家。
それが、私と家族の居場所だった。
生活は苦しかったが、それ以上に何も成果をあげられない毎日にうんざりしていた。
ここでなければ、もっと南の土地であれば、もっと早くに産まれていれば、知識を得る機会があれば。
成功と言う二つの言葉が達せられない私の不満は、年々募っていた。
農家の家に産まれて10年が経った頃。
私の人生に転機が産まれた。
それは、村にやってきた軍による新入隊募集の報せだった。
私はそれに飛びついた。
なにせ、軍に入る事が出来れば勉学の機会は勿論、手柄を立てれば土地を貰える事すらあるのだと知っていたからだ。
本来、軍に入隊するには厳しい選考がある。家柄、性格、知識、身体能力を厳正に審査され、入隊出来るのは半数にも満たない数だけ。
農家の家の出でなれるような物ではないのだ。
だが、その時の募集にはその制限が無かった。
それこそ、誰でも入隊を認めると。
泥を啜る覚悟がさえあれば、誰でも何人でも、と。
聞いたその日に親を説得し、翌日には荷物を纏めて入隊者を募集している駐屯所へと向かった。
そして、それから私に待っていたのは、文字通り泥を啜る毎日だった。
「ぎやぁ!?」
「ごはっ!!」
私の前で精鋭の部下達が宙を舞い、地面に体をめり込ませる。
あれだけ厳しく育てた精鋭達。
私と同様、いや、それ以上に厳しく育てた精鋭達。
それがいとも簡単に倒されていく。
可笑しいではないか。
私は泥を啜ったのだ。
毎日、毎日。
朝から晩まで、怒号を飛ばされは立ち上がり、蹴り飛ばされては立ち上がり、殴り飛ばされては立ち上がり、血を吐き涙を溢しそれでもと鍛練してきた。
それなのに、私は━━━━。
「ひぎぃっ!?」
部下の悲鳴と共に、赤い閃光が目の前を横切っていく。
部下は壁に体を埋め込みピクリとも動かない。
嬉しかった。
私の努力が認められて昇進出来た事が。
楽しかった。
日に日に成長していく手塩に掛けた部下達を見る事が。
誇らしかった。
エクスマキア皇国と言う国の中で、私の努力が一つの形になろうとしている事が。
それなのに私は何故━━━━。
「こんな所で!こんな所でぇぇぇ!!」
そう叫んだ所で、私の視界の中に赤い閃光が走った。
真っ直ぐに此方に向かってくる。
知覚は出来た、だが、手が足が動かない。
体の30パーセントを機甲体へと変換した私は、人の10倍の速さで動く事が出来る。コアをフル出力で動かせば、それ以上の動きも可能だろう。
だと言うのに、私は動けなかった。
知覚出来るのに。
分かっているのに。
それなのに、動けない。
攻撃される。
そう思い、体を守ろうとした時。
私はどうして動けなかったか、知る事が出来た。
私の体はとうに壊されていたのだ。
肩から先に腕の感覚が無い。
地に足がついている感覚が無い。
それどころか、私の視界は本来の自分の身長より高い位置にあることに気づいた。
あぁ。
私は、誰よりも早く攻撃されたのだ。
そして今私は、果てしない刹那の時の中で、走馬灯を見ていたのだ。
赤い閃光は私の足元を通り抜け、最後の部下へ迫っていく。
そこからは視界の外。何が起きても見る事は叶わない。
だが、恐らく、私と同じ運命を辿る事になるだろう。
あぁ、まったく。
だから、説得などせずに、さっさと殺せば良かったのだ。
これだから、戦場を知らぬ老害共は。
遺憾である。
私が指揮をしていれば、私がもっと権力を持っていれば、私がもっと優れた能力有していれば、私がもっと、私がもっと━━━
「あぁ、だがこれが現実か。詮無き戯れ言だったな。」
時は命、命は時。
命を削って作った時間。
そこで得た物、失った物。
私にとって、それは、なんだったのか。
次に目が覚めた時、それを知る事が出来るだろうか。
私の意識は、そこで途切れた。




