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プロローグ

つたない文で、すいません。

ワンワンのやつと同時にやってこうと思うので更新死ぬほど遅いです。


誤字脱字ガンガン直してくので気軽に叱責してやってください。


お目汚しにならん物語を書けるよう頑張っていきます、では。

「何処だここ?」


 目を覚ました俺が一番先に発した言葉だ。見覚えのない風景に頭を傾げる。


 思いだそうとしたが、学校から出た辺りから記憶が曖昧だ。なぜだか酷く頭が痛い、どっかぶつけたか?


 それにしても、スゴいなここ。目がチカチカする。


 あたりを見渡すと一面青一色。壁も床も天井もドアも青、青、青。うむチカチカする。


 色以外は変わった所はなく、さほど天井の高くない細く長い通路。両側にドアが等間隔にいくつも備え付けてあった。

 取り合えず手当たり次第ドアを開けまくろうとしたが開かない。鍵がかかっているみたいだ。


 しばらく通路を歩いていくとちょと立派なドアに行き着いた。ドアノブに手をかけると抵抗なく動くので思いきって開けてみる。


「ようこそお出でくださいました、黒須トウジ様。」


「はっ?」


 トウジは驚きながらも声の出所を見る。そこには十歳前後の女の子がちょこんと椅子に座っていた。銀色の髪を肩口で切り揃え、白いワンピースをきた晴眼の可愛い女の子だ。


「お座り下さい。」


 女の子がそう言い手を差し出すと、女の子の前に椅子が現れる。マジックか。


「あ、ども。」


 恐縮しながら椅子に座る。・・・って言いように扱われ過ぎだろ俺。


「昨日は災難でしたね、お疲れ様です。」


「あ、うっす。ども・・・災難?」


「・・・昨日の事、覚えてらっしゃりませんか?」


「はぁ、すいません。覚えてないわけじゃないんだけど、災難ってのが・・・」


 女の子は顎に手を当て何かを考える仕草をする。


「記憶の混濁が見受けられます。少し宜しいですか?」


 女の子はそう言うと、ツカツカと近づいてくる。近づいてくる女の子にドギマギしながら見ていると、顔を近づけ迫ってきた。


「いやっ、おれっ」


「じっとしていて下さい。」


 女の子は自分の額を俺の額にそっと当てる。キスじゃなかった。


 額が暖かくなるのを感じると同時に、頭の中である光景が脳裏を駆け巡る。


「うっ!?」


 口元を抑え吐き気を抑える。


 女の子はその様子を見ると静かに向かいの席に戻っていく。


「思い出しましたか?」


「・・・。」


 一呼吸を空け女の子は口を開く。


「黒須トウジさん、昨日貴方はお亡くなりになりました。」


「・・・。」


「帰宅途中の脱線事故で同乗客212名と共にお亡くなりになりました。」


「つきまして、これからの事をご説明させて頂きます、シャリオです。宜しくお願いいたします。」


「ちょっと待ってくれよ、死んだって嘘だろ?俺、だって、普通に・・・」


「不幸な事故でした。お悔やみ申し上げます。」


「・・・はぁ、まじか。」


 目の前の女の子はじっと俺の目を見つめる。真っ直ぐな澄んだ瞳だ、嘘をついてるようには見えない。何より呼び出された記憶が鮮明に自分に何があったかを告げている。


 さながらここは死者の審判の部屋と言った所か。


「まいったな、ケータイのエロ画像けしてねぇ。」


 女の子が一瞬ゴミを見る目をしたような気がしたが、まぁきのせいだろう。天使みたいに可愛い子がそんな事するわけない。


「で、俺は天国いけんの?やっぱ地獄?」


「切り替えが早くて助かりますが、地獄に行きたいんですか」


「行きたいわけじゃないけど、人って基本罪深いじゃん、だからさ?」


「お言葉ですか、罪などと言った曖昧なもので、黒須様の処遇は決まりませんよ。それ以前に天国、地獄と言った世界はありません。」


「ないの天国。」


「ありません。命は常に循環していますから、亡くなりになりましたら直ぐに新しい身体に転生されます。」


「転生ものか、記憶はやっぱ消えんの?」


「記憶は消させて頂きます。新しい世界に早く順応できるようお務め下さい。」


「もしかして転生できる世界って色々あるの選べたりする?てかシャリオって天使的なやつ?」


 ここまで淡々と話し続けてきたシャリオが突如止まり、訝しげに此方を見つめる。


「たまにですが、日本人を案内する時、やたら話の理解の早い者達がいるのですが・・・死後の訓練でもなさっているんですか?」


「してない、してない。漫画とかゲームとかでよくあるシチュなんだよ転生とか。で天使なの?」


 シャリオは顔を伏せ大きなため息をつく。顔を上げると疲れた顔をしていた。


「人間の想像力と言うのも馬鹿に出来ませんね。想像とは言え真理の一端に触れているのですから。」


「そう言うわりには、尊敬の念は感じとれないんだけど。」


「してませんから。私の役割で言えば天使と言うよりは神様の代行と言うほうが近いかもしれません。それと世界の事ですが・・・多数存在していますが選択は出来ません、ご了承下さい。」


 出来ないのか、俺は天を仰いだ。いや諦めるにはまだ早い、どうせ転生せねば成らないのだろうし、少しでも転生後のライフを楽しく過ごさせてやりたい俺マーク2には。


「特殊能力とか付加して転生とかは?」


「ありません、諦めて下さい。と言うより図々しいですよ黒須様。転生して新しく命を得られるだけ幸せなんですよ?」


「そうなの」


「転生させてもらえず永遠に部屋に閉じ込められる者もいるのですから。」


「なにそれ怖い。」


「転生しようにも魂が強すぎて記憶が消せず、取り合えず保留される、そんな可哀想な者達も少なからずいるのですよ。」


「俺は?」


「大丈夫です。普通で・・・。」


 シャリオの手が止まる。またか、何か問題でもあったのか。シャリオの顔を覗きこむ、何か困惑した表情をしている。


 覗きこむ俺に気づきシャリオは微笑みをつくる。無理やりだな。


「大した事じゃないんですが、少し変わった力をお持ちだったようで・・・」


「何々?」


「召喚士の才がありますね。」


 召喚士!あのモンスターや神獣や精霊を呼び出せるあれか!俺は興奮のあまり立ち上がって拳を握る。ガッチャ!俺はやればできる子だって信じていたよ!


「ただ召喚に使う魔力を全くお持ちで無いようなので、意味はないんですけどね。」


 余韻に浸ろうとしているとシャリオが現実を(ささや)く。くそぅ、才の意味ないじゃないか!


「わかったよ、もういいや。俺の駄目さ加減はよくわかった。さっさと転生しちゃってくれよ。」


 その言葉にシャリオが驚いたようだ。


「随分潔いですね。普通未練がまし騒ぎ立てる所なんですが。」


「そりゃ心残りはあるよ。やりたい事はまだあったし、家族も、仲間もいたしな、リアルはいなかったけど。」


 俺は自分の半生を振り返る。・・・どうしよう、ろくなことが思い浮かばん。まぁとにかく・・・。


「俺なりによくやったから、それでいいかなってさ。」


「そうですか、わかりました。転生の準備をいたしましょう。・・・黒須様の来世にまたよき出会いがありますよう。」


 俺の回りに魔方陣が浮かび上がる。アニメっぽいとか思いつつシャリオを見る。この貴重な体験が無くなってしまうのは忍びない、リアル魔法何て日本じゃフィクションでしかなかったからな。このちょっと残念な気持ちを共有して貰いたくてシャリオ見たのだが、ん、なんだ、その顔。


 シャリオの顔は目を見開き唖然といった表情で固まっていた。なんなら脂汗も滲んでいるかもしれない。


「ちょ黒須様、どこに行かれるつもりですか!」


「へ?どこって知らんよ。シャリオが転生先決めんだろ?」


「私まだ何も!?」


 そこでシャリオの声は途切れ、俺の視界は光につつまれる。光の中、薄れゆく意識の中シャリオの声が聞こえたが上手く聞き取れない。悪いことでないことを祈るばかりだ。


 残されたシャリオは呆然と黒須トウジのいたはずの場所を見ていた。

  「何が起きてるの・・・?」

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