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シスターコントラクト  作者: 若葉人間
1/5

動き出す歯車 Ⅰ

これが最初の作品です。

いろいろ編集したのでぜひ読んでみてください。

11年前、俺はその日捨てられていた1人の少女を拾った。

少女はもろくほそく少しでも力を入れたら壊れてしまうのではないかと思うほど弱っていた。

少女の服はボロボロに破れ、服や肌は土で汚れていた。

きれいな銀色の髪も土でよごれ、少女の瞳は赤い宝石のようだったがその瞳に輝きはなくあるのは絶望だけだった。

「俺がお前に名前を付けてやる赤い瞳に合う名前を・・・そうルージュ。お前は今日から魔鈴 ルージュで、そして今日から俺の妹だ」

その日少女は初めて、自分の居場所と家族ができた。



「ルージュ、フォルムチェンジ」

「はい、マスター」

ルージュと呼ばれる少女は,合図でに自身の姿を黒いマントに変える。その黒いマントをマスターと呼ばれる少年魔鈴 幸助が羽織る。

「いくぞルージュ」

その合図で、幸助はマントの内側から黒く細長い剣をだして振り下ろす。

振り下ろされた剣によって対戦相手は後ろにとばされ戦闘不能とみなされ、練習試合がそこで終わる。

「ありがとなルージュ」

「いえ、私はやるべきことをやっただけです」

魔鈴 ルージュは元の姿に戻ると腰のところまで伸びた銀色の髪を手でサッと払い、

「それより幸助、早く帰って来てください」

と、幸助に告げて幸助と一緒に住んでいる寮の202号室に帰って行った。

「ルージュちゃんやっぱり、こうよりしっかりしてるよな」

「そうでもないさ」

対戦相手で親友の神路 真は小さいころから一緒にいたので、もちろんルージュのことも知っている。

だが真はまだルージュの素顔を知らない、幸助だけが知っているルージュの素顔を。

真と別れた後幸助は急いで寮に戻った。

202号室の部屋の前に立つと1度深呼吸してから扉をあける、そこにはルージュがいたが彼女の様子はさっきまでと違っていた。

「ただいまルージュ、すまない少し遅れた」

「・・・もーお、おそいよお兄ちゃん」

ルージュは、数分前のクールなイメージとは違い甘えたそうな目で幸助を見る。

「お兄ちゃんいつものあれやって」

そういうとルージュは、頭を幸助のほうに向ける。

「頑張ったなルージュ」

幸助は、ルージュの頭をやさしくなでるとルージュは満足そうに笑みを浮かべていた。

「明日もルージュ、お兄ちゃんのために頑張るから明日も頭なでなでしてね」

「明日は、実技授業がないけどな」

「でも、なでなでしてほしいの」

ルージュは少し声を大きくして主張する。

幸助は数秒間考えて、ある答えを出した。

「・・・よし、じゃー明日1日問題を起こさなければなでなでしてやる。ただし居眠りしていたりボーとしていてもだめだからな」

「兄ちゃんこそ居眠りしちゃ駄目だからね」

そんなやり取りをしたあとご飯を食べシャワーを浴びて幸助たちは眠りについた。



その晩幸助はある夢を見ていた、それは幸助が初めて使い魔と契約をした時の夢だった。

「ルージュ本当にいいんだな」

「うん」

「ほんとのほんとにいいんだな」

「ほんとのほんとにいいってば」

「だけど、1度契約したらマスターが死ぬまで契約を破棄することができなくなるぞ」

たとえルージュに大切な人ができてもその人と契約することができなくなる。

そのことを踏まえたうえでルージュは幸助と永遠の契約しようとしていた。

「しってるよ。だからルージュは一生お兄ちゃんを・・・」

そこから先が思い出せない、大事なことを言われたはずなのに。



「兄ちゃん起きて、お兄ちゃん朝だよ」

幸助は何度もルージュに起こされてやっと目を覚ます。

「うぅ、もう朝か」

1日の始まりはいつもルージュに起こされ始まる。

ルージュのパジャマはちょっと大きめな俺のワイシャツ、ルージュいわく俺がそばにいるみたいで落ち着くらしい。

でも第1ボタンと第2ボタンが空いてるため結構いろいろまずいことになっている。

「おはよう兄ちゃん」

ルージュはいつものように朝食を用意してくれていた。

「お、今日も朝飯用意してくれたのか」

「うん、せめてもの恩返しだから」

「そんなこと考えなくていいって言っただろ。お前は俺の家族なんだから」

「うん、ありがとうお兄ちゃん」

ルージュの笑顔は今日も太陽の光よりも眩しく月の光よりもきれいだった。

「それよりどうしたんだ?今日は朝からやけに機嫌がいいけど」

「そ、それは夢の中でお兄ちゃんがルージュに・・・」

「ルージュに、なんだ?」

ルージュの顔はだんだん紅くなっていく、それと同時進行で声も小さくなっていった。

「な、何でもない」

最後には真っ赤なリンゴよりほっぺのほうが赤くなっていた。

「それより兄ちゃんのために早起きして朝食つくったから早く食べて」

テーブルの上には、ほかほかのご飯、お味噌汁、サラダに鮭のムニエルがありどれもおいしそうだった。

「いただきまーす」

「どう兄ちゃん?」

「・・・うまい」

その一言を聞くために早起きをしたルージュは嬉しすぎてどうにかなりそうになっていたが、幸助が呼んでいることに気が付きルージュも急いでご飯を食べ始める。

「いただきまーす」

その後急いでしたくをし、寮をでて、幸助といっしょに学校に向かう。

幸助たちが通う学校マスター育成学校通称M.T.Sはマスターとその使い魔を1人前にするために作られた学園で、魔族の世界では力がすべてそのため強い力を持つ者にはそれなりの権力や地位がもらえる。

だから魔族は誰よりも強くなるために多くの戦いができるマスターと契約をして使い魔になった

そして、マスターは1年に一度開かれる最強のマスターを決める大会、魔王際に出場するため。

魔王際で優勝するとどんな願いでも可能な限り一つだけ叶えることができる夢のような大会なのだ。

その願いで貴族になった者や永遠に使い終わらない額の金を手に入れた者もいるのだが世界の人口70億人の中の1人つまり優勝することが世界一難しい大会なのだ。

幸助には夢があったその夢を叶えるためにはどうしても魔王際に出て最強のマスターにならないといけない。

そのためにM.T.Sに通っている。

数分間歩き目的地に到着する幸助たち。

幸助とルージュは学年が違うため別々の階の別々の教室に向かった。

ルージュがクラスに着いてから数分後チャイムが鳴った。

「今日は使い魔とマスターを詳しく教えます」

ルージュが席に着くとモニターの前に担任の貴城 かぐやがいた。

貴城 かぐやはこの学園で一番きれいな先生だという噂があるが、もちろんルージュには興味のない噂だ。

かぐやはいつものようにチャイムが鳴り終わるのと同時に話し始める。

「まず初めに使い魔について、使い魔は主であるマスターから力の源であるマナをもらうことができます。そのマナの力でフォルムチェンジ(形態変化)を行ったり、マナを魔力に変換させて魔法陣を展開し魔法を使うことができます。使い魔には大きく分けて5の種族に分けられ鳥類種、獣類種、魚類種、混合種、外類種となります。鳥類種は、空中戦に特化しており風や空気などを操ることを得意としています。ですが、鳥類種のほとんどは人間界の鳥に似ているため水中戦が苦手とされています。獣類種は、地上戦を得意としており大地や草花などを操ることが得意とされています。ですが獣類種のほとんどは空を飛べず泳ぐことも苦手な種族です。次に魚類種について、魚類種は水中戦を得意としていて水を生みだしたり操ることが得意です。ですが、陸や空ではあまり活躍しません。混合種は少し複雑です・・・なのでさっき紹介した3種のハーフだと考えていいでしょう。弱点も種類によって違います。最後に外類種これは、どの種族にも属していなくていまだに解明されていないません。そして、世界でまだ2つの個体しか見つかっていませんので、大変貴重でイレギュラーな種族です。弱点は不明です」

「かぐや先生」

一番前の席にすっわていた男子生徒が手を挙げて貴城 かぐやの名前を呼ぶ。

「なんですか」

「質問でーす、外類種って人間とまったく同じ姿をしているって聞いたがあるんですけ本当なんですか?」

「ええ、人間と臓器や姿形が同じですが、人間と違いフォルムチェンジをおこなったりマナをマスターから受け取ったり、魔力を操る力を持っています」

「じゃあ先生質問ですが、混合種と外類種は、2種類以上の武器や道具になれるのは本当なんですか?」

「ええ、ほとんどが2種類以上の武器になれますが、中には例外もあります」

かぐやは、鋭いまなざしでルージュを見つめる。そのまなざしにきずきルージュは目を合わせないようにに窓のほうを見る。

「では、次にマスターについて、マスターとは使い魔と契約を結び使い魔の主になった人のことを言います。マスターの役割は、命令を出し使い魔に相手を攻撃させたり自分の身代わりになってもたりすることです。ほかには使い魔を武器に変え自分で戦たりすることもします。ですが、使い魔が武器になったり攻撃するには、マナが必要になりますそのためには、マスターがつねに使い魔にマナを送らなければなりませんのでマナが無くなれば使い魔はこの世界にとどまることができず、自分たちの世界(魔界)に帰ってしまいます。なのでマスターには、マナが不可欠なのです」

「先生、じゃあなんでルージュさんは、この世界(人間界)にずっといることができるのですか?」

生徒の質問にかぐやは戸惑う。

「それは・・・私にも分かりません」

かぐやの声にはいら立ちが感じ始めていた、にもかかわらず空気が読めなない1人の生徒が言ってはならないNGワードを言ってしまった。

「世界で三番目に強いマスターの貴城先生でも分からないのですか?」

その生徒の言葉を聞いたとたん、かぐやから大量の冷気が流れ出てくる。

その異常にきずきほかの生徒たちが貴城 かぐやを落ち着かせようとするがもう遅いかぐやから流れ出る冷気は止まらない打つ手が無くなった生徒は死を覚悟する、だが運良くそこでチャイムが鳴り教室に音が響き渡る。

その鐘の音を聞きかぐやは、何事もなっかったように授業を終わらせた。

この学校ではその日ごとに行われる授業や時間帯が変わるシステムであるため今日はいつもより早く授業が終わった。

もちろん終わった後も補修を受ける生徒などはいる。

でもルージュには一刻も早く会いたい人がいた。

放課後になりルージュは、幸助のいる2-Cに向かうと幸助を無理やり連れていき5階の屋上に向かう。

「幸助、朝あなたのお弁当も一緒につくったから私と一緒に食べましょ」

ルージュの話し方は家にいるときと変わっていてクールな印象だった。

「いいけど、なんで屋上なんだ?屋上じゃ誰もいないし少し風が強いぞ」

屋上には普段ほかの生徒たちがいるのだが、この時期真冬のため自分たち以外の生徒の姿は見えない。さらに屋上にはベンチやバリケード以外何もないため風をさえぎる物もないそのため寒い。

すごく寒い。

「屋上で食べたい気分なんだからいいでしょ」

ルージュは少し怒り気味に答えていたが、なぜ怒っているのかは幸助には、まったく見当がつかなかった。

「お、今日のおかずは卵焼きにポテトサラダそれと唐揚げかどれも俺の大好物じゃないか、覚えていてくれたのか?」

「べ、べつに覚えてなんていませんただ気分的に作りたかっただけです」

ルージュの顔が少し赤くなっており嬉しそうに何かっ独り言を言っていた。だが幸助はそれにきずかずにお弁当を食べ始めていた。

「幸助聞いているの?」

「悪い、お弁当に夢中になって聞いてなかった、もう一回ゆってくれないか」

「もういいです」

ルージュがまた不機嫌になり、何でまた不機嫌になっているんだと疑問にしながらも幸助は食べるのを再開させた。

「やっぱりうまいなルージュの手料理」

「と、当然です。何年作ってきたとおっもているのですか」

ルージュは胸を張って言う。

ちなみにルージュの胸はいわいる残念胸だ。

だから、胸を張っても迫力がない。

「どうしたんですか幸助?」

「いや、この俺好みの味付けはルージュにしか作れないと思って」

「たまたまそうなっただけです」

「いつもありがとなルージュ」

「何ですか突然」

「いつもそばにいてくれたからさ」

「それはこっちのセリフです。幸助がいなかったら私はもうっとくに・・・」

ルージュはそのまま昔のことを思い返していた。

幸助の知らない空白の時間を。

「悪いルージュ昔のことを思い出させっちゃって」

「いいえ。今の私が幸助と一緒にいられるのはあのことがきっかけなので、実は結構感謝しているんですよ」

「本当か?」

「本当です、幸助」

ルージュの言葉はいつもと同じ明るさになっていたのでその笑顔が真実だと幸助は悟った。

「それならいいけど」

「それより早く食べて戻りましょ授業が始まってしまいます」

「ああ」

 その後、ルージュは午後の授業を終えて幸助のもとへ急いでむっかった。

「悪いなルージュ今日は遅くまでやらなきゃないけない事があるから、先に帰っててくれないか?」

「やらなきゃならならない事って例のボランティアのことですか?」

「ああ」

「・・・分かりましたじゃあ今日は、夢ちゃんと帰ります、でも早く帰ってきてください」

「悪いな、でもそうしてくれ」

ルージュは幸助に挨拶をしてから親友の加野 夢といっしょに学校を後にした。


「ごめんごめん、まった?」

「いや、俺も今から行くところだった」

「そう、ならよかった」

幸助はこの学園で5本の指に入る美少女とゆわれている2-Bの北条 海と待ち合わせをしていた。

海は幸助よりやや身長が低いが、活発で元気な太陽のような人だ。

幸助は5歳の頃に海と出会いそれからは、いつも一緒にいる神路 真と同じ仲のいい幼馴染だ。

そして今は同じぼランティや活動をしている仲間だ。

「じゃー行きましょ」

「ああ」

幸助と海は、一部の人しか知らない地下につながる階段を下りて明かりのついた部屋え向かう。

扉をあけると中には大きなモニターその周辺に5台ほどパソコンがありさらにいろいろな資料や本があり秘密基地のようになっていた。

「そろったようね」

そのへやには7人の生徒とかぐやの姿があった、かぐやは全ての人が集まったことを確認して話を進める。

「今回の仕事について伝えます、昨晩何者かがあこの学園に侵入してきました犯人についての情報ですが浜松さん説明してもらってもいいかしら」

かぐやは、この活動のリーダーである浜松 彩夏に今日の活動と今の状況を説明するようにと指示する。

「はーい、じゃあまず敵さんについてね、昨日の深夜1時ぐらいに変な奴がこの学園に侵入してきたんだけど、初めはね堂々と侵入してきたからさ素人だと思ってさざこ兵たち、一応10人でつかまいにいったらしんだけど、30秒ぐらいで倒されちゃった」

彩夏のゆうざこ兵とはこの学園にいる警察のようなもので、主にBランク~Aランククラスの実力を持った人たちが集まっている組織である。

「相手複数人だったのですか?」

金髪の少女アメリア・シェリー・フォードが彩夏に敵の数について聞いてみる。

その質問に彩夏は即答で答えた。

「1人」

その回答にかぐやと彩夏以外は言葉を失う。

理由は簡単だったこの学園には魔族や生徒についての資料が数多くあるそのためこの学園を警備する人もその分すぐれた使い魔を所持していたり磨き上げられた武術を習っている、そのためそこいらの人では倒すことはできないはずなのだ、しかも10人相手に30秒で倒すとなるとSランク以上の力を持っているということになる。

「本当に一人だったのですか?」

数秒たってやっとアメリアが最初にしゃべりだす。

アメリアは魔術によって1人に見えたのではないかと疑いもう一度質問した。

だがその質問にまたもや即答で答える。

「100%1人だった」

彩夏が絶対とゆうなら全員そうなのだとなっとくする。

なぜなら彩夏の使い魔インベリド・ランサーはあらゆる魔法を無効にしてしまう恐ろしい使い魔だから。

「一人3秒か、どんな奴だたんだそいつは?」

「それがさ倒された10人全員が顔を見てないってゆっていて、僕もさすがにこまってるんだよね」

「先輩そんなふうに見えませんけど」海が鋭いつっこみを入れる。

「敵は相手の記憶を改ざんもしくは消すことができるのですね」

「もしかしたら、早すぎて見えなっ方のかもしれないけど」

「防犯カメラには映っていなっかたんですか?」

「一瞬だけね」

「つまり整理すると敵の居場所は不明で武器も不明相手の記憶に何らかの影響を与える使い魔を所持もしくわSランク以上の速さをもっている使い魔を所持しているということですね」

「そゆこと」

「で、僕たちの仕事はそいつを捕まえればいいのですね」

「それがね違うんだ」

「?」

ここにいるメンバー全員の頭にはてなマークが浮かぶ。

「ぼくたちの任務はね何もするな、なんだ」

「なぜだ?そんな得体の知らぬ侵入者なら早めに始末したほうがいいのではないのか」

ごっつい体つきをした3年の不動 岩山が質問する。

「上からの命令なんだ、ぼくとしては久しぶりに骨のある奴が来たからさ倒したくてうずうずしてるんだけど」

この学園の学生で1番強いマスター、浜松 彩夏はかぐやよりは劣るがすさまじい強さを秘めた女の子である。

身長は平均の女子と同じくらいなのだが、少し男の子っぽい性格がある。

そして彩夏は強い相手を見ると倒したくなるちょっと変わった女の子である。

見た目はかわいいがその性格のせいで男子からの評価はあまり良くない、一部の男子を除いて(M)。

「なら私帰ってもいいですか?」

不気味で暗いオーラを放つ1年の闇影 音寝は眠たそうに質問する。

「いいよ」

彩夏の許しを得て音寝はふらふらしながら帰って行った。

ほかのメンバーはべつのボランティア活動を進めるためにみんなバラバラに仕事をする。

「私仕事終ったんで先に帰ります」

最初に仕事を終わらせて帰ったのは3年の高藤 小鳥だった。

その後みんなそれぞれの仕事を終わらせ個別に帰っていく。

「じゃあ、俺も帰ります」

幸助も仕事が終わったので海と一緒に帰ろうとして声をかけたが海はまだやりたい仕事ことがあると言うので幸助は1人で帰る事になった。

帰り道満天の星空を見ているとふと後ろの方から声をかけられた。

「せ、先輩」

声のする方を見るとそこには幸助と同じマスター育成学校、通称M.T.Sの制服を着た女子生徒がいた。

「俺のこと?」

「はい」

「あの先輩、これよっかたら食べてくれませんか」

女子生徒は何やらいい匂いのする小包をもっていた。

その小包を顔を赤く染めながら幸助に渡してくる。

「ええっと・・・これは?」

「クッキーですよかったら食べみててください」

「なんで俺に?」

女子生徒はその質問に迷いながらも何かを決心して思いを告げる。

「実は・・・前から先輩のことが好きでした」

いきなりの告白に動揺を隠せない幸助に女子生徒は話を続ける。

「実は以前先輩たちがやっているボランティア活動で、先輩に助けられたことがありましてその時から先輩のことが好きでした・・そのもし良ければなんですけど、クッキーを焼いてきたのでここで食べてみてくれませんか」

「・・・」

「食べるだけでもいいですから」

女子生徒は不安そうにでも力ずよいお願いをしてくる。

「ここで?」

「出きればここで、お願いします」

そんな彼女の言葉を聞き迷いながらも幸助はクッキーの入った小包を開けて1枚食べてみる。

「どう、ですか?」

女子生徒は不安そうに聞いてくるが、幸助の返事は少し遅れて帰ってきた。

「・・・うまいよ」

「ほ、本当ですか」

彼女は心の底から嬉しそうにして幸助を見て笑っていた。

その時一瞬だけ不気味な笑みをしていたのは気のせいだったのだろうか。

「でも、ごめん彼氏になれないんだ」

「そうですか・・・でも先輩に気持ちを伝えられたのでよかったです」

「本当にごめん」

幸助は11年前のあの日から心に誓っていたことがある、たとえどんなことがあってもルージュを幸せにするとその夢のためにはどうしても魔王際で優勝しなけねばならないだから付き合えない。

「いいんです先輩。それとこれをルージュちゃんに」

「これは?」

「先輩のとちょっと違う味のチョコレート味のクッキーです。よかったらどうぞ」

「・・・分かった」

女子生徒は小包を幸助に渡し去っていた。

そう言えばあの子の名前聞きそびれたな。

そういえばなぜ彼女はなぜルージュの事を知っていたのだろう?

このとき幸助は思いもしなかった運命の歯車が回りだしていたことを。



                                           

                               つづく

この作品は長いです。

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