前へ目次 次へ PR 7/13 杯-みかづき- 雨粒を月陰に注いで。 滴る一滴は、陰の涙。 梅の薫る雫の中。 溢れる雨滴は踊り、山の稜線を染める。 山瀬風(やませかぜ)を月影に注いで。 乾いた風は、影のため息。 揺れる大気は、野原の草木を眠らせる。 初夏の空。 雲の流れ行く空の下で。 彗星の軌跡。 長い年月の軌道。 すべてを、欠けた月光に照らして。 すべてを、見つめ、 すべてを、感じ、 すべてを、愛し、 すべてを、注ぎ、 空から、山へ、大地へ、川へ、海へ。 そして、空へ。 葉の香る風は舞う。