表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

幻夜祭

夏のおまつり。

月蝕の間の幻夜祭。


夜の闇の屋根の空の

遠くの山のビルのネオンの

飛行場の光の

公園の森の土の

噴水の音の匂いの

ひとりの秘密の場所の空気の


たゆとう夢ノ中。子供の声であふれ。

木のベンチ。

砂場。

鉄のスベリダイ。

人気のない夜の噴水は水鏡。


祭りの夜の神社の稲荷。

灯りの光の屋台の玩具の人形。

二人の人の兄弟の繋ぐ手、歩く足。

光と闇、生と死、人と物、境界のあやふやな内と外の祭の。


それは、現実のものなのか、

人のこころの生み出すの空想の産物なのか、

闇夜に染まる前の、

夕闇のまどろみのように不完全な。


夏の祭り。

相反する闇と光が入り混じる空間は、何もかもを曖昧にしてしまう。


時として闇は光に擬態し、光は闇に転じる。

何が正で、何が偽か、

何もかもが、交じり合い、もはや解らない。


それは、空に浮かぶ、不安定な、不安定な月。

揺れる、揺れる月の静かすぎる色。


夏のおまつり。

おはやしの音が、聞こえてくる。


夏の祭りが、始まる音。

月の欠ける音。

不思議な不思議な月の陰。


はじまる、祭り。

それは、夏の祭り。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ