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雲の形は変わり行く、儚さを
雲の形は変わり行く、儚さを。
風に流され、季節の便りが、草原を抜けていく。
草々の波はさわさわと、淡い色を残して、雫の息を滴らせ。
風に浮かぶ雲の中、渡る鳥達が空を切る。
この世はうつろい行くもの。
開拓の春が来て、
生長の夏が来て、
充実の秋が来て、
休息の冬が来る。
季節は廻る中にあって、雲はいつも青い空を流れていく。
うつろうものも、うつろわざるものも、皆、同じ夢を見る。
夢のように儚くて、雲は、非日常と日常の出来事をただ書き綴る。
そんな世界に住む。
移り変わる雲でできた空。