表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【0秒で婚約破棄】その「ざまぁ」は未払いだが?負債1432万円を第1話から即刻強制執行した結果 | 異世界ハック・レポート  作者: 葛石
Season 1:その「ざまぁ」、未払いだ即刻徴収

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/15

「おい無能! コピー機のトナー交換くらい秒でやんなさいよ! これだから中途採用の底辺は!」

女性社員比率9割、業界最大手『テラ・コーポレーション』の営業部。

お局である部長のヒステリックな声が響き、ハイヒールの爪先が私の脛を蹴り上げた。


周囲の取り巻きたちが「キャハハ、今日もサンドバッグね」「生きてる価値あるのかしら」と嘲笑う。


(……)


(……あら、その程度の陰湿さで『いじめ』のつもり? ちょっとお局様、そんな古臭い……)


(五月蠅い。物語が終わるまでは静観しろと言ったはずだ。……次はないぞ)


私は、汚れたスーツの膝を払いながら、無表情でスマホの画面をタップした。

――『忍耐限界値ストレスゲージ:99.9%』。


「……部長。一つ確認させてください。私がこの会社で上げた先月の売上20億、全て部長名義で処理されていましたが、それで満足ですか?」


「ああん? 部下の手柄は上司のもの、常識でしょ? 文句があるならパパにでも言いつけなさいよ、孤児の貧乏人が!」


貧乏人。孤児。

そう設定したのは私だ。


世界経済の半分を牛耳る父の会社に、コネなしの実力だけでどこまで通用するか試したかったから。

だが、結論は出た。

この部署は、腐っているどころか、父の庭に湧いた『害虫』だ。


「……分かりました。では、パパに言いつけますね」


「はあ? あんたのパパが何よ、八百屋? それともホームレス?」


(……はい、詰み(チェックメイト)。たった今、あなたの全資産価値が『ゼロ』を下回ったわ)


その時だ。

窓の外から、鼓膜を破るほどの爆音が轟いた。

オフィスの窓ガラスがビリビリと震える。


社員たちが悲鳴を上げて窓に駆け寄ると、そこには信じられない光景が広がっていた。

空を埋め尽くす、黒塗りの戦闘ヘリ部隊。

その全てに、我が社の社章が刻印されている。


「――通告する。我が愛娘、ミネルヴァを害した愚か者どもへ」


オフィスのスピーカーをハッキングし、地獄の底から響くような父の声が流れた。


「貴様らの退職金は、貴様ら自身への慰謝料(治療費)だ。慈悲はない。……総員、突入開始」


窓が割れ、ラペリング降下してきた特殊部隊(私兵)が、声なき爆笑を肩に刻みながら、人外の速度でフロア中の社員を瞬く間に制圧した。


腰を抜かす部長の前に、私は優雅に立った。

もはや怯える平社員ではない。次期総帥としての冷酷な瞳で。


(……はいはい、ざまぁ完了、お見事ですこと! ……で、そのぶっ壊れた私兵の手数料と……)


(……五月蠅い、限界だ。……口封じがてら、未定義領域の改竄を試してみるか)


【改竄:欠員補充として、未定義オブジェクト(マリア)を「特殊部隊員D」としてアサインする】


「ごめんなさい部長。『言いつける』じゃなくて、『駆除命令』でした」


「ひ、ひぃぃぃぃ!? 許して、あな、あなたが会長の娘だなんて知らなかっ……!」


「知らなくていいですよ。害虫の謝罪なんて聞きませんから」


「……え? ちょっと待って! なんで私、特殊部隊になってるの!? はい?!上官?! え? 降下? ムリムリ!! ……いやあぁあああああああ!!!!」


私は父に抱き上げられながら、崩壊する部署を背に微笑んだ。

さあ、次はどこの部署を掃除クリーニングしようかしら?


―― 完 ――


私は助手を雇ったことを後悔しながら、物語の「表側」に侵入する。


(最悪だ。この手のご都合主義を地で行かれる世界は、徴収に向いてないというのに、あの女……)


地面には着地に失敗した愚かな隊員、もとい、マリアがいる。


「聞いてないんですけど!! 降下の仕方なんて知らないんですけど!!」


「……五月蠅い。静観しろと言ったはずだ。……始めろ」


マリアはブツブツ言いながら従う。


「……5,000万くらい、かしら?」


マリアが指を絡めて祈ると、虚空から、領収書が舞い降りてきた。


---


■事案

国家レベルの脅威対策を私事に投入


■直接損害(経済的損失)

本社ビル窓ガラス(強化・防弾仕様)の破損: 140,000円

営業部業務停止に伴う逸失利益(20億の案件含む): 180,000円

特殊部隊の緊急招集・装備摩耗費: 350,000円


■間接損害(精神的・社会的損失)

なし


■論理的欠落(ロジカル・デフィシット / 物語への賦課金)

「世界経済の半分を牛耳る父」の娘のコネなし入社がバレない確率操作: 400,000円

その他、ギャグ要素による雑多なご都合主義: 50,000円


■必要経費

特殊部隊の装備一式レンタル(マリア/1日) ▲640,000円


■合計

未払い債務 480,000円


---


「え、安っ!? あれだけド派手にやって、これだけ!?」


「……当然だ。最初から重力も航空法も機能していない紙芝居のような世界だ。

矛盾を矛盾として認識する『基盤』が脆弱すぎて、徴収のしようがない。

おまけにお前の装備レンタル料が、数少ない負債を相殺してしまった」


「……それは貴方のせいでしょ!?」


(……チッ、五月蠅いな)


> マリアは自業自得である、と感じた観測者は、ブックマークまたは、ポイント評価を推奨します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ