傾国のセレネ
「やっと来たな。
待っていたぞ、近う寄れ」
尊大に私室の座椅子でふんぞり返る筋骨隆々の巨漢が、やってきたセレネを手招きしている。
それに応えるように悠然と歩いて彼の傍らに座ると、武人たる男のゴツゴツした手が彼女の頭をそっと撫で、そのまま首、背中へとゆっくり這わされていった。
何度も、何度も。
「この触り心地、やはりわしを虜にして止まぬな。
愛いやつよのう」
いつも険しい表情で睥睨し、敵はおろか部下達さえも恐怖で震え上がらせる男が、セレネの前では緩み切った顔を見せる。
強国バルサームの王タークスともあろうお方が、だ。
先王崩御のおり、タークスは兄のハークスを殺害して王位についた。
それから五年、彼の王政は言うなれば暴虐そのものだった。
弱兵だった兵士達を苛烈な訓練で鍛え上げ、周囲の国々へ攻め入り、略奪の限りを尽くしながら次々に併呑していった。
奴隷どもには容赦なく重労働を課し、文字通り死ぬまで働かせた。
国民には重税を課し、搾り取ったその富で豪奢に暮らしている。
逆らえば、一族郎党皆殺し。
人々は彼を暴君と呼んだが、「ありがとう、最高の誉め言葉だ」と高らかに笑い、まるで気にも留めなかった。
そんなタークスが今、溺愛してやまないのがセレネだ。
五年前、慰労の会を開いた際に先代からの老臣であるオーウィンが余興のために連れてきたのだが、一目でその美しさに心を奪われた。
何としてでも手に入れるべく、それとなく話を持ちかけてみると、オーウィンは拍子抜けするほどあっさりと彼女を献上したのである。
構えば構うほどに、愛らしい姿を見せてくれる。
可愛がっても可愛がり足りない。
あまりの気分の良さに、オーウィンが献策したセレネを守るための法の制定をその場で認めてしまったほどだ。
タークスにとって、セレネは今やなくてはならない存在となっていた。
「陛下、お楽しみのところ失礼いたします」
「邪魔するぞ」
そこへ、二人の男がタークスの私室に入ってきた。
一人は、いかにも狡猾そうな顔つきをした痩せぎすの文官。
片や、武骨でいかつい顔立ちをした、鎧姿の大男。
「……ジュリクとロフセンか。
何用だ?」
楽しみを邪魔された機嫌の悪さを隠そうともせず、タークスは二人に訊ねた。
己の懐刀とバルサーム国最強の大将軍の急な来訪となれば、ただ事ではない。
緩み切っていた顔にも、自然と険しさが戻る。
「はい。
周辺各国が連合を組み、我が国を討つべく進軍中とのこと。
明日の昼頃には東のラーク平原に到達する見込みです。
兵力だけなら我が軍と互角か、それよりも多いかと」
「ほう、弱小国どもが我らを恐れて徒党を組みおったか。
ふふふ。
だが、我が軍は必ず勝つ。
そうであろう、ロフセンよ」
バルサーム国にとって由々しき事態を聞いても動じることなく、タークスは不敵に笑ってロフセンに訊いた。
それを伝えたジュリクもまた、その顔をにやつかせてロフセンを見ている。
二人に視線を向けられたロフセンは当然とばかりに、ふん、と鼻を鳴らした。
「無論だ。
弱兵がいかに集おうとも、数ばかりの烏合の衆。
我が隊の獲物が増えるだけだ。
必ず打ち破ってみせよう」
彼の子飼いの騎馬隊は、高い機動力と凄まじい突破力をもって敵陣を食い破る。
ロフセン自身の圧倒的な武勇も相まって、敵軍はその突撃を防げない。
そこにバルサーム国の誇る強兵達が襲いかかれば、容赦のない蹂躙が始まる。
バルサーム軍の勝利は揺るがないのだ。
「……そして、勝利した暁にはセレネを所望する」
だが、ロフセンが続けたその言葉にタークスは顔を曇らせた。
「ならんぞ、ロフセン。
お前の望みはできうる限り叶えているが、セレネはならん。
わしはこやつを溺愛しておるし、こやつも……ほれ。
この通り、わしから離れようとせん」
言いながらタークスがセレネを抱き寄せると、セレネはタークスの身体にすりすりと頬ずりしてみせた。
嫌がるどころか甘える素振りをすら見せるセレネの様子に、ロフセンはたちまち不機嫌そうに顔をしかめる。
「ロフセン、これでは仕方あるまいよ。
そもそも、貴殿は代わりをオーウィン殿から譲り受ける約束をしておったではないか。
それでは不満なのか」
「代わりは所詮、代わりでしかない。
やはりセレネの気高き美しさには敵わぬだろうからな」
ジュリクが尋ねると、ロフセンは残念そうに嘆息した。
その気持ちが分からなくもないタークスは、しばらく考えた後に顔を上げた。
「すまぬな。
流石にセレネはやれぬが、それに勝るとも劣らぬ褒美を取らせよう。
こたびも、お前の働きに期待している。
頼んだぞ」
「……出陣準備を急がせる」
ロフセンはそれだけ言うと、くるりと振り返ってそのまま執務室から立ち去った。
その様子を見送ったタークスとジュリクは、その気配が遠く離れたのを見計らってため息をついた。
「やれやれ。
あやつの強欲は、わしにも負けず劣らぬな」
「ですが、それで彼の強さが手に入るならば安いものです」
ジュリクの言葉に、タークスは苦笑する。
かつて、少数精鋭ながら戦場において無類の強さを誇った傭兵団の長だった彼を、タークスは多額の金品を見返りに傭兵団ごと味方に引き入れた。
命令されるのが嫌いだというロフセンに大将軍という地位を与え、彼の部下達もそっくりそのまま彼の直属に組み込んでやったりもした。
だが、そこまでしてやったにもかかわらず、ロフセンは王であるタークスを前にしても横柄な態度を崩さない。
もっとも、卑しい傭兵の出自ゆえに礼というものを知らないだけなのかもしれないが。
「いっそ、ロフセンにセレネをくれてやればよいのです。
そうすれば、彼は陛下のために忠義を尽くして戦ってくれることでしょう」
ジュリクの提案に、タークスは再び悩んだ。
だが、愛くるしい顔で自分を見つめるセレネの顔を見て、首を大きく横に振った。
「駄目だ。
やはり、セレネはわしの物だ。
ジュリクよ、今のうちにロフセンの褒美に相応しい物を探しておけ。
奴が喜ぶなら多少金がかかっても構わぬ」
「……御意」
うやうやしく答えたジュリクだったが、その胸中には一抹の不安がよぎっていた。
(陛下もロフセンも、セレネに執着しすぎている。
これが悪い結果に繋がらなければ良いのだが……)
何か見落としている気がする。
だが、いくら考えてもその答えに行き着くことができない。
(……いや、考え過ぎだな。
少なくとも、こたびの戦に関わる要因になるはずもない、か)
慎重すぎるのもほどほどにせねばな、と自戒したジュリクは、その思考をロフセンのために用意する褒美の選定に切り替えた。
一礼して立ち去るその後ろ姿を、セレネの双眸がじっと見つめていることにも気づかずに。
今宵は満月。
人々が寝静まった夜更けに、セレネは王都ラーケンの閑散とした大通りを音も無く駆けていた。
寝殿で大いびきをかきながらぐっすりと眠るタークスの腕の中からするりと抜け出し、彼女は宮殿から逃げ出してきたのだ。
今のところ気付かれた様子はないが、急がねばならない。
何度か巡回の兵士達と鉢合わせたりもしたが、月明りの下だったこともあり国王のお気に入りだと見抜かれることはなかった。
それどころか、彼らはセレネが走り去るのを微笑ましげに見守ってくれたほどである。
タークスが定めてくれた法律が、見事に役に立ってくれている。
それにしても、あの人ときたら。
立ち去る前、最後に見たタークスの寝顔をセレネは思い返した。
戦の前日の夜とは思えないほどに、幸せそうな笑みを浮かべていた。
夢の中で疑いもせず、来たる自軍の勝利を先祝いしているのかもしれない。
だとしたら、まったくおめでたい話である。
彼は知らないのだ。
すでに自分が破滅への運命を転がり落ちていることを。
セレネがタークスの元にやって来た時から、全ては始まっていたのだ。
長い我慢の時を乗り越え、策は成った。
今こそ時は満ち、残るは最後の仕上げのみ。
――ただいまおそばに参ります、ご主人様。
セレネの足が自然と早まる。
やがて目的地が見えてくると、喜びを爆発させるように全速力で急いだ。
勝手知ったる入口の小さな扉を押し開け、大きな邸宅で自分を待つ主の元へと向かうのだった。
「おお、よくぞ戻った。
無事で何よりだ。
よしよし」
静かな邸内で待っていたのは、長くバルサーム王家に仕える古参の老臣オーウィンだった。
帰ってきたセレネの頭を撫でる彼の胸中には、万感の思いが去来していた。
かつて先王の側近として信頼の厚かったオーウィンは、次代の王を長男のハークス王子にすることを密かに聞かされていた。
だがある日、先王は突然の病に倒れ、それを正式に発表することなく逝ってしまわれた。
直後、タークス王子は手勢を率いて王宮を制圧してハークスを惨殺すると、自らの王位を僭称したのである。
かねてより企てられていたのだと悟った時には既に遅く、オーウィンにはもはやなすすべもなかった。
とはいえ、タークスもまた先代陛下のご子息であることには変わりない。
先代陛下に恥じぬ政治が行われるならばと望みを託し、彼はいち早くタークスに跪いた。
先王の忠臣達からは非難され、不忠者とさえ呼ばれた。
そんな彼らのほとんどがタークスに従うことを良しとせず、ある者は逆らい、またある者は無実の罪を着せられて処刑されてしまった。
多くの悲劇を目の当たりにし、人目を忍んで泣いたことも数知れず。
それでも、オーウィンは忠実を装って新たな王に仕えてきた。
しかし、彼の忍耐は一年も経たぬうちに限界に達した。
タークスは暴政を行い、権勢を笠に傲慢な振る舞いを続けた。
民衆は重税に苦しみ、貧しい生活を強いられた。
友好的だった周辺国に突如として攻め込み、占領した土地で好き勝手に略奪行為まで行う始末だ。
信義にもとる現バルサーム国王に、このまま好き勝手を許してはならない。
最悪、この国そのものが無くなろうとも。
だが、実際に事を起こすとなるとそう簡単な話ではない。
タークスの周辺はただでさえ厳重な警備が敷かれている上、悪知恵が働き勘も鋭い謀臣ジュリクと一騎当千の武人ロフセンがいる。
生半可な方法では手出しすることすらできないだろう。
それに、事はタークス一人を誅すれば済む話ではない。
タークス麾下の一派を全て排除せねば、バルサーム国の不幸は終わらないのだ。
策が必要だった。
彼らを出し抜き、その軍事力をものともせず討ち倒せる奇策が。
セレネとの出会いは、そんな折だった。
来る日も来る日も悩み続けたある日、気晴らしに出歩いた市街で売られているのを見かけたのだ。
値段は金貨一枚、相場を考えればやけに高い。
一見すると薄汚れた風体をしていたが、それでもなぜか注視せずにはいられない不思議な魅力を感じた。
さながら、磨けば光り輝く原石のごとく。
天祐と見たオーウィンは迷わずその場でセレネを買うと急いで屋敷に連れ帰り、使用人達にその身体を綺麗にさせた。
そして、改めてその姿を眺めて、驚いた。
――何という美しさだろうか。
ほっそりとしながらも、しなやかに伸びる肢体。
他者に媚びへつらわない強さを秘めた大きな青い瞳。
清められて本来の気品と気高さを完全に取り戻したその姿に、見惚れずにはいられなかった。
人の手では創り出せない生きた美が、正にそこにある。
オーウィンは考えを改めた。
金貨一枚は安すぎる、と。
見る目のある者ならば、袋一杯の金貨を出してでも欲しがるだろう。
特に、あの強欲で好き者なタークスやロフセンならば、なおのこと。
策は決まった。
セレネをもって、タークス達を討つ。
言葉にすれば、何を馬鹿げたことを、とあざ笑われそうなものだ。
しかし、それゆえに疑う者もそうはいまい。
事実、セレネにあまり心を動かさなかったジュリクにも最後まで気づかれずに済んだ。
全てを知ったあの策士が悔しがるさまは、さぞ見物であろう。
セレネを躾けてタークスのそばに送り込み、ひたすら機が熟すのを待つこと四年。
オーウィンが献策して定まった、セレネを――正確にはセレネ達を守るための法律は王国全土に広く根付いた。
まさかこの法律こそがタークス一党を追い詰める策だとは、彼らも思わないだろう。
連合軍と密かに連絡を取り合い、タークス軍を破るための用意もすでに万全だ。
ついに、先代陛下とハークス王子の無念を晴らすことができる。
死んでいった者達にも報いることができよう。
ようやく、ようやく。
その時。
ゆらり、と。
月明かりの届かない屋内の暗闇の中から、完全武装で固めた巨体の男が姿を現した。
ロフセンである。
「オーウィン殿、本当に約束は果たしていただけるのであろうな」
「果たしますとも。
こたびの戦でタークス軍を討ったあかつきには、セレネを好きなだけ愛でてくだされ。
何なら、今この場で少し可愛がられても構いませぬぞ」
「い、いや、それには及ばぬ。
そうしたいのは山々だが、時間と我を忘れてしまいそうになるのでな」
慌てて遠慮するロフセンの滑稽な言葉に、オーウィンは思わず忍び笑いをもらした。
それが決して冗談ではないと知っていたから。
オーウィンはロフセンにもセレネを引き会わせていたのである。
天下に名高い最強の男も、ねんごろに甘えてくるセレネの魅力には抗えなかった。
いつでも可愛がりに来て良いと約束しつつ、その数日後にはセレネをタークスに献上したのである。
当然怒ってやってきたロフセンには、陛下に強要されたのでやむなく、と言い訳するとその怒りの対象はタークスに移った。
その後、彼は幾度となくセレネを所望するも、セレネに夢中なタークスが手放すはずもなく。
ついにオーウィンの前で不満を爆発させたこの男にタークスを討つべく持ちかけると、あっさり味方についたのである。
最強の手駒をも引き込んだ今、もはや敗北などありえない。
「それでは、一足先に私は連合軍と合流するとしましょう。
明日は手筈通りによろしく頼みましたぞ、ロフセン殿」
「承知した」
「お前にもあとひと頑張りしてもらわねばならぬ。
頼んだぞ、セレネ」
「にゃあ」
後にラーク平原の戦いと呼ばれた戦いは、大方の予想を裏切る展開となった。
なんと、強国の誉れ高いバルサーム王国軍が、連合軍を相手に為す術なく大敗したのである。
王国の重鎮オーウィンと大将軍ロフセンが連合軍に寝返ったこともあるが、一番の敗因はやはり【猫愛護法】というバルサーム王国の法律だ。
『猫を害するものは死罪』――オーウィンによって知らされたこの法を逆手に取り、連合軍は兵士たちの盾に猫をくくりつけさせたのである。
さしものバルサーム王国軍の強兵達も、猫盾を向けられるとうかつな攻撃を仕掛けることができず、本来の実力を出せぬまま次々に討たれていった。
極めつけは、美しい毛並みの雌猫セレネの存在だった。
連合軍の御輿に担がれたオーウィンに抱かれた己の愛猫の姿に気づいた簒奪王タークスは「わしのセレネを返せぇぇぇッ!」と我を失うほど憤慨し、劣勢にも構わず攻撃命令を出し続けた。
王都に退却して立て籠もるという選択肢さえ捨てたタークスは、たった一騎で近衛部隊を蹴散らして切り込んできたロフセンの手によって討ち取られ、ついにバルサーム王国軍は全面降伏したのである。
この敗戦により、バルサーム王国はその長い歴史に幕を下ろした。
その領土は連合参加国によりほとんどが切り取られていったが、唯一かつての王都ラーケン周辺だけは自治領として残り、今回の戦の功労者であるオーウィンが統治することとなった。
謀臣ジュリクをはじめ、悪政に加担した多くの文官武官達は捕らえられ、粛清された。
大将軍の地位にあったロフセンの名ももちろん挙がり、彼の騎馬隊のせいで散々敗北を喫してきた国々からは厳しい処罰も求められていたが、オーウィンはこれを突っぱねた。
タークス一党を排除し、ラーケン自治領の防衛戦力は激減してしまっている。
この上にロフセンまで処罰しては彼の部下達がついてきてくれるわけもなく、最強の戦力をみすみす手放すことになる。
それを認めるわけにはいかなかった。
それに、このロフセンという男は存外悪い人間ではない。
確かに彼は他国の侵略戦争において敵に容赦なかったかもしれないが、それは殺らねば殺られる戦場だけの話だ。
その後に行われたとされるバルサーム軍の略奪行為においても、彼は自分の部隊に自制を徹底し、決して加わらなかったという。
いつも欲深く褒賞をねだるのも、傭兵隊の隊長として命がけの戦いに臨んできた彼にしてみれば当然の対価でしかない。
それすらも自分の部下への労いと部隊の維持のためにほとんど使われ、彼自身は慎ましい生活を続けていた。
そもそも戦争参加についても国王だったタークスに請われてのものであり、戦うことにしか興味のないこの男が政治に関わるはずもない。
厳密に言えば、ロフセンは悪事と言えることは一切行っていないのだ。
そして、セレネと触れ合う時に見たこの男の綻んだ顔を思えば。
どうしてこの猫好きな男を殺すことができようか。
結局、簒奪王タークスを戦場で討ち取ったという大きな戦功と相殺し、連合軍はロフセンを不問とすることに決めた。
戦に勝った報酬もなく、王国の大将軍からオーウィン子飼いの私兵団長へと実質格下げとなったロフセンだが、その機嫌はすこぶる良かった。
何しろ、セレネといつでも触れ合えるという彼が待ちに待っていた日々が、ようやく手に入るのだから。
その後、オーウィンはラーケン自治領に善政を敷き、人々はこぞって彼を称えた。
周辺各国が積年の恨みとばかりに嫌がらせをしてくることもあったが、そのたびにロフセンが睨みを利かせれば慌てて引き下がった。
タークスが制定し悪政の大元となっていた悪法はことごとく廃止されていったが、唯一【猫愛護法】だけは残され、ラーケン自治領には多数の猫が住み着くようになった。
ラーケンの街の中心にある噴水広場にあったタークスの銅像は取り除かれ、代わりに新しく建てられたのがセレネの銅像である。
タークスを惑わしバルサーム国を打ち倒すに至らしめた雌猫として、人々は親しみを込めて【傾国のセレネ】と呼んだ。
もっとも、当のセレネにはそんなことどうでもいい。
執務中のオーウィンの傍ら、今日も定位置となった窓辺の日向で惰眠を貪り、平和な日々を満喫するのだった。