お買い物
雪菜さんを住ませるとは言ったものの雪菜さんに必要な服やら寝具色々ない
あの日雪菜さんが持ってたのはスマホ、モバイルバッテリー、保険証に通帳現金3000円がそのままバッグに詰め込まれていた
服もその日に着てた1着しか無い
「浩二さんなにぼーっとしているの?」
「雪菜さん買い物行きましょうか」
ショッピングモール
車で1時間ほどかかったけど全て揃えるならここがいいだろう
先に寝具でも見るか
シングルベッドだとそこまでしないな
「雪菜さんどれがいいですか?」
「えっ.....買ってもらうのにそんなわがまま言えないよ.....」
「雪菜さんが使うのですから好きなの選んでください」
「え、えーっとじゃあ.....これ」
雪菜さんが選んだのは白いシングルベッド
「毛布とかも選んじゃってください.....最近寒くなってきましたから毛布と羽毛が1枚ずつあるといいかもですね」
「う、うん.....」
「自分はそこら辺うろついてるのでゆっくりどうぞ」
「ありがと...」
俺は新しいマッサージチェアを試したりしながら時間を潰していた
1時間もしたら決まったのか雪菜さんが近寄ってきた
「決まったよ」
「どれにしたんですか?」
「えーっとね.....」
真っ白でふわふわな毛布と水色で雪の結晶が描かれている羽毛布団を見せてくれる
「雪菜さんの名前と同じで可愛いですね」
「えぁ.....あ...ありがと.....///」
後は洋服とコップにそういえばメイク用品とかはいいのか?スキンケアとか女性ならするだろうけど.....あ.....
俺の視界には下着屋が映った
そういえばこの人あの日に着てた1着しかないんだ.....俺は一緒に入らない方がいいよな??.....え...でも金は俺が持ってるんだし、そうだ雪菜さんにお金渡しとke
「浩二さん下着屋さん寄ってもいい?」
「えぁ?!は、はい!」
「??」
何故かそのまま入ってしまった
周りが華やかだし女性しかいなくて目のやり場に困る
カップルとかならいいんだろうけどなぁ.....俺の年齢的に親子と思われないか??
「サイズ.....わかんないや」
「...............」
「お計りいたしましょうか〜?」
「あ、店員さん...お願いしてもいいですか?」
「もちろんですよ〜」
「お嬢さんはこちらへ」
「はーい.....」
1人にしないでくれ!!!!
女性からの目線が気になる、もう店を出たい.....いやでも今でたら雪菜さんがこまるっっ!!
「Dくらいですかね〜」
「そうなんだ.....」
「最近はこんなのとかこんなのが人気ですよ〜」
奥の部屋から会話が聞こえてくる
サイズまで知っちゃったよ、罪悪感がすごい
「浩二さんおまたせ.....Dだったよ」
「教えなくていいです」
「店員さんにおすすめされたヤツとシンプルなやつ選んできた.....浩二さんもうお店出ていいよ...ごめんね」
「あぁ.....分かりました.....あ、はいおかね.....いくらか分からないから財布ごと渡しておきます」
「.....不用心だなぁ」
はぁぁぁぁぁぁぁ..........やっと出れた
一気に疲れたな.....少し椅子で休もう
雪菜さんは多分凄くモテる
童顔だが少し不思議な雰囲気があって明るい
身長も小さく細身で目を離すとどこかに連れ去られてしまいそうだ
そんな事を目をつぶりながら考えていると
「浩二さんっ!」
雪菜さんが戻ってきた
「おかえりなさい.....買えましたか? 」
「うん.....はいお財布...あんまり直ぐに渡さないようにね」
「.....??」
「次行こ〜!」
それから服やらなんやら買ってたら夕方になっていた
「そろそろ帰りましょうか」
「そうだね...もう手いっぱいいっぱい」
「ですね笑」
話しながら歩いていたら1つの店の前で雪菜さんが立ち止まった
雪菜さんが見つめる先には真っ白の猫のぬいぐるみ
「雪菜さん?」
「あ...ごめんごめん行こ!」
「..........すみません少しトイレに行きたいので先に車戻っててください」
「?はーい」
私は車に戻って中から駐車場の景色を眺める
外を歩いてる人に顔を見られて不愉快
なぜそんなに私を見るんだろう
顔、なにかついてるのかな
まあそんなことはどうでも良くて早く浩二さん戻ってこないかな
今日は沢山買ってもらって申し訳ない
沢山家事をして返さないと
そう考えていたら浩二さんが紙袋片手に戻ってきた
「すみません、遅れました」
「んーん.....なにか買ったの?」
「はい.....雪菜さんにどうぞ」
何を買ったのか予測もつかない、紙袋を開けるとさっき見てた白猫のぬいぐるみだ
「あ.....」
「さっき見ていたので喜んでくれましたか.....??」
「うん!!すっごく可愛い!」
「良かった」
「このぬいぐるみ前近所にいた白猫に似てるんだよね」
「そうだったんですね…お世話してたんですか?」
「下校中ちょっと遊んでただけだったかな〜名前も付けてた」
「なんて名前ですか?」
「ゴロゴロいってたからごろー」
「雄だったんですね.....」
「女の子だった!子供産んでたし」
「ユニークなお名前で.....」
数日後
この前頼んでいたベッドがやっと届いた
物置部屋を雪菜さん用の部屋にするため綺麗にしてその時買った家具とかももう全て運んでありあとはベッドだけだった
何よりやっと一緒に寝なくて済む
流石に若い子と寝るのは罪悪感が凄い
俺は解放されるという感動を堪えていた
「浩二さん今日雨凄いね.....配達員さん大丈夫かな」
「滑らないといいですけどね」
配達員を心配しているとインターホンがなった
「あ、来ましたね.....私が出ます」
玄関を開けるとガチムチで身長が馬鹿でかい男がダンボール抱えてたっていた
「ベッドお届けに参りました」
「ありがとうございます、お疲れ様です」
「組み立てるので中に入っても大丈夫でしょうか?」
「はい...お願いします」
男を家に上げ部屋まで案内していると雪菜さんが居ない
さっきまでリビングに居たのに
「この部屋にお願いします」
「承知しました!」
配達員が組み立てている間俺は雪菜さんを探す
俺の部屋を開けると直ぐに見つかった
毛布にくるまってハナを抱っこしている
「雪菜さん、ここにいたんですね.....どうしたんですか?」
「身長おっきい人.....怖い」
「.....なるほど...私が対処しますのでここにいて大丈夫ですよ」
「ありがと.....」
大きい人が苦手って人はそこまで少なくは無い、リビングから配達員を見て驚き部屋に隠れたんだろう
.....俺もそんなに身長小さくはないはずなんだが
「組み立て終わりました〜」
「ご苦労様です.....代金はこの封筒に入ってます」
「確認致しますね〜.....丁度!ありがとうございました」
そう言い配達員は家から出ていく
雪菜さんを呼びに行こう
「雪菜さん配達員さん帰りましたよ」
「ん!」
ハナを離して寝室から出てくる
「ハナやっと解放されたな笑」
「ベッドセッティングしてくる!」
「分かりました.....」
ハナに雪菜さんを落ち着かせていてくれたご褒美におやつを上げながらソファーでくつろぐ
「浩二さんできた!」
「見に行ってもいいですか?」
「もちろん!」
雪菜さんの部屋を見ると水色や白、寒色で統一された部屋でとても可愛い
「初めの1人部屋だから頑張っちゃった」
「雪菜さんにピッタリの部屋ですね」
「えへへ〜ありがと!お礼に美味しいご飯つくるね!」
「お願いします」
その日の夜ご飯は豚汁だった、醤油ベースでとても美味しく満足
「お風呂先入ってもいい?」
「いいですよ」
「ありがと!」
テレビを付けスマホでSNSを見ながら夜を過ごす
雪菜さんは少し男性が苦手な素振りがあるが私には全くそんなことない
なんなら少し距離が近いくらいだ
いい歳したおじさんが勘違いしてしまうな.....
色んな事を考えているとハナが俺の膝に乗ってきた
最近ハナは雪菜さんにベッタリだ
子犬の頃から愛情込めてた側からすると寂しい、でも今は甘えてきている
「ハナ〜どうしたんだ?甘えてるのか?」
「アンっ!」
雪菜さんが寝ている時も雪菜さんの近くで寝ていたけれど今日も雪菜さんと寝るのかな
今までずっと一緒に寝ていた身としてはとても寂しい
今日からは1人で寝るのだろうか
「浩二さんお風呂いいよ〜」
「はーい.....次失礼しますね」
「ん!」
深夜雪菜さんはもう既にハナを連れて部屋に戻った
やっぱり一人で寝るのか.....
外を見ると昼間より雨が強く降っていて雷が聞こえる
ピカッと光大きな音が鳴る
それと同時に雪菜さんの部屋からハナのクゥーンと言う寂しい鳴き声が聞こえた
ずっとクゥーンクゥーン言うのでなにかあったのかなと雪菜さんの部屋をノックをする
「雪菜さん大丈夫ですか?」
「アンっ!」
ハナには聞いてないんだけどな.....
ハナが喉乾いたのかもしれないと思ってドアを開ける
「入りますよ〜」
「ごう"じざん"…泣」
涙がポロポロと流れている雪菜さんがすぐ目に入った
「ど、どうしたんですか?!」
「雷ぎら"ぃ.....泣」
「あぁ.....そういう事...」
どこか怪我してるんじゃないかと一瞬思ったがそれを聞いて安心した
雪菜さんが泣いているからずっとハナは俺を呼んでいたのか
「大丈夫ですよ...すぐどこか行きますから」
「う"ぅ.....泣」
「1人で寝れそうですか?.....一応ハナ居るけど...」
「ワンっ!」
「浩二さんと寝ていいの...?」
「雪菜さんがいいなら大丈夫ですよ」
「一緒寝る.....」
「分かりました、私はまだすることあるのでリビング居ますが先寝室行っててもいいですよ」
「雷怖いから浩二さんと居る」
「分かりました」
パジャマ姿で目が赤い雪菜さんを連れてリビングへと戻る
ココアでもいれるか
キッチンに寄ると雪菜さんごとついてきた
「ソファーに座っててもいいですよ?」
「浩二さんといる」
「そうですか」
ココアをいれ雪菜さんに飲ませ用事を済ませていると雪菜さんが後ろでウトウトし始めた
「寝ましょうか」
「う...ん.....」
ココアで体が温まり一気に眠気が来たんだろう
「立てます?」
「たてりゅ.....」
そういうもヨロヨロと歩くので強制的に俗に言うお姫様抱っこをして寝室へと運んだ
「ハナ〜寝るよ」
トテトテとハナも寝室に入り結局いつものまま2人で寝てしまった
いつになったら別々で寝るんだろう