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仲良くなるために

彼女、雪菜さんを車に乗せ大雨の中車を走らせる


ずっと雪菜さんは外を見つめていて無言だ


少し気まずい


「浩二さん奥さんとか彼女とか居ないの?」


急にそんな事を聞かれてビビった


恥ずかしながらどちらもいないバツイチって訳でもない


ただ仕事に集中してたらこんな歳まで独身でいた


「居ないですよ笑.....今更こんなおじさん相手してくれる人も居ないですし」


「まあそうだよね」


少し慰められるのを期待していたがそんなことは無かったようだ




数分も経ったら家に着いた


正直若い子に汚い部屋を見せたくない


でも雪菜さんは雨に当たってびちょ濡れだし早くしないと風邪を引いてしまう


「汚くても引かないでくださいね」


「掃除できないんだ」


ガチャ


扉を開けるといつも玄関でお出迎えしてくれる愛犬のハナが待っていてくれた


「あ、ハナ〜ただいま」


「ワンっ!」


「犬飼ってるんだ犬種は?」


「ポメラニアンです」


雪菜さんがハナを触ろうと手を伸ばすとハナが唸り初めた


「ヴヴ〜.....」


「.....まぁそうだよね笑パパがいきなり変な女の人連れてきたら怒るよね〜」


「は.....はは...笑..…お風呂沸かしますね.....」


「タオル1枚貸してくれたらそれで大丈夫だよ?」


それだけでは風邪を引くだろうと思いながらお風呂場に向かう


「あ.....優しい人だね」





彼女を玄関に置きっぱなしのままお風呂場に来てしまった

でも服を濡らしたまま部屋に入れたら床もびちょ濡れなるからこれでよかったのか、?


「雪菜さんお風呂どうぞ」


「わ〜ありがと.....」


そう少し笑ってお風呂場に向かっていった


警戒心MAXのハナを抱っこして雪菜さんに貸す洋服を探す


「上着はまだいいけど下着はなぁ.....新品のあったかな」


ぐちゃぐちゃの部屋をハナと一緒に探し回る


「浩二さんお風呂ありがとう〜バスタオル勝手に借りちゃったけど大丈夫だった?」


雪菜さんがバスタオルを巻いた姿で出てきた


「はい、大丈夫ですよ」


「てか本当にお部屋ぐちゃぐちゃだね...洋服貸してくれると嬉しいんだけど」


「上着はあるんですけど.....」


「下着見つかんない?元カノのお古とかでも私平気だよ」


恋人の下着なんて取っておかねぇよ


「前の恋人の下着とかは全て捨てちゃいまして...」


「んー、じゃあ私もう下着いいや、上着だけかーして」


まじかよ.....どんだけ無防備何だこの子


「雪菜さんがそれでいいなら.....」


少し透けている部分がどうしても気になる.....絆創膏でも貼らせるべきか?


うーん.....


「あはは.....久しぶりのちゃんとした服最高〜」


「え...」


やっぱり訳あり女子だ


「お部屋明日片付けるね」


「あぁ.....お願いします.....私もお風呂入ってきていいですか」


なんで自分の家なのに許可とっているんだ


「?もちろんだよ〜その間に私はハナちゃん?と仲良くなっとく!」




脱衣場につき色々考えながら服を脱ぐ


ハナは警戒心が高いから雪菜さんに噛みつかなければいいんだけどな


心配だから早く上がろう






「お風呂上がりました」


「ん〜おかえり〜」


雪菜さんの顔をぺろぺろと舐め回すハナが目に入った


「もう仲良くなったんですか.....」


「ハナちゃんいい子で可愛いね〜躾がしっかりとしてる」


「はは.....ありがとうございます」


「アンっ!」

ハナが吠えた

甘える時の鳴き方、遅くまで1人でお留守番していたんだ寂しかったんだろうな


「ハナお留守番出来ていい子だったな〜偉いぞ〜おやつあげような」


雪菜さんが何故かこちらを羨ましそうに見ている


「どうかしました?」


「あ、いやなにも」


雪菜さんもお腹がすいてるのだろうか


「自分外でご飯済ませて来ちゃったんですが雪菜さんお腹すいてます?」


「ううん!大丈夫」


「そうですか」


かなり痩せていてそれもダイエットとかで痩せた風の痩せ方じゃないのが心配だが深追いはしないでおこう


そうだ、布団をどうしようか


客人の布団はあるが数年洗っていないからきっとダニまみれだ


「お布団ソファーで大丈夫ですか?私のベッドを貸してあげたいのですがおじさんが寝ている布団は嫌でしょう笑」


「全然大丈夫だよ?」


「じゃあ私がソファーで寝ますね」


「それじゃあ申し訳ないよ!一緒に寝たらいいじゃん」


ほんとこの子警戒心ないな


「それはさすがにね笑」


「嫌だった?ごめん.....」


「そういう訳じゃ」


しょんぼりした顔を見るとダメとは言えなくなって 言った


「分かりました」


「よかったー!」


「もう遅いですし寝ちゃっててください私は少しお仕事片付けてきます」


「はーい」


そう言い寝室に案内し仕事部屋へと向かった


少し様子を見ただけでこんな事になるとは思いもしなかった


彼女を雇うのはまだ迷っているが明日掃除を頼んでその時決めよう


仕事が終わり寝室に入る前に耳を澄ますと雪菜さんの声が聞こえる


「私がここに住むのはダメ?お部屋綺麗になるよ?.....ベッドもちゃんとお洗濯出来るし」


ハナと話しているのだろうか、さっきもそうだったがどうやって一瞬で仲良くなったんだろうか


「失礼します.....」


「あ、やっと来た〜浩二さんお仕事夜中に終わって帰ってからもお仕事なんて社畜だね」


「まだ起きてたんですね」


「ハナちゃんとお話してた〜」


「そうですか.....仲良くなれたのなら何よりです」


「早く寝ちゃいましょうか」


「はーい」


「おやすみなさい」


「おやすみ!」


ハナが俺の足元で寝始めた


雪菜さんは丸まってお腹を守るようにねている


やっぱり何かあるんだろうなと思いつつ俺は目をつぶった

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