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2-2話 妹が出来ました。

 本当に。僕の勉強机の上にあったよ。こいつが正直者のバカで助かった。少しひと悶着あったけど、


「この通り、ボイスレコーダーは僕の手の中だ。これで、お前がここにいる理由と姉の目的、そしてすべての真実がこの中にデーターとして残っている。そして、その情報を今から流す!さあ、観念しろ!!」


「嫌です!!そもそも、もうすぐ学校の時間です!!早く行かないと遅刻しますよ!?」


「バカめ!今日は日曜日で学校は休みだ!!お前がダメだと言ってもこの情報はここで公開する。つまり、今から、閉ざされたままだった開かずの扉がついに開く時なのだ!暗闇だった部屋に光を当てれば部屋の全貌が明らかになるのと同じ!さあ、禁断の書がついに開られる時が来た!!」


「なんか、キャラが変わってて怖いでですう!!そして、何言ってるかよく分かりません!!」


 なんか、ごちゃごちゃ言ってるけど気にしない!ノリで言ったのだ!ノリで!

 本来なら、姉だろうと他人のスマホは見てはいけないものだ。だけど、今回はこの妹を名乗る美少女が現れたから、僕の平穏な日常が崩れる可能性が極めて高い。その原因が僕の姉なら、これまであまり言わなかったけど、今回は別だ。徹底的に姉に問い詰めてその経緯を明らかにして、ごめんなさいと言わしてやる。スイッチ、オン!!


「…あーあー。テスト、テスト。声は入ってますか?…よしっ。でも、電池の残りが少な…ブチッ・・・・・」


「」

「」


「…電池、交換しましょうか。」










「- あーあー。テスト、テスト。声は入ってますでようか?…よしっ。でも、電池残りが少ないのがちょっと問題かな?ま、大丈夫でしょう。多分!さて、。あっ。録音切り忘れた。電池がもったいない!ああっ落ち!ガタン!ザザザザザザザ!ピッー。」


「」


「」


 お…おっちょこちょい…。お姉ちゃん。テスト音声、切り忘れてるよ。しかも落とした音したような…。けど、この声。この口調。やっぱり姉の声だ。多分。次の録音が本題の録音だろう。



「― やっほー。美空だよー。私の天使ちゃん元気ー?あっ。弟も生きてるー?。起きたらびっくりしたよね?知らない美少女が目の前でおはようしちゃたんだから。」


 「やっほー」じゃないよ。はぁ。やっぱりこいつ()が元凶だったか。はい。びっくりしました。思ったよりも激しい起こされ方されてびっくりしました。


「- まあ、経緯を話すと長くなるし、弟でもある君も巻き込んじゃったしね。もう勘づいていると思うけど、私が普通のじゃない事に巻き込まれやすい体質ということは分かっているよね。以前話したし。」


  はぁ、全くこの姉と来たら。また、変な事件に巻き込まれてるし。それでこその姉だけども。はて?お姉ちゃんが何か非日常的な事件にあっても僕は驚かない自信はあるけど。あれ?以前話した?まぁ、今までは大抵姉の話は半分以上は流してたからな。記憶に無いのは当たり前か。


「― それで本題に入るけど。その私の天使、つまり、現在家に居る見知らぬ女の子。これから妹になるからよろしく。」


 はあ!ちょ!僕一人でこいつの面倒を見るの?面倒くさ!!美少女だから許すけど!!なんか、面倒事の予感がビンビンするんだけど!!しかも、これ、おまえの仕事でしょ!?姉よ!今どこに居る!!ペットの世話はともかく、人の世話なんてした事ないよ!?おい、妹(仮)!小さい胸を張ったって、大きくはならないよ。


「- 私に押し付けようなんて、考えないほうがいいよ。だって、私これまで以上に忙しいもの。暫く家に帰れないと思ったほうがいいし。世界中探してもどうせ見つからないもの。ちなみに、()()()()()()()自分で解決すること!世の中、不思議な事がいっぱいあるんだから。」


 おいいいい。僕、これからどうなるの!?ねえ、どうなるの?姉の不思議な日常、僕にもやってくるの!?平穏な日常がぶっ壊れるの!?


「― 私の弟なら、大丈夫!きっと、何か起こっても乗り越えてくれるはず!!………多分。」


 多分。じゃないよ!!なんでそこは不安気なの!間の沈黙は何?僕も不安だけど!!確かに僕は、何も能力は持っていないただの一般人だよ!!何らかのチカラを持っているであろう姉と違って!!


「― こほん。それで、新しく出来た妹の事なんだけど…。名前は実花。実る花と書いて三浦(みうら)実花(みか)。勿論、本当に最初から血の繋がった妹では無いよ。つまり、義理の妹って訳。まあ、血の繋がった妹でも通じるぐらい、少し君に姿が若干似ているから、設定上、生き別れの二卵性双生児の妹って事にしておいた。年齢も、設定上君と同い年にしておいた!やったね。学校でも一緒だよ!!」


 「やったね。」じゃないよ!そんな雑な設定、初めて聞いたよ!!あと、地味に僕が学校で面倒くさい事になる気しかしないんだけど!!てか、学校!?いつの間に済ましたの!?


「― 一応、神様に頼んで、ちょっと弄ったから!!問題なし!!あと、追い出そうとちゃダメだよ!あの子の居場所は君しか居ないんだから。ちゃんとお兄ちゃんしててね!」


 問題しかないよ!!神様っていたの!?もしかして、バレてたのか!?トラブルガール☆みそらの発生源!!ごめんなさい。僕が悪かった。いつも、お姉ちゃんを模した人形を作って、トラブル自然発生装置とか、怪物姉とか、女帝お姉ちゃんとか、名前を付けて遊んていた事も謝ります!やめないけど!!


― 最後に、ザザザ…。知らない記憶があっても、それは夢だからね。実花の事、よろしく頼むね。何があっても、その子を守ってね。それじゃ!!


 最後に意味深な事言って、結局何か腑に落ちないまま、姉の話は終わった。





― ◇ ―


「という訳で、私は妹で、あなたはお兄ちゃんです!!分かりましたです!?」




  結局、僕はこいつ実花と暮らさなきゃならないのね。姉の言うことは聞かなきゃならないとだし。ハア…。




「分かった。分かりました。姉が認めたからには、僕も認めないとね。今日から君は妹だ。よろしく。」




「なんか、ぶっきらぼうな返事です…。けどよろしくです。」




 今日から、僕の家族に妹が加わった。姉の話にはまだモヤモヤしたままだけど。




「しかし、更に姉の謎が深まったような気がする。疲れるとは思ってたんだけど、想像以上に浸かれた…。」




「妹私の顏でも見て、癒されます?」




「さらに、疲れそうだから遠慮しとく。」




 ぎゃー、ぎゃー。何か言ってくるけど気にしない。そういえば。




 僕は、姉の話を思い出しながら、ある事に気が付いた。




「いつも、僕を呼ぶとき、「みはる」呼びだったはずなんだけど…。」




 それが無かったのが、少し違和感を感じた。



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