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俺たちの青春に明るさはなかった  作者: あるば
新学期も落ち着きは無さそうだ
70/80

鈍感系主人公は許してはいけない

 文化祭で告白しよう。それが一般的な青春のルートだ。しかし、ここに。俺の目の前にそれをよしとしない彼女持ちが一人。

「文化祭前に別れる」

糸佳徒相馬だ。

「そうなのか?俺はてっきり文化祭という青春の絶頂で相手を落とすと思ってた」

「僕もそこまで外道じゃない。相手が優しいと思われる為に僕と付き合ったんなら、僕は優しく落とすさ」

落とすって、もう優しくないだろ。

「しかしそれなら文化祭の後でもいいんじゃないか?これはあくまで戸羽羽後としてのアドバイスであり、他人の意見などは考慮していない」

「他人、か」

 まあ一番オススメなのは『長い休み、イベント事の無いシーズンで自然崩壊』だな。夏休みに俺と陽キャ軍団を自然崩壊させたのもこれだ。しかし糸佳徒はため息をついて。

「僕にも、文化祭でやりたいことはあるだろう」

意外だった。最近意外な展開が多いので少し自分が遅れているのではないかと心配になったが、それはそれで良いからこの時は深く考えなかった。

「まあ、そんなもんか」

やりたいことについては興味が湧かなかったのか、分からなかったのか、聞く気にはならなかった。


 遂に明日は文化祭。準備の為、今日は部活には行かなくても良かった。

「え?お前もう別れたの?」

それは唐突で状況を把握するのにだいぶかかった。

「ああ。メールで」

流石に失礼かと思ったが、相手の返しを見ると、「キモイ」や「もういい死ね」など、やはりそれだけの仲だったと分かる会話が残されていた。

「いやでも普通俺の目の前で別れてくれないと」

面白くない。

「僕にも事情があるんだ」

まあどちらにせよこれで糸佳徒を縛るものは1つ減ったわけだ。

「お前が何をするのかは考えるのがめんどくさいな」


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