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俺たちの青春に明るさはなかった  作者: あるば
新学期も落ち着きは無さそうだ
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気まずさの裏側

 人の気持ちはよく考える方だと思う。ただそれは、『相手の気持ちになって』ではなく『相手の次の行動を考えよう』の類いだと自分では思っている。分かりやすく言えば人の心を読むのではなく、人の行動を読むと言うことだ。人の心が読めそうなのは妹と糸佳徒とテレビで見かけるメンタルなんとかぐらいだ。

 そんな俺でも、相手の気持ちを考えようとする志しはあると言うことをわかってもらいたい。


 「おっす」

「おはよ」

「おはよう」

今日もいつも通り軽い挨拶を終え、学校へ向かう。ルーティーンと言えば何だか必要性が増すが、慣れと言えばまるで要らないものになる。日本語とは難しいものだと改めて理解し、面白いものだとは少しも思わなかった。

 今日も二人の後ろをついて行くように歩く。これは日本語に比べれだば別になんともないが、俺的にはこっちの方が面白い。何故なら日によって、もっと言えば気分によって、二人との距離感が全く変わるからだ。『心の距離感』ではなくリアルな距離感というのは少し違うような気もするが、この前加賀美に小説を貸した次の日の距離は1メートルほどだったが、髪を少し変えてきたのに気づかなかった日の距離は3メートルを越えていたと思う。髪の違いは木原が「今日違ったね」と言うまで気づかなかったが、そういうところは流石に女の子らしいとも感じた。


 学校では話す人間が限られている。基本糸佳徒。廊下で通りかかった場合の知り合い。(陽キャを除く)だ。今もこうして糸佳徒と話している。珍しくも廊下で。

「なあ戸羽、最近女子が。主に東雲が僕を避けている気がするのだが気のせいだろうか?」

「気のせいだろ。基本話さないし」

そんな恋バナっぽいどうでもいいことを話していると、前方に東雲の姿を発見。

「まあ見ててくれ」

普通に廊下を歩き続ける。するとやはり東雲と目が合う。相手の表情に変化はない。これはいつも通りだ。しかし東雲はちょっとした戯れも無しに、教室に入る。

「ほらな」

「ほらなじゃねえよ。なんかしたのか?」

原因としては御風先輩の件だろうが、それはこっちの話。こいつには東雲から受けた相談はまだ言っていない。

「どうなると思う?」

「そうだな...」

「最初は順調にいっていると思っていた男だったが、だんだんその感情も冷め、他の女に興味が行く。一方女は彼の小さい心配りや優しさに胸は高鳴るばかり。男は違う女に手を出し、女はそれを嘘だと自分に聞かせる」

そう割り込んできたのは直下だった。

「ヤンデレオチだな。経験談か?」

糸佳徒は真面目に受けとるな。

「最後まで聞く?」

経験談かよ。



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