こいつの方がモテるのか
告白。それは、学校一の嫌われものとは無縁のポジションにあるもの。それは、青春にとって必要性の高いもの。それは、
俺が一生、受けるはずのないもの。
メールを見てまず考えたのは、相手の人が可哀想だということだ。すぐに振られるのだからな。相手が誰かも気になったが、学校に知らない人が多い為わかるはずもなかった。そして今日、こうして学校に来てみるのだが、糸佳徒に変わった様子もなく普段通りだった。むしろ普段と違うのは周りの方で、今は糸佳徒に話を聞きに隣のクラスにきているが、噂が起っているようで、騒がしかった。
「で、相手は?」
あまり気にならないが、一応聞いてみる。流石にめんどくさそうに聞いたため、めんどくさそうに返される。
「戸羽は知らんと思うが」
「まあ参考としてな」
「御風未樹だ」
「へー知らない」
ついでに興味ない。
「弓道部だぞ」
「は?嘘だろ、字は?」
そう聞くと、ノートに書いて見せた。
······『みかぜ』って読むのか。
「まあ、見たことはあると思う」
顔は知らん。
そう話を続けていると、東雲が教室の外に立っているのに糸佳徒が気付き、教室の外へ出た。
「どうしたんだ?」
糸佳徒が声を掛けると、
「今日、弓道部の更衣室で御風先輩が話してるの聞いちゃって、本当なの?」
そう聞かれると、流石の糸佳徒も答えにくいと思うが、
「ああ、本当だ。だが振る」
恥じらいもせずキッパリ言うのね。
「そう、まあ」
「あ、相馬くーん」
そう名前で呼んできたのは、どこかで見たことのある先輩だった。
「御風未樹か。なんだ」
ああ、こいつが。
すると突然、東雲がスタスタと行ってしまった。
「何?あの子。キモいと思ったら成恵ちゃんじゃん。あの子強いんだよー」
「ところでこの男誰?」
そう言って御風は俺を差す。
「お前も覚えられてないのか」
「さぼりだからな」
別に悲しくもない。
「なに話してるのー」
「いやあ、別に」
目をそらす。まともに女の人と目を合わせたこともない俺がこんないかにもな先輩とまともに会話できるはずもない。糸佳徒に関しては、「女は苦手だが話せないわけではない」だそうだ。
「じゃあ、あっちで話そ」
そう言って彼女は糸佳徒を連れていってしまった。
昼休憩。俺はいつもと同じ、売店の前で生徒達が『焼き肉サンド』とやらを取り合う光景を近くて見ることのできる場所に向かう為、廊下を歩いていた。
いやしかし信じられない。糸佳徒がモテるのはまだしも、すぐに振らずに放置とは。実はまんざらでもなかったり。とかは無いだろうし、やはり何か考えているのだろう。『この女は女避けだ』とか『金を持ってそうだ』とか。流石にないな。
「あ、」
思わず声を出してしまったが、仕方ない。
何故ならいつも俺が座っているその場所に先客が居たのだ。それも顔を知ってる。
「どうしたんだ、東雲」




