明るさなんて要らない
朝練は休んだ。なぜかって?もちろん東雲がいないからだ。だから今、自分の教室に加賀美と二人でいる。普通の男子高校生ならば、少しドキドキするシュチュエーションだが、俺はそうはいかない。青春なんて学校生活のなかで最も知れてて最も偽善なんだ。例えばここで加賀美に告白するだろ、フラれるだろ、次の日学校で「加賀美さんあいつに告白されたらしいよ」とか騒がれる。ここまでは全然いい。だって別に中のいい友達とかいないから嫌われるもなにもないだろ?だが、、、
……あれ、なんにも損しなくね?……
いやまて、おちつけ彼女いない歴=年齢。だからと言ってここで告白してもほぼ確実にフラれる。特がない。て言うか何でこんな話になった?
と、羽後が自問自答していると。
「部活、いかなくてよかったのかしら?」
加賀美の声だ。
「ああ、俺だけ行っても迷惑掛けるだけだしな」
「そう。ならいいわ」
最近、こいつについてわかったことで連絡がある。こいつ、結構上から目線だ。先日会ったときは敬語で内気なかわいい子だったはずなのに、、、
聞いてみるか
「あの、昨日と態度変わってません?」
「ええ、それがなにか?」
「何で急に変わったのかなって」
「それはあなたが原因なのだけれど」
……俺?……
羽後は考えた、自分がこの女に何をもたらしかのか。思い当たる節がいくつもある。
「戸羽君、あなたは私のことを暗いだの友達いないだの美人だの言いましたが」
……なんか一個褒めたよね、自分のこと褒めたよね?
「私にだってコミュニケーション能力があるの。だからその事について訂正を求め、主張をしているつもりよ」
……ほんっとスミマセンでした。
予想外の反応にとりあえず謝っておいた。
「謝罪がほしいんじゃ無いの」
「じゃあ何が?」
「今日、一緒に帰ってほしいの」
へ?
彼女が言う一緒にかえってほしいというのは、カップルがイチャイチャしながらという青春イベントとはほど遠く、事故を起こさないようにとのことだった。なんでも、雨の日は雲と傘で更に太陽光がさえぎられ、雨の音で車にも気が付かない事があるらしい。
……なるほど、だから朝も一緒に、
「ところで、朝言ってた私が敬語じゃなくなり上から目線になった本当の理由、言ってもいいかしら」
「嘘だったんかい」
一緒に帰えるための供述だったらしい。
「でも、あなたが原因というのは本当なの。あなたいったわよね、ぼっちの人とは気軽に話せるって。だから、自分に正直になった」
なるほど、羽後は納得した。
「ぼっちって俺のことだな」
また、納得した。
「一つ重要なこといいか?」
「何かしら」
「俺らはもう関係者だ。」
メアド交換もしたし。
「関係者が関係者を見逃せない。だから」
だから。
「聞こう。お前はもとに戻りたいか?」
これが、この物語の最も重要な所だ。
「お前の話を聞くと、お前はもとの明るさを感じる目に戻ろうとしていない」
本人が戻ろうとしないのならば、戻すことは誰にもできない。
「そうね、私はもとに戻ることを望んでいないの」
「決定だな。俺はマンガやアニメの主人公じゃない。だが」
「もし、もとに戻ることを望む時がきたら、その時は頼ってくれよ」
関係者だからな、そう加えた。
加賀美は、
「わかった。」
とだけ言って笑った。彼女が笑うのをはじめて見たような気がする。
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ありがとうございました!
今日もまた名言
「物事を解決したいならまず、解決する方法なんかじゃなくて解決して幸せになる人の事を考えろ。少しでも犠牲が出るのなら、その方法はやめろ」
by 戸羽 羽後




