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俺たちの青春に明るさはなかった  作者: あるば
戸羽羽後の夏休み
49/80

ラブコメっぽい水着回だったのに

 「やあ。元気?」

こいつは、夏休みが始まった頃に見た顔だ。

 午後、俺と直下は休憩に入っていた。といっても45分だけだが。休憩時間は1時間取る事が出来るが、日本という国は時間に厳しいらしく、15分は移動と五分前行動の現れである。

 しかしまあ夏休みは日頃、家に居る俺はすることもなく、クーラーの効いた部屋でパイプ椅子に座って上を向いていた。直下は外に行ったらしい。全く、貴重な休憩時間によく動く。

 そんなことを考えていると、ドアが開き、

 「ただいまー」

と、元気よく声を出す。最近の陽キャは健全だ。見習わないが。

「どこいってたんだ?」

上を向いたまま聞いてみる。すると直下は顔を上からのぞかせ、

「水着美女探してた」

等と言うので、椅子から転げ落ちてしまった。すぐに起き上がり、

「お前は中学生か!」

思わず突っ込んでしまった。このペースは苦手だ。こいつはそろそろ捕まっても良いと思うが。

「嘘嘘、在庫の確認だよ」

顔が冗談じゃない。


 すぐに現場復帰。この直射日光の中、よく泳ごうなんて思うよなぁこいつら。こっちは日陰で日光も感じず金稼ぎだぜ。

「あの、いか焼きと、ソフトクリーム下さい」

「あ、はい。すみませんいか焼きと、ソフトクリームですね」

いかんいかん。ボーッとしていた。客には態度よく。

「500円になり、、あ、」

俺はこいつを知っていた。知ったのはつい最近だ。夏休みが始まったばかりの頃、あの日もとても暑かった。休みなのに学校に呼ばれ、たらい回しになり、殴られ、書類の確認をして、そのあとだ。駐輪場でこいつに会った。

 「羽後君、良いネタは見つかったかい?」


 こいつはジャーナリスト、あれ、名前、名前なんだっけ、え~とえ~と、いいや。

「良いネタという商品はうちの屋台にありません」

これでどうだ、

「まあ、ここへは君じゃなくあの娘を追ってきたんだけれどね」

「······もうわかってたんですね、凌のこと。結構前から」

「おお、凌ちゃんの方だったか!どっちかだと思っていたんだが、まさかそっちとは」

え、、はめられた?

「あ、いか焼きと、ソフトクリームです」

ここで直下が入ってくる。

「おお、待ってたよ。これ、羽後君、代金」

彼は、5万と500円を渡してくる。

「5万は情報量だよん」

ヤバイ。かなり不味い。

「ちょっと待ってください。金はかなりほしいです。嘘は言いません。ですが、今の情報にそれほど価値が、」

「有るさ。何たって僕にとっちゃ世界一難しい2択問題だったからね。このままだと間違っていた」

馬鹿げている。ただの噂から、(ここ)まで突き止めるなんて、うちの妹と良い勝負だ。

「もう一つ、選択肢のもう一人は?」

何となく察していた。

「こっちの方が有力候補だったんだ。名前は、」


「東雲成恵ちゃん、だったかな」







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