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水着回史上最悪の始まりはここだった
働いたら負けである。これは、ある一人の無職No税が口にしたことばである。
8月に入りいよいよ夏も本番となったが、俺はソファーでだらけていた。忙しいのも嫌だが、する事がないというのも、何かに縛られているみたいだ。これでは『自由』ではない。
妹に『この夏、余りにも暇だ。何かする事はないか』と言ったら『働け』と言われた。
妹よ、働いたら負けである。
と、言おうとしたがつい最近ボランティアに行っていた奴が『働いたら負け』というのも中々の矛盾だと思い、『職業訓練中だ』と、言っておいた。
しかし、やはりなにもしないと言うのも『怠惰』というものだ。そんなことを言うと今までの人生が『勤勉』だったと思われそうなので、現在過去未来怠惰宣言しようとおもう。
「しかしな妹よ、働くといっても具体的に何を」
「私は金があるから」
「お前、金ほしいとかいつも言って」
「兄よ、」
······どうした、改まって。
「働いたら負けだと思います」
「······さっきと言っている事が逆だと思うんだが」
「兄さんの場合、怠けすぎだね。まあ、それでも兄さんは一生働かないとおもうけど」
そうだな。と言い流し財布を見る。
「115円······」
久しぶりに、みなぎってきた。
「働いたら負け」




