ボランティアから学ぶものはどれも感情が混ざっている
ボランティア。それは人と人の繋がりの典型的なパターンと言えるだろうが、俺みたいなコミュニケーションを嫌う人間もどきがボランティア等という善意の塊みたいなポジションの行動をして良いのだろうか。
ボランティア当日朝。前日講習を受けルール等は理解したが、そこに凌の姿は無かった。おそらく別の日に受けたのだろう。しかしあいつには確認しなければいけないことがある。なぜ俺がボランティアに応募されていたのかである。まあ、答えは凌が勝手に提出したのだろうが、ボランティアとは本人の善意ある行動な訳で、強制ではないと思う。
SouSou:とか言ってしっかりと講習にも参加するんな
Tova:いや、まあ
SouSou:結局お前もボランティアするつもりだったんだろ
Tova:おいおい糸佳徒くん何で知っているんだい?
SouSou:リアルネームは無しだぜ。いや、うちのクラスの前の掲示見てたやん
Tova:ま、まさか私のこと···
<SouSouがログアウトしました>
おい、ボケたんだからつっこめよ。
サービス秋桜荘。ここがボランティアを行う場所だ。
凌はあれでも時間は守るからなぁ、先に来てんだろうな。
とりあえず、インターホン。
「あ、ボランティアの方?一人先に来てますよ」
「すみません、遅れてしまったみたいですね」
遅れるとやる気が無いように思われるため、早く家を出たのだが。
「いえ、まだ時間十分前です」
早いっすね、凌さん。
「荷物は奥の控え室に置いてきて、そこで合流したらここにきて下さい。暑いのでお茶どうぞ」
と言って、ペットボトルのお茶をくれた。
「わかりました。ありがとうございます」
「あら、遅いじゃない」
「十分前だ。それに不可抗力的に呼び出しておいてその言い方かよ」
カバンをおろす。
「荷物はそこよ」
「聞いてねえ!」
「はい。では揃ったので、はじめさせていただきます」
「「宜しくお願いします」」
「私は従業員の植原です。今日は···」
何て順調だったが、それもこれまで。
『まずは日常会話から始めてみましょう。今日は晴れていて、暑いですね。などで構いません』
凌は講習の時の先生の言葉を思い出す。そしてコピペ
「今日は晴れていて、暑いですね」
凌さん、あめが降っていますが。
「きょうは雨の予報だったような気がしたけれど、晴れたのかい?」
「あ、いえ雨が降ってます」
おい大丈夫か、ん?
植原さんめっちゃ見てるー
「あ、志麻さんボードゲームします?」
「将棋か、良いぞ少年。わしに勝てるかな?」
何か、めっちゃ強そう。
次々に駒を取っていく志麻さんに対し、ルールも半分ほどしか覚えていない俺は、歯が立たない。
「少年、さっきからあの娘か気になっているようじゃが、コレか?」
と言って、小指をピンと立てる。じいさん若いな。
「まあ、なんというか似た者ほっとけないってかんじですかね」
あいつが急に何をしでかすか、それにあのジャーナリスト。
「何か君たちには、同じものを感じる」
この台詞、今俺が言ったら中二病だが、このじいさんが言うとなんか引っかかる。
「まああれだ。女は大切にな。泣かせたら男として責任をとれ。それが漢ってやつよ」
あざした。
台詞
「いいか、漢として女は絶対に泣かせるな。近くに泣いている女がいたら、泣き止むまでそばにいろ」
by 秋桜荘のカッコいいおじいさん




