林間学校にハプニングはつき物らしい。。。
さて、こうしてキャンプファイアー場に着いたわけだが、そこには見慣れた顔が二、三人。その中には寂しい人が、いつぞやの活気もなく日陰で横たわっていた。あれは糸佳徒ではないか?何故こんな所に。さては食堂裏倉庫でのゲーム計画失敗か?あの糸佳徒が。
まあ、いいだろう。いちいち気にする事ではない。本題だ。
「このお茶どうする」
そう。この暑苦しい炎天下にキャンプファイアー係とやらにわざわざお茶を届けに来たのだ。自分から望んだわけではないが。
「戸羽君、行ってきなさいよ」
「いや、加賀美。お前はいかないのか?」
「ああいう人たちと関わりたくないの」
なんだそれは、否定はしないが。
「俺だって出来ればあまりこういうのに関わりたくねえよ。大体、手伝おうって言い出したのは加賀美だろ」
「賛同したじゃない」
······本当はやりたくなかったんだよ。じゃあなんでって、それは
「あなたのコミュ障はダイア入りだものね」
そんなこんなしていると、キャンプファイアー係担当教員と思われる女性が、
「そろそろ、お茶を取りに行ってもらおうかしら」
などと言うので、流石にまずいと思う。しかしやはり俺プラスこいつのコミュ障はダイアモンド入りだ。
そんな自虐的思考になっていると、二人の男子生徒がキャンプファイアー場から出ていこうとする。
······流石にあの地獄のような直射日光を浴びせるほど、俺は悪魔でもないのでな。
あくまでも一般論である。
「あの、先生に頼まれてお茶持って来ました」
······キモかったよなぁ
「ああ、ありがとう。なんだ、戸羽じゃないか」
おお、誰だと思ったら湖匙と直下じゃないか。ここで金城だったら炎天下ロードの道を勧めていたが、まだましだった。とりあえず落ち着こう。
「これお茶なので」
上を向き、まるでブラック社長が新入社員を見下すかのような目付きで、しかしやはり背は低い。加賀美はあの重い段ボール箱を凰磨に持たせた。
「おっと」
「では」
一礼。
そしてさっさと歩いていった。
「戸羽」
「なんだ」
こいつと話すのもいい加減飽きてきた。敬語なんてもってのほかだろう。
「俺、加賀美さんに嫌われてるのか?」
どちらかと言えばそうだろうが、それは『陽キャ』とまとめたらの話である。つまりこの場合。
「いや、誰に対しても無愛想なだけだろ」
と言っておくのがベスト。
さて、先程まで木陰で涼んでいた陰キャのところにでも行き、一緒にさぼるか。
「よう」
「戸羽か」
それ以外の誰かがお前に話しかけるのか?
「てっきり食堂裏でゲームでもしていたのかと思ったぞ」
「僕もそうするつもりだった」
なにか言いたげだ。怒っているようにもみえる。
「予想外の出来事だ」
「いや、言わなくていい」
どうせ湖匙連中が、糸佳徒を食堂で誘ったのだろう。




