林間学校にハプニングはつき物らしい。
二日目15時10分。この時間、バンガローには一人しかいなかった。そうこの男、羽後である。凰磨は夜に行われるキャンプファイアーの準備。金城はその手伝いらしい。直下は何処かへ行ってしまった。まあ、部屋で陰キャと二人が嫌なのだろう。気持ちはわかる。俺も陽キャと二人はいやだ。特に女子。糸佳徒はというと、『山に登って体調が悪くなった。食堂に先生が居るだろうから休んでくる』と言いながら大きなカバンを持って去っていった。先生の目を盗んで、ゲームでもしているのだろう。そう、部屋に一人。
これはよくあることだと思うのだ。普段人が集まっている場所を想像してもらおう。これは、教室や職場などで構わない。そしてそこには誰もいない。普段声や物音が響いている場所が、人がいないだけで物足りなく感じてしまう。俺が教室の机で寝ていても、声は聞こえ、それが安心感を持たせてくれる。そう、俺は今安心していない。静かだからだ。自分を安心させるため。また、この誰もいない空間で何をするのか、決まっている。
「リア充爆発しろーーーーーー」
叫ぶのだ。
ドンッ。
ノック。それは普通、二回以上行われるものだが、今行われたノックは一回で止まった。それはつまり、ためらったということだ。このバンガローに入ることを躊躇した。理由は明白である。
「俺が叫んだから...」
ドアを開ける。せめて女子。陽キャ女子じゃありませんように...
「随分と楽しそうね」
「加賀美...」
ドアを閉められる。やり直しか。
ノック二回。
「はい、なんですか、、、」
······おい、にやついてるぞ。顔。我慢しろ、恥ずかしいから。
「さすがに、なにもしないというのも怠惰だと思うの」
「まあ、そうだな」
嘘だ。羽後は一ミクロンたりとも、働きたい、バンガローから出たいなどと思っていない。なのに何故、そうだな。などといってしまったのか、後悔しているが、
「なにか手伝いにいきましょうか」
簡単に返事をしてしまった。
食堂。先生がいるということなので、職を探していますといいに来た。ここには糸佳徒もいるはずなのだが、逃げたという場合もある。
「鉄砂先生。暇をもて余していた所なので、なにか手伝うことはありませんか?」
加賀美、大人とは喋れるんな。
「おお、加賀美に......戸羽。暇なのか?」
おい、部員の名前を忘れるというのはあっていいことなのか?一年以上の付き合いでしょう。
「え、ええ先生」
勿論嘘だ。嘘に嘘を重ねるのは良くないと言うが、この場合なにが良くないのかわからない。
「そうか、じゃあキャンプファイアーの仕事してるやつらに、お茶を届けてくれないか」
加賀美が嫌そうな顔をしている。
······よりによって陽キャ連中...あらやだお隣の加賀美さん。そんな顔しない!
「い、嫌ならいいぞ」
「いえそんな...やります」
マダマダ
八馬さんとコラボ決まったあああ。




