林間学校にハプニングはつき物らしい
炎が揺れていた。
そしてそれを見ながら座る羽後と凌。
周りにいる奴らははしゃいでいたが、二人は静まり返っていた。
このシチュエーションは緊張するはずなんだが、凌ぎの方はそうでないように見える。むしろ、何かを決心したかのような。
ここは休憩所である。それほど登っていないが、休んだら下山。一体何のために登ったのか分からないが、確かなのは時間と体力が無いという事と、無駄になったという事だ。しかし、空気は美味しいので日頃のストレスを全て山に吐き出しておこう。
「ちょっと、聞いてんの?」
話掛けてきているのは日毬茉莉、陽キャグループの奴だ。こいつとは少し、合わない。合わせる気無いけど。
「聞いてない」
「その、あんたさ。あまり凰磨と仲良くないんじゃないかって」
ほう、これが女子の洞察力。
「理由からどうぞ」
「······本当に仲良かったら、今否定する」
なるほどそう来たか。
「俺は否定から入らない人間なんだよ、何事も真摯に受け止める」
と言っておく。
「今だけじゃなくても林間学校の間、二人あんま話してなくない?」
ほう、つまりこいつは凰磨ばかり見ていると。
「いや、バンガローでいろんなこと話してるぞ。女子の話とか」
主に金城唆執君が。
「例えば?」
わっかりやすー俺が陰キャだからって油断すんなよ。
「日毬って、可愛くないとか」
主に金城唆執君が。
「それ、あんたが言ったの?」
「いや、俺じゃない」
無論、凰磨でもない。また、金城もジョークの発言だった。
「その、ありがと」
罪悪感が残った、吐き出そう。
さて、下山しよう。
先ほど言われた胡匙と仲良くないんじゃないかという疑問に対し、もう仲良くする必要がないため後は夏休みに一緒に遊ばず自然崩壊する。という計画を立てておこう。
「ねえ、本来夜に山に登るというのは、危険な行為かしら」
「さあな、人にもよると思うぞ」
「······」
沈黙が続く。
「せめて月の光でも」
「そうだな」
「······」
会話が弾まない。
「唐突に思ったのだけれど、東雲さんってあまり表情に出さないタイプよね。私、彼女が笑った所を見たことがないわ」
「唐突だな。······確かに俺もないとおもう」
そういえばそうだ。日頃あれほど話しておいて、笑顔を見たことがない。どころか、怒っても、悲しくても、それを表情に出していない。
「まあ、気にすることではないと思うぞ。それでなにかが変わるって訳でもないと思うしな」
今回分けましたので、前書きの意味は次話で。名言?も。




