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俺たちの青春に明るさはなかった  作者: あるば
林間学校の準備より、明るい青春野郎の相手の方が忙しい
21/80

戸羽音琴はほんの少し照れながら下を向く

 玄関、鉄でできた重く、古びた雰囲気を漂わせる灰色のドアを開けると、暗かった。また、妹は自分の部屋にこもっているのだろう。あいつは中三バリバリ受験生だが、勉強はしていないと思う。天才だから。超天才だから。

 夕飯はいつも羽後が作っているが、今日ばかりは凰磨たちと遊んでいたので、妹が作ってくれている。以外にも妹は、一緒に食べるためなのかまだ食べていないらしく、机の上に二人ぶんの夕飯が置かれていた。

「ただいまー兄が帰ったぞー」

とりあえず一声あげてみる。

「お疲れみたいだね、兄さん」

そう言いながらドアを開け出てきた妹。

「妹よ、わざわざ俺の帰りを待ってくれていたのか。兄さんは嬉しいぞ」

勿論。この妹に限ってそんなことはない。だが、少し『そうだったらいいな』なんて思っているのか、口に出してしまった。

「なわけないじゃん。学校の志望校調査表に印鑑押してほしいって言うのと、授業参観。今度の土曜日になったっていうのをいちいち言いにいく時間がもったいないから、ご飯の時にと思っただけ」

やめろ、期待が裂かれるだけでなく、兄としゃべるのがめんどくさいと言われた気分。音琴さん、マイナス10ポイント!

「お、オーケー。じゃあ、飯温めといてくれ。印押しとく」

音琴が、わかった。といって、もう冷めていた晩飯を台所まで持っていった。

 えーと、第一志望、梛木前(なぎまえ)高校。ってあれ、もっと上の高校行けるよな、あいつ。

「印鑑、押した?」

「ああ、良いけど、お前もっと上の高校行けるんじゃ?もしかして、『絶対一緒の高校だからねっ、』とか言われてんの?」

「いつの時代の女子陽キャ?そんなこと言うやついない」

「じゃあなんで?」

「勉強したくない」

「本音は?」

「期待が重い」

「ならいいんじゃねえの、知らんけど」

「······」

妹がこちらを見ている。

「俺は、『音琴さんなら、もっと上の高校行ったほうがいいと思う』とか半強制的なことは言わねえよ」

「お前自信が行きたいとこにいけ」

「······ありがとう」

「何て?」

「な、何でもない。ほら、冷めちゃう。いただきます」

妹のありがとうは聞こえていたが、何て?と返すことにより恥ずかしさを添えてあげる。俺最低。

「おう。いただきます」

今日の晩飯は少し塩気があった。






何か、何だろう。妹ってこんなにかわいかったかなぁ。


音琴「ねぇ、何で帰ってくるの遅かったの?」


           「怖えぇよ。カラオケだよカラオケ」羽後


「一人で?」

 

           「良いよな、ヒトカラ」


「寂しくないの?」

 

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