友達じゃないんだし、巻き込まないでいただきたい。
夏。それは、青春という素晴らしくも愛せない単語を支える一つである。だが、ここに、青春の二文字を嫌い、夏を嫌う少年がいた。
「あっぢぃ」
太陽の日差しが刺さる、なんて事はなかった。確かに暑いが、視界に輝く太陽はない。この現象のおかげで今年の夏は少しは楽しく、、
「なるかくそリア充!!」
結局同じ班だし、周りの反応ウザイし、うるさいし、しかもなんなんだよ、
「あのお願いは」
凰磨はベンチに座り両手を前に組んで下を向いていた。横顔だったがとても真剣な眼差しをしていた。
そして、口を開く。
「三年になると、彼は学校に来て普通に勉学に励んでいたんだ。でも周りの反応は、その、『なにアイツ急に』みたいな、批判ばかりだった」
まあ、中学になって、二年経っても周りからのイメージはかわらんわな。むしろ、引きこもった事により最悪になったといえるだろう。
「でも、彼は引きこもっていたからといって、社会で生きていくのを放棄していた訳じゃないんだ」
「はあ」
「三年生の一学期、期末テスト。オール満点だった」
「はぁ?」
「驚いたよ。確かにこの学校に、いや。もっと上の学校に行けただろうね」
「じゃあ、なんでこの学校に、なんて、明白だな」
「えっわかるのか?」
えっわからないんですかぁ?流石リア充。陰キャの気持ちなんてわかりませんよね。
「この学校、お前らの中学の生徒あまり来ねーだろ」
「確かに、でもそれとなんの関係が」
えー!まだわからないんですかぁ?高スペイケメンがきいてあきれるんですけどおー
「単純にめんどくさいんだろ絡まれるのが。て言うか話、戻すぞ。何でそこにお前が関係してんだよ」
「成る程、めんどくさいのか」
話聞いてねー、ペース崩されるわ。
「修学旅行の班ぎめのとき」
「話とんだな」
「東京に班ごとにバラバラになるんだけど、」
「アイツのとこに一人も来なかったんだろ」
「君はエスパーか何かなのか?」
ちげぇよ、ぼっち陰キャあるある専門家だ。
待てよ、話が見えてきた。
「お前は高スペイケメンだから、糸佳徒の班に入った。違うか?」
「ああ。それで、みんなと仲良くなるかなって」
「無理だ」
「えっ?」
「みんなと仲良くっていうのはお前の望みであって、相手の望みじゃない。一人でいたい奴だっているし、周りに合わせて本当の自分を我慢しながら表面だけリア充でありたい奴もいる。糸佳徒からするとだな、一人でいたいのに『友達紹介します。周りに合わせて下さい』って無理矢理お節介にもならないマイナスなこと押し付けられて、回避しようにも相手はお前というリア充国のトップ。攻めるリア充。退けない糸佳徒」
そして、そんな奴らをどうにか出来ない、どうにかしようともしない俺。
「俺は、そういう奴らが嫌いだな」
かっこよく言った、なんて空気じゃなかった。むしろ、気味悪がられるのが落ちだろう。
「お前のしたいことはわかった。俺らの班に入って、中三の時のリベンジがしたいんだな」
だったら断る。不可能だから、『みんなと』なんて。
「いや。君の話を聞いて、目的が変わった」
ほう、聞いてみよう。
「せめて、糸佳徒とだけでも、仲良くなりたい。」
罪滅ぼしのつもりだろうか。でも自己満足だ。中三のときのは、学校一人気者という立場の湖匙が学校一嫌われている糸佳徒に関わったことが原因。それは、湖匙も自覚したみたいだ。ならば、
「人にものを頼むときの態度は、どんなんでしたっけ?」
さて、
「よろしく頼む、同じ班に入れてくれ」
「だが、糸佳徒と関わったら、また過去みたいになりますけど」
「それは、」
羽後はニヤっとして。
「一つ、提案がある」
なあに。俺も陽キャに憧れてんだろ。
ありがとうございました。ここから、羽後の快進撃、会心劇がはじまったり始まらなかったり。
今回も言いたい、いいことば。
「大体、『いい奴』にはそれなりのおまけがついてくる。そいつらは『いい奴』が取られるとめっちゃ怖い。こええよ、まじで。そんなに友達大事?あんまいないからわかんないけど」
by 戸羽 羽後
「「自虐ネタ?」」
全員
「ちっげえよ」




