何故、彼は付きまとう
「ぜ、ぜったいに反対だ」
そう言い出したのは、羽後だった。一体何に反論しているのか、それはたった十五秒前のことだ。
「もしかして、一人足りてない?」 そう語りかけてきたのは、クラスの顔だけ知っている奴だった。
人気者、イケメン、高スペック。そんな野郎に声をかけられて、一体誰が断るのだろうか?
「ぜ、ぜったいに反対だ」
「えっと······どうしてか聞いていいかな?」
ああ?なんだこいつ。まず名前も知らない奴に話しかけるなって。自信ありすぎだろ、いやまて、同じクラスだった。
「ま、まずお前みたいな人気者が誰からも誘われないのはおかしい。そ、それとなぜわざわざ俺らなんだ?普段しゃべったこともないような陰キャぼっちですよ。バランスが悪い」
······くそ、人気者相手だとうまくしゃべれない。敬語にお前って。なんで、あいつが偉いから?
「その、私も反対よ」
おお、心強い。
「り、理由は彼と一緒」
心強くなかった。男は女の言うことなんてだいたい聞くんだから、ドンと言ってくれれば勝てたのに。あと、ほんとのこと言うと人気者が俺らと組んだら女子には睨まれ、男子には図々しく接触される。元々ダメな青春が更に酷くなるなんてことになりかねん。だから、ほんとやめてほしい。
「分かった。確かに周りからは誘われてたけど、断ってしまっていて、、」
ばか野郎!強制イベントかよ、まあ仕方ない。ここは今は『考えとく』からのあとで『ごっめーん!』作戦だ。これは中学生の時よく使われたなぁ。何でみんな俺を······
「ごめんなさいね、では」
そう言ったのは凌だ。そして、扉を開け羽後の手首をつかみ、スタスタと歩いて教室から出ていった。
「ふぅ。」
「ふぅ。じゃねーよ。話がすんだから帰るみたいな顔しやがって、ここは『考えとく』からの『ごっめーん!』だろ!」
「仕方ないじゃないの!ああいう類いの連中とは会話もまともにできないのよ!」
確かに、ごっめーん! を誰が言うかが問題である。
「それに、付きまとわれたりしたらそれこそ、」
「注目をあびるよな」
積んだ。無理ゲーだ。リア充は怖い。
「明日、断ったって言う噂が流れないといいのだけれど」
「加賀美さん。終わりましたね、林間学校」
修学旅行が今から楽しみですね。
× × ×
家に帰ると、妹が夕飯を作ってくれていた。
「ねえ、兄上」
「なんだ?」
「最近行動おかしくない?」
暗さのことか、クラスのことか、どちらにしても触れないでいただきたい所だが。
「妹、話しかけられたくもないリア充に、同じ班になろうといわれた。そして、断ったら周辺に調子のってると思われ、引き入れたら、何であいつらなんかと、となる。どうすればいい?ちなみに、俺に『考えとく』のスキルはない」
「私、陽キャだからわかんないなー」
え、今なんて言った?パリピ勢とか、ウェイ勢とかに値するの?
「前言ってた授業参観来ればわかるってー」
心読んだ?
「話戻すけど」
完全に妹のペースだ。
「そもそも、何でそいつがわざわざそんな行動をとったのか、知らないでしょ」
「というのはつまり?」
「そこに攻略の鍵がある」
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あだました。
毎度短いですが、週四くらいで書いてるんで大丈夫だと。
めーげーん
「「リア充の行動は読みやすいそれ以上でもそれ以下でもない」」
by 糸佳徒と妹




