ぼっちが集まっても山にはならない
林間学校、空は青く、空気は美味しく、リア充はイチャイチャし、ぼっちは一人、作業。そんなイベントである。今、その林間学校の班決めが行われていた。
「では、今から十分。自由に歩き回っていいので班を決めなさい」
せんせー一人余りました。ふとそんな記憶がよみがえった。これは羽後が小学生の頃の話だ。
「班を決めてちょうだい」という先生の合図でクラスの奴らは五人組を作る。クラスの人数は36人だ。
おかしくない?ぜったいに誰か一人はぶられるじゃん。
「せんせー一人余りました。戸羽が」
小学生の頃も名字で呼ばれていたというぼっちの才能。
ああ、あの頃かな、心がすさんできたの。まあいいか、ハハ。
「何一人でボーッとしているのかしら、周りの人たちに気味悪がられているわよ」
話し掛けてきたのは凌だった。
「速く東雲さんを探すの手伝いなさい」
「悪い、そっちでやっといてくれ。俺は一人メンバーを誘ってくる」
「あなたと話したことがある人がいたなんて驚いたわ」
「話したことねーし、会ったこともねーよ」
「まあ任せたわ」
「おう」
そう言って入ったのは、隣のクラス。
「よう」
話し掛けたのは一人席に座って本を読んでいる生徒、糸佳徒 相馬だ。なぜこいつにしたのかはもいお分かりだろう。こいつが、超のつく程の陰キャだからだ。気が合いそう。
「僕に何か?」
あら鋭い目線。
「俺は戸羽羽後。班組まない?」
「なんで知らないようなやつと組まないといけないんだ」
「この学校に知ってるやついないだろ」
「なるほど、こちら側の人間か」
「ああ。俺も陰キャぼっちだ」
その頃凌はというと。
「東雲さん、この人は一体」
「紹介するね、この人は木原 水菜水泳部副部長」
「き、木原です。よろしくおねがいします」
「加賀美凌よ。宜しく」
「あと男子一人ね」
「凌、あと一人ってどゆこと?」
東雲が質問した。
~説明タイム~
「なるほど、戸羽がねぇ」
「どうせ、そこらのぼっちをつれてくるでしょう」
そうしてこの時間は終了し、また次の時間にあと一人を決めることにした。糸佳徒は、戸羽と仲良くなったわけではなく、林間学校の期間だけの契約として受け取った。ただ、羽後のクラスでは「戸羽、糸佳徒と組んだらしいよ」「陰キャきっも」などの陰口がただよっていたが、羽後はほっておいた。せいぜい俺らの話で盛り上がるんだな。リア充ども。
毎度ありがとうございます。
今日の名言
「悪口、陰口を言う奴はほっとけ。あいつらは勝手に争って勝手に死ぬ」
糸佳徒 相馬




