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俺たちの青春に明るさはなかった  作者: あるば
林間学校の準備より、明るい青春野郎の相手の方が忙しい
11/80

ぼっちが集まっても山にはならない

 林間学校、空は青く、空気は美味しく、リア充はイチャイチャし、ぼっちは一人、作業。そんなイベントである。今、その林間学校の班決めが行われていた。

「では、今から十分。自由に歩き回っていいので班を決めなさい」

せんせー一人余りました。ふとそんな記憶がよみがえった。これは羽後が小学生の頃の話だ。

 「班を決めてちょうだい」という先生の合図でクラスの奴らは五人組を作る。クラスの人数は36人だ。

おかしくない?ぜったいに誰か一人はぶられるじゃん。

「せんせー一人余りました。戸羽が」

小学生の頃も名字で呼ばれていたというぼっちの才能。

 ああ、あの頃かな、心がすさんできたの。まあいいか、ハハ。

「何一人でボーッとしているのかしら、周りの人たちに気味悪がられているわよ」

話し掛けてきたのは凌だった。

「速く東雲さんを探すの手伝いなさい」

「悪い、そっちでやっといてくれ。俺は一人メンバーを誘ってくる」

「あなたと話したことがある人がいたなんて驚いたわ」

「話したことねーし、会ったこともねーよ」

「まあ任せたわ」

「おう」

 そう言って入ったのは、隣のクラス。

「よう」

話し掛けたのは一人席に座って本を読んでいる生徒、糸佳徒いとかと 相馬そうまだ。なぜこいつにしたのかはもいお分かりだろう。こいつが、超のつく程の陰キャだからだ。気が合いそう。

「僕に何か?」

あら鋭い目線。

「俺は戸羽羽後。班組まない?」

「なんで知らないようなやつと組まないといけないんだ」

「この学校に知ってるやついないだろ」

「なるほど、こちら側の人間か」

「ああ。俺も陰キャぼっちだ」

 その頃凌はというと。

「東雲さん、この人は一体」

「紹介するね、この人は木原きはら 水菜みずな水泳部副部長」

「き、木原です。よろしくおねがいします」

「加賀美凌よ。宜しく」

「あと男子一人ね」

「凌、あと一人ってどゆこと?」

東雲が質問した。

~説明タイム~

「なるほど、戸羽がねぇ」

「どうせ、そこらのぼっちをつれてくるでしょう」

 そうしてこの時間は終了し、また次の時間にあと一人を決めることにした。糸佳徒は、戸羽と仲良くなったわけではなく、林間学校の期間だけの契約として受け取った。ただ、羽後のクラスでは「戸羽、糸佳徒と組んだらしいよ」「陰キャきっも」などの陰口がただよっていたが、羽後はほっておいた。せいぜい俺らの話で盛り上がるんだな。リア充ども。





毎度ありがとうございます。


今日の名言

「悪口、陰口を言う奴はほっとけ。あいつらは勝手に争って勝手に死ぬ」

                    糸佳徒いとかと 相馬そうま


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