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第1章 力そして呪いあと魔法 (3)

だいぶ開いてしまいました

 パリンッ

 何処からか、ガラスが割れる音が聞こえた。


 パリンッ

 また何処からか、ガラスが割れる音が聞こえた。


 パリンッ

 また………


 続くガラスが割れる音に周りはざわつき始めた。そして段々割れる音の間隔が短くなっていて、『何か』がくる予感がした。



 ガシャンッ



 音が鳴り、周りが見えないくらいに暗くなった。そして、先ほどフユキがいた場所にライトが集まった。


「ハロ〜〜〜どうもこんにちは、私は『クロノネコビトロク』の団員の一人、『プゲラ』と申しまーす。突然ですが私が来た、と言うことは貴方達を何らかの形で連れさらわなければなりませーん。でもー私達は優しいので、見逃すチャンスをー与えようかなーって考えてまーす。」


『クロノネコビトロク』略して『クロネコ』 神ですら恐れられている伝説の盗賊団だ。本でしか見たことないが本当に実在していた。

 などと考えていると、近くにいた騎士達が二人で取り押さえようとしたが、呆気なく首を刎ねられてしまった。しかも、速すぎて抜刀が見えなかった。その光景を見ていた人達が大声を上げて逃げ出していた。しかし、暗すぎて前が見えない、そして敵はあいつ一人ではなかった。出口の方に二人、入り口に三人いた。

 僕はその光景を見て、実感がなくただ動けなかった。そして、フユキの発した言葉でこれが現実だということを突きつけられた。


「クロノネコビトロク、実在していたとはな………お前達はここに何をしに来た!何が狙いだ!目的は何だ!」


「おいおい、質問は一つにしてよー


 ………ドウセヤルナラオシエテモイッカー」


 気味の悪い笑みを浮かべながら『プゲラ』は話を続けた。


「そうだなぁ、『何をしに来た!』は、一つはある人を暗殺だよー、目的は依頼の完了ー。狙いは教えてあーげない♫少しは自分で考えてみればー?キャハッ」


 そして沈黙が続いた………


 フユキはゆっくりゆっくりと着実に距離を詰めに行っている。そして魔法を放った


「『冬の花 スノープリズン』」


 雪と氷が混じり合った透明な柵が逃げ道を塞ぐ様にプゲラの周りを覆った。しかし同時に、プゲラは服の中からとても入っているとは思えない深い赤色をした大きな鎌を取り出した。


「『深紅の鎌 クリムゾンサイズ』 かーらーのー『デスファンタジー』」


 容赦のない大鎌の連撃が柵を攻撃し続ける。しかし攻撃を続けていたプゲラの速度が段々と遅くなっていた。まるで牢獄のような空間に何も出来ずに立ち尽くす様に


「キャハッこの柵すっごいねーこの私ですら傷一つつけることが出来ないなんてね。もうめんどくさいや、リ~ダ~後はお願いします~」


「……ったく仕方ねーな、お前ら!『ターゲット』優先、および『白銀氷』の拘束。そして、この町の金品強奪」


 ターゲット? 何だそれ…… こいつらは何が目的だ、取り合えず『()()()』抑えておかないとこの場に乗じて何か仕掛けてくるかもしれない。念のために『ナイフ』は持っておこう、後することは………


「ユウキ危ない!避けろ!」


「え?」



 ザクシュッ! ドスッ! ガシャーーン!!


 ………え、今何をされた?凄く肩が痛いあれ?なんか目の前が暗くなってく…


「ユウキしっかりしろ! まだ逝くな! 『白銀の世界 フリーズワールド シルバー』」


「『白銀氷』を止め…『カチッーパキッパキパキ』」


 世界が数秒だけ止まったような感覚に陥った。そしてフユキが素早くユウキの元に駆け寄った。咄嗟に身を引いたお陰で大きな怪我にはなっていなかった。


「くっ出血が止まらない………ユウキ少し冷たいが我慢してくれ『ブラッドフリーズ』」


「うっ冷たい…」


「意識をしっかり持て! 後は俺に任せろ!」


 フユキはリーダーと呼ばれる男に近づいた、しかし凍った男の抜け殻がそこにはあった。すかさずあたりを見渡すが男の姿は見つからなかった、

 瞬間


「『剣技 スラッシュ』!」


「何!?『アイスプロテクト』」


 真上から薙ぎ払うようにフユキめがけて攻撃が放たれた。咄嗟に氷でガードしたフユキだが、突然の攻撃で体がよろけてしまった。そして、目の前にはリーダーと呼ばれる男が立っていた。


「対象は致命傷、妨害が入った、援護頼む」


 ボソボソと他の仲間に連絡をしていた。不意打ちが決まらなかったと分かった瞬間にすぐさま予定を変更している様子だった。


「リーダーお呼びですかい?」


「1人じゃ骨が折れる、一緒にヤルぞ」


「くそっ…2対1か、上等だ! ユウキに怪我を負わせたんだ、タダじゃおかねえ」


「あん? 2対1?………残念だったな ()()1()()!」






 ツーーーーーー





 フユキの頬に嫌な汗が伝っていた…





 ーーーーーーーーーー







「はぁはぁ…ここにいれば取り敢えず大丈夫、よかったわ赤ちゃんも眠ってくれてる……あの人は大丈夫かしら、あっメイさんよかったぁ無事で~」


「あっ奥様よくぞご無事で、メイドは私とハンバとチエだけしか現状確認できていません」


「あなた達が無事でよかったわ………メイさん、ハンバさん、チエさん」


「奥様、マイの姿が見当たらないのです。………この緊急事態の時に何処へ行ってしまったの?………すみません奥様、娘が心配なので探しに行ってもよろしいでしょうか?」


「そうね、でもだったら私も一緒に探すわ! 緊急事態だからこそみんなで探しに行きましょう」


「っ!ダメです奥様! こんな時だからこそ、フユキ様の大事な貴方達は身を守ってください!」


「その必要はないわ、お母さん?」


「その声は………マイさん!」


「マイ!よかった無事で………」


 メイがマイの近くに寄って抱き寄せようとした。しかし、マイの手には銀色に光るナイフが握られていた。


「っ!マイ!貴方誰にナイフを向けているの!」


「? そんなのお母さんや()()に決まってるじゃない」


「貴方何を言って……「いいわ、もうやっちゃって」」


 ガッ! ドスッ!


「ふふ、これでフユキ様も私の物」


「おんぎゃぁーおんぎゃぁーーー!!」




赤ちゃんの声が鳴り響いていた………


ありがとうございます

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