第1章 力そして呪いあと魔法 (1)
ミルフィーはジッとこちらを見つめてきた。
「………そういうことか〜ふふっじゃあ君にはこれをあげるよ」
ミルフィーはふわっと僕の側に近づいて来た。そして………
頬に柔らかい感触が⁉︎
直ぐにミルフィーを退けて慌てて離れた。
「なっ……なにをするんだよ急に⁈」
「え〜〜頬にチュッてしただけだよー」
えっこの人なにしてくれちゃってるんだろ………
「まぁ〜この世界に行くんだったらこれくらいしないと死んじゃうしね〜」
「それってどういう……」
「ほらほら時間が来たよ〜行ってらっしゃ〜い〜」
急に視界がぼやけて、落ちる感覚を感じた。
「えっ………嘘でしょ…」
あまりにも突然のことが続きすぎて、一緒に光に包まれた『あの子』のことを聞く暇もなく
そして意識を失った。
「………これでよかったんだよね? SKISS♪」
「………ふふっ♪ それにしても永野勇輝くんか〜まぁ直ぐに会えるけどね………」
__________
こんにちは、僕はユウキ!今は0歳、ん? なんか寒いな、冬なのかな?
目を開けることがまだ難しいけど聞くことは出来るんだ、言語は日本語も混じった言葉だけどね。
この世界の名前は『コルダ』って言います。名前の由来とかは分からないけど、まぁこの世界に転生させられたことでここで生きていくことになりました。
………だけど、特に何もすることがないっていうか何も出来ないんだよねー
取り敢えず歩かなきゃ………
__________
数か月の時がたったなぁ。
首が座りやっと周りを見渡せるようになったけどまだ自分で歩くことができない。僕の母にあたる人が、僕を抱っこして周りを見せるように屋敷の中を見せてくれてる。
本当に転生したんだなぁ
そうだ、僕の家族を紹介しなきゃだね、って言っても名前わかんないけどね。うちの家族は、3人家族のメイドが8人くらいかな?。なんか、何処かの貴族らしい。
………眠くなってきたなぁ。
__________
半年以上が過ぎた気がする。僕は、部屋の中ならある程度動けるようになっていた。そして、言語などはある程度理解をしたつもり、なんだけどやることがなくて暇だなーーー
僕が部屋の中をハイハイで歩き回ろうとしたら、メイドの人に抱っこされた。仕方なく抱っこされていると僕は本棚でキラキラした本を見つけた。
僕が「あうぅ!」と指をさした。
メイドさんが少しだけ驚いた表情をして「ユウキ様はこの本が欲しいのですか?」と優しく聞かれた僕は思わず頷いてしまった。またメイドさんに驚かれた表情をされてしまった。正直生まれて1年もたたない赤ちゃんが言語を理解していたらかなり怖いよね。でもメイドさんは優しく僕にその本を渡してくれた。
まぁそのおかげもあり、面白そうな本を見つけた。
『魔力について』
魔力とは人、動物、植物などに備わる目には見えない光の粒子である。そしてこの光の粒子が、特殊な力を授けてくれる。『魔法』『スキル』『称号』の3つはこの光の粒子による力である。しかし現在では、光の粒子だけではないと目撃情報が多数存在する。その中でも有名なのが『精霊』だ。しかしながら、情報が少ないので語れることはほぼない………
『魔力の感じ方』
魔力の感じ方は人それぞれだと思うけど、一番分かりやすいのは怪我をすることだと思われる。そこに意識を集中させて、血液の流れを感じ取る事が出来れば、自ずと成功させる事が可能だ………
なんと日本語で書いてあった!
………なんて言っているが理由はともかく面白そうだからあとで考えよう!
__________
1歳になりました。もうハイハイが自由にできるようになりました、っていうか、勝手に行動してるんだけどね。
日本語で書いてあった例の『魔力について』の本はなんとこの本だけしか日本語でしか書かれていなかったのだった。しかも、文字に関して言えば日本語に見えているのは僕だけだった。
っとそうだ、やっと家族の名前がようやく分かったんだ。
………名前のイントネーションだけどうにも聞き取れなかったんだよね。
まず僕の父さんの名前は『フユキ・アルス』、黒髪赤目のイケメンな優しいお父さん。
次に母さんは『リサ・アルス』、黒髪茶目の凄く綺麗なお母さん。
そしてメイドさん
………って言ってもメイドさんは1人しかわかんないけど、僕の身の回りのお世話をしてくれるメイドの『メイさん』、金髪赤目のおっとりした人だ。
僕の家族は貴族のアルス一族らしいけど、父さんと母さんはまだ20歳くらいだ。メイさんは30代くらいだ。この国の成人は15歳らしいので問題はないが大丈夫なのだろう。
そして、この数か月で最も大きな収穫は文字を読めるようになったこと!
この世界についてもよく理解を深めることができた。そして魔力についても理解が深まりとても有意義な生活を送れている。
.........ってどうして1歳の僕がこんなに知っているのかというと
.........僕が勝手に書斎の部屋に入っているからなのです。
何故書斎の部屋にいるかというと、やはり1番の理由がこの世界について、そして『魔法の概念』についてだ。『魔力について』の本に書かれていた『魔法』という言葉がこの世界でどのような役割を持っているのか気になった。そもそも、自分がなぜこの世界に転生してしまった理由を知りたい。あれも『魔法』という技術が起こした現象なのだろうか?
………って話が逸れたね
まずはこの世界の『魔法』についてかな?
魔力を創りたい『もの』をイメージして創造する。これが初期の初期、最初魔法の『創造魔法』。そしてイメージした通りにそイメージを引き起こしやすくする『術式』というものも存在する。この術式には、言葉一つ一つに魔力が込められていて、想像するための補助をしてくれる。そして、生物以外の物質もたまに魔力を保有することがあり、これが『魔道具』の元となる。これが魔法の基本情報。要するに、魔力があれば何でも作れてしまうということ。しかし、魔法を作るのにも魔力を必要としてしまい、一族の伝統の魔法などもあるそうだ。
これら全ての概念を一まとめに『魔法』と呼ぶらしい。
そして次に、この世界についてだ。
今は歴史が始まってから、およそ1000年くらいだが、魔法があったおかげか文明レベルは高い。そして、僕は今この世界の『剣と魔法の国』という国にいる。他には、『銃国』『帝国』などの国があり、それぞれ現在は冷戦状態らしい。更には、魔法があるからには『エルフ』や『ドワーフ』『魔族』などもいるようだ。なお、『魔族』達は『暗黒の地』に種族ごとに住んでいるようだ。
.........ん? やべっ誰か入ってきた。
__________
「ユウキ坊ちゃん~? また勝手にこの部屋に入ったのですか~? 」
「マイさん、ユウキ坊ちゃんをみつけたらお仕置きをしましょう♪ 」
「ハンバさんはもう少し声の大きさを下げましょう」
「チエさんもね。さあお仕置きタイムと行きましょうか」
げっ.........めんどくさい奴らが来やがった。メイドの名前はメイさんしか知らないって言っていたけど実際はこいつらも知っていた。いやだって、こいつら僕の母親のリサに嫉妬してまだ1歳になったばかりの子供の僕に、お仕置きと称した嫌がらせをしてくるから。そう、このメイドのリーダーのマイは、僕の父さんのフユキに恋をしているのだ。そして、マイはメイさんの娘だ。これがまためんどくさい。、メイさんの顔を使ってこの屋敷で仕事をしているが、本当は仕事をまともにしないくそ野郎だからだ。
しかし、その事実を知っているものは僕以外誰もいない。
「あぅ~? あ!あーー!!」
「こらこら、勝手に動いてはダメって言っているのになぁ」
バシッ.........僕の頭をかなり強い力で叩かれた。普通に痛い。マイはニタリと口元をあげた。やばい、泣きそう。どうしよ.........
「まったく大人しくしてれば痛いことはしないのに、ちょっと君のお母さんが苦しむだけなのにね~」
(それってどういう?………)
「ふふっ薬が順………けば、1年後には………」
__________
あ~やっと終わった。頭とかお腹とかくそ痛い。
「あら、どうしたのユウキちゃん。まだ1歳なのに元気がいいわね~、また勝手に書斎の部屋に入ったの~? っ.........どうしたのその傷?! 」
「あぅ~~グズッ!」
「痛かったわよね~よく我慢したね~」
リサが優しく抱きしめてくれた。
僕がしゃべれないのをいいことに!
あのくそメイド、後で覚えてろ! 絶対に覚えてろ、絶対に覚えてろ~!
………気づいた時にはすでに眠っていた。
__________
またまた1年が経過しましたね。
僕は今、魔法の練習をしている。そして、今まで練習をしてきて分かったことがあった。なんと、頭の中で意識するだけで自分の『ステータス』が分かるのです。
ーーーーー
『ステータス』
ユウキ・アルス 2歳? 種族:人間 性別:男
Lv1
スキル
『ステータス(心)』『 』『 』
HP18 MP20
攻5 防7 魔13 敏3
ーーーーー
この『ステータス』を見ながらあることにも気が付いた。
MP20 魔13
魔力もレベルアップに比例して上がっていくものだと思っていたが、実はレベルアップとは全く関係のないステータスだったのです。
しかし、この原理を知っているものが少ないと僕は思った。なぜなら、この原理を知っていれば魔法の力は宇宙まで届き得るくらい発展していると思う。だけど、この魔法の練習が非常に難しい理由がある。まず気づけないのだ。レベルがあがると一応は魔力も上がるらしい。しかし、魔力の強さは先天性と思われてしまっている。まぁ今は魔力の強化をしよう。
………普通は簡単にものを創造して魔力をあげることができるのだが、魔法の練習をしようとしたところ、すぐに屋敷にいる父さんが感知してしまったのだ。幸い、勘違いだと思われてことを逃れたが、危うくばれるところだった。
ただ幸いに、魔力を操るだけなら気づかれることもなかった。だから僕は、この魔力を操作する力を重点的に行った。
(しかし、見えない魔力を『操作』できること、そして、日に日にこの『魔力操作』が上達しすぎていて『もの』すら動かせることは達人の域に達していることに気づいていなかった………)
__________
またまたまた1年が経ちました。もうハイハイではなく歩いて.........いや走っている。そして、夜中に目覚めた時のこと、隣から少し吐息が漏れている気がした。夜中だからまさかなとは思っていたけど.........
.........その...ね...
.........妹ができました。
妹は暖かい桜の時期に生まれました。僕とは3歳3カ月差くらいかな?
まぁ新しい家族ができて良かった良かったって言うわけにわいかないんだよね。
めんどくさいメイドが1人
.........例の『あいつ』だ。3歳にもなった。魔力を操作をする技術かなり上達した。後は、フユパパとリサママにどう情報をつたえるかだな。
何もなければいいな
ご閲覧ありがとうございました