始動
壮士朗のアパートはほぼ全部に火が回っていた。それはもう手遅れだということを悟らせるかのように激しく燃えていた。栄次は大急ぎでアパートに向かった。
「壮士朗ーーーーー!!!!」栄次は声が枯れるぐらいに叫び涙を流した。
「心配いりませんよ。」何処かで聞いたことのある低く細い声が彼の耳の中に入ってきた。
「お前はあの時の......それよりどういう意味だ説明してくれ!!」黒ずくめの男はほくそ笑みながら答えた。「詳しいことは言えませんが月山さんの命は保証しますよ....ですけどこうなったのは貴方の性ですから。」男は不敵な笑みを浮かべながら栄次に対し言ったのだった。「俺が何をしたって言うんだ。」栄次は男に怒りをぶつけた。
「ルーナーの勧誘を貴方は断りましたよね。その報いですよ。」あっけらかんと黒ずくめの男は言ってのけた。「ふざけるな!!だからアパートに放火して壮士朗を誘拐したのか?」栄次は完全に顔を赤くして怒鳴りつけた。「警察に言ったところで無駄足ですよ。警察がルーナーを止めることはできない。おっと名乗り遅れてすいません私の名前は黒いのでクロとでも呼んでくださいそれでは失礼。」
これが悪夢の始まりだった。