3歳!プレゼントは?
あれから3年経った。それはもう怒涛の勢いであっという間だった。
前世の記憶が混ざっているからか、まず言葉がいつまでも舌っ足らずなのだ。
だからいつまで経っても
「おとうしゃま、おかあしゃま、おはようごじゃいまちゅ。」
という具合に、いくら頑張って澄ましてみても締まらないのだ。
「あらあら、アイリスはいつでも可愛らしいわねぇ。」
「誰かぁ!誰か、画家を呼べ!私の可愛いアイリスを描かせるのだ!」
うん。凄い親ばかっぷりだと思う。
と言うか、絵はこの間描いたばかりでしょ。
「おとうしゃま、絵はしぇんじつ(先日)描いたばかりでは?」
「何を言う。今日はアイリスの誕生日ではないか。何枚だって描いてもらおう!」
そう、今日は私の3歳の誕生日。朝からすれ違うメイド達からも散々お祝いの言葉を貰っている。
「アイリスに、プレゼントがあるぞ。」
「ありがとうごじゃいまちゅ、おとうしゃま。一体どんなぷれじぇんとか楽しみでしゅわ。」
「うふ。アイリスがこの間欲しがっていたものよ。」
私が欲しがっていたもの、、、
?今までは私は高飛車な我儘令嬢になるのを防ぐべく、お願いや頼みごとは極力避けて来た。
私が最近欲しがったもの?何だったっけ。
「さぁ、入って来なさい。」
そうお父様が言うと、入って来たのは何と、、、
「アイリスが欲しがっていた弟だ。今日からこの子がアイリスの弟になるぞ。」
綺麗なサラリとした黒髪の同じ年位の男の子がそこに立っていた。