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お礼の言葉と別れの言葉
「ローンギング。あの日の誕生日、素晴らしい本を買ってくれてありがとう。あんたの数少ない金で、宝を売ってまでして買ってくれたんだな。」
岡の上に凛々しく立つローンギングの墓。そこに、ジャスティスは居た。
「あんなに、俺と同じ道には進むな。って言ってたのに、何であんな本くれたんだよ!!!色んな国の本なんか!!!何で!!・・何で・・・死ぬんだよぉ・・・・・!!!!!」
お礼を伝えに来たのに、何故か涙が頬を伝う。何度拭っても、止まらない涙。
ジャスティスは、リュックサックに入れていた本を手に取ると、墓の前に置いた。
「この本、すべて暗記した。だから、返すよ。そして、行ってくる。あんたと同じ道へ。」
それだけ告げると、ジャスティスは墓を後にした。