魔王降臨
とにかくパニック、伊久斗が通訳してくれた。
「なんて事だ!」
「封印の途中だったのに、ジャパニーズボーイはなんて事してくれたんだ!」
「私のせいだ!私が詠唱を止めたから!」
光太郎にも伊久斗にもわけがわからない。
ゴゴゴゴ
「まずい!鍾乳洞が崩れるぞ!」
光太郎の叫びを聞き避難する面々。
魔法使いと見られるコスプレ外人が、仲間で話し合い、何かを唱えると日本語が流暢になった。
「あなた達!自分がした事をわかっているの!」
「いや……。」
「かつて凍結させた魔王が、地球温暖化で溶けそうなのを知って、封印する事にしたのだ!」
「魔王って……。」
光太郎は笑い、伊久斗は考え込む。その間にも鼓動は高まり、魔王降臨!
ぶ~ん
「……。」
「蚊?」
べちん
魔王は死んだ……。光太郎の手で……。
長い年月のせいで小さくなったのだ。