赤い世界の、欠片
井の中の蛙だな
そう誰かに呟かれた
なんだか虚しくて、腹が立って
そんなことはないと
否定したいのに
何故かそうだと思おうとする私がいた
私は幸せだった
だから、彼も幸せなのだと思っていた
私はキミの見る世界を見たいと思った
観ている世界が違う故に
幸せだからこそ、見たかった
でも
それは私が望まなくても
簡単に見れたのだ
どうすることも出来なくて
気がつけばキミは炎に溶けた
私はそれを見詰めるままに
温い世界の中でたゆたう
一人の老人が私に言う
哀れなり、哀れなりと
赤い世界に私は思う
本当に、私は井の中の蛙だと