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2話

プロットと世界観考えてたら、投稿が遅れた

2026/3/21 加筆

レオはある宿屋の一室に入った。

窓から温かな光が差し込み、部屋の温度を上げている。そのせいか、4人が入ってもスペースに余裕のある一室は落ち着いた空気がある。そして、ドアを開けたレオの目には二人の女性が写った。

「紹介するよ。私のパーティーメンバーだ」

「この子、誰?」

彼女はレオを見て、ネコ耳をふにゃりと寝かせながら首をかしげた。

エメラルドグリーンとサファイアのように綺麗なオッドアイの瞳がレオを覗き込んでいる。

「え~と、レオです……」

レオが緊張しながらもじもじと声を返す。

「レオくん!はじめまして!私、エレナっていうの!よろしくね!」

弾むように明るく話しながら、動きやすそうな皮装備に包まれた身をレオに寄せてる。その間、彼女の白い尻尾は元気に揺れていた。

「獣人さん?初めてみたかも……」

レオは目を点にしながら、エレナのピンと立った耳と元気に振れる尻尾を見つめていた。

「獣人って珍しいよね〜」

エレナがレオの言葉に共感しながら、上機嫌にレオと話していると壁の隅からズズズッとストローでカップの底を鳴らす音とともに声が聞こえてきた。

「シエナ、変なの連れてこないで。その子、魔力ない。多分、力もない。パーティーに入れる価値ない。悪いお荷物」

率直な意見なのだろうか。高い声に反して抑揚が少なく、声は軽いが言葉は重く感じる。

そして、声の主に視線を上げると、手に金属製のカップと細い管を持っている小柄な少女がいた。レオと同じぐらいの年だろうか。長い銀髪に人形のように整った顔なのにも関わらず、愛想を感じない。つまらない荷物を見るようにレオに視線を送っている。

「おい!エル!それは失礼だろ!こいつは本気で冒険者を目指してるんだぞ!」

シエナがレオを擁護するために力強く、うるさくとも取れるように反論した。

しかし、エルと呼ばれた少女は無機質に言葉を続けた。

「事実。現に魔力を感じない。魔法使えないシエナより魔力少ない。魔力ないと戦えないの分かる?」

その問いかけにシエナは口を噤んだ。しかし、ここで食い下がるとレオに悪い。彼女がレオを誘ったのだ。それだとパーティーのリーダーとして不甲斐ない。

「荷物持ちぐらいなら、こいつでもできるだろ。冒険者パーティーって言っても全員が戦うわけじゃないし」

苦し紛れにも聞こえるが、エルは止まらなかった

「こいつ、小さい。多分、私と同じぐらい。どれだけ運べるの?そもそも荷物持てる?」

猛攻だ。正論で責められるのは殴られるのより、痛い。

「エル、言い過ぎじゃない?レオくん、泣いちゃうよ」

エレナが慌てて割って入った。ジェットコースターのように感情が揺さぶられた1日を体験したレオに効いたのか目が過剰に潤っている。垂れてはいないが涙のようなものが見える。

しかし、エルは

「この程度で泣くなら、この先やっていけない。帰った方が早い」

と吐き捨てた。

「帰らない……」

エルの言葉に対して、涙目のレオは心は揺れても足は動かなかった。

打たれ弱くても他者が理解できないほどに信念だけは強い。

これだけ、否定され続けても冒険者になり、そこから勇者に這い上がるという夢を叶えるために引かなかった。

「ふ〜ん。ここまでボロクソに言われても耐えるなんてつえーじゃねーか。心意気だけは一級品だな」

シエナは素直にレオを褒めたように見えた。しかし、諦めの悪さをついた呆れや感心にも見える。

「そう。死んでも助けないから」

エルはそう言い捨てた。

そして、興味なさそうに袋に入ったアップルパイを食べ始めた。彼女はレオやシエナに一切目を向けずに口を大きく開けてパイを口に放り込んだ。目は鋭いままでも頬が緩んでいる彼女からすると癒やしだが、パイの匂いは強烈だ。甘ったるい油の匂いが部屋に蔓延する。

油の匂いが気になったエレナがしれっと窓を開けたが、重い空気は変わらなかった。


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