1話
女性はレオを見つめていた。
彼女の背はレオより頭一つ高い。長髪の赤毛に赤眼も相まって、比較的目立つ顔つきをしている。そして、元気そうな褐色肌に黒いタンクトップにデニムショートパンツを着ている。
その露出は健気なレオには刺激が強かった。彼の視線は女性の胸に向かっている。
汗ばんだ豊満な谷間が直に映る。目のやり場に困るのか、彼は顔を赤らめて首を振っていた。
「わっ!?
ええとお姉さん誰!?」
「あたしか?
あたしはシエナ。ただの冒険者だ」
女性はレオの取り乱した反応を疑問に思いながら、そう言う。
レオの視線には一切気がついていないようだ。だから、レオの咄嗟に出た言葉に軽く答えながら、首をかしげていた。
「そういや、坊主はなんていうんだ?」
「僕はレオです」
小さく言う。シエナの刺激もある。しかし、それ以上に冒険者になれなかったことの影響が強かった。そんな、心が不安定な中紡ぐ言葉はどうしても、弱々しくなってしまうのだろう。
「そういや、なんでそんな落ち込んでいるんだ?」
「ええと……それは……」
レオは語りだした。勇者に憧れていたこと。父親と喧嘩して、家から飛び出したこと。冒険者ギルドに来ても冒険者になれなかったことなど、赤裸々にシエナに向けて言う。
不安定な時ほど誰かに言うと気が晴れるもの。
レオも少しは気がマシになってきたのか、シエナと出会った時よりかは声が大きくなった。
「なるほどな。で。家にも帰れない。ギルドにも入れない。このまま野垂れ死ぬしかないと」
「言い方が気になるけど……。はい……。そのとおりです。」
レオはシエナの言葉に何も言い返すことができなかった。全てが事実だからだ。正論はかなり心を抉る。
「でもな。嬢もまともな仕事をしたとは思うけどな。お前がただの馬鹿なガキだったら、それで正解だ。でも、今のお前には居場所がない」
「そうです……」
レオは認めるしかなかった。このままだと勇者は愚か、来週には路上で痩せこけて、倒れるしかない。
「今、あたしらは人手が足りない」
シエナは急に切り出した。その一言にレオの目に光が入る。
「今からちょっとした仕事をしようとしててね。戦力は足りてても荷物持ちがいないんだ。冒険者にはなれなくてもパシリにはしてやるよ。ガキがやるには危険かもしれないが、野垂れ死ぬよりかはマシだろ?どうだ?」
レオからしたらこれ以上ない希望に見えた。絶望の底に垂らされた蜘蛛の糸とでも言うのだろうか。話に乗らない理由がない。
「いいんですか!?ぜひ!!!」
ギルドに来てから1番、前向きな声を発した。
「決まりだな。なら、ついてこい」
レオはシエナについていくことにした。
正直プロローグと1話の違いが分からないが1話ってことにさせてくれ




