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プロローグ3

レオは冒険者ギルド支部の施設に入った。

中はレンガの壁とタイル張りの床が目立ち、一見すると高級感がある。ガラスの窓から温かな光が入っているものの日が当たらないところは暗く、明るい空気を感じない。

冒険者らはというと、掲示板で仕事を探している者、依頼を受けるために仲間を探している者、併設された酒場でエールを仰ぎながら談笑する者と賑わいを作っていた。

そして、レオは意気揚々と受付に向かう。

冒険者から、

「おい、あのガキを見ろよ」

「あのチビでいかにも弱そうなやつか」

「ああ。こんな地獄にあんな笑顔で来るとはな」

そんな声が上がり、冷ややかだが同情するような冷たい視線を送られるが、彼は気がついていないようだ。

そのまま、勇者になるという希望を抱き、受付の前に来た。


「あの〜。冒険者登録をしたいのですが……」

緊張した様子で身を震わせている。これから冒険者になれるという期待を抱いているが、いざ行動に起こすと、環境への慣れなさや何をすればいいのかわからないという戸惑いが気詰まりと震えに繋がった。

その言葉を受け取ったギルドの堅い制服を身にまとった受付嬢はというと

「えっ、ええ」

困惑していた。若干引きつったような表情を浮かべている。

この登録をすると、目の前にいるいたいけな少年を戦地に送ることになる。

これまでに何人も登録を担当してきたが、彼らの半分近くは死んだ。

この少年も彼らと同じ道を歩んでしまうかもしれない。

そんなことが頭に浮かび、次のようにいう。

「あのね。冒険者っていうのは子供の遊びじゃないの。ちょっとお姉さんからしたら今はやめてほしいな。強くなってから、また来てくれる?」

優しいトーンでレオに語る。

しかし、レオの意思はそんな言葉で引くほど弱くない。

『勇者になる』

その一心で家を飛び出して来たのだ。だから、家は宛にならない。

だから、冒険者になることができなければ、路上で野垂れ死ぬ可能性も低くない。

そんな現状だから、是が非でも冒険者にならなければいけないのだ。

「嫌です!今すぐ冒険者になりたいんです!」

彼は引き下がらなかった。

規約に沿えば、手続きをすることができる。だが、彼女の心はレオを冒険者にしたくない。子供を殺したくないという善意だ。

「聞こえなかったの?冒険者っていうのは簡単に死んじゃうの。僕もなった次の日には旅立っちゃうかもしれないんだよ。命を粗末にしないでほしいな」

言葉は柔らかい。ただ、確かな圧力があった。レオは受付嬢の背後に何かが見えるような気がした。その調子で受付嬢は窓口を締めた。

レオの気が滅入る。立て続けに夢を否定され続けたせいで、見えていたはずの道が途切れたように感じる。

彼はギルドの建物から出ようと、明るいはずなのに暗い出入り口に向かうと、背後から声が聞こえた。

「よっ坊主。

 なんか辛そうだな」

と言う女性の声がした。


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