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#1

ここは、青山春木学園。

通称、あおはる。

因みに、野郎だらけの私立高校である。

先程から、床の上で馬乗りになりあって、戯れている?のは学園の二大イケメン同士、月影渉(つきかげわたる)花柳太陽(はなやぎたいよう)である。

「お前が下になれっ。」

「いや、俺が上だ。」

睨み合う、目と目に力がはいり、ゴロゴロと交互に馬乗りになりあう二人。

「あー!たんま、たんま!なにやってんだよ!月影、花柳!カット!カット!これじゃあ、どっちが王子でどっちが姫かもわかんねーよ!」

始まりは、青山春木学園文化祭の一ヶ月前。

「おーい!みんな聞け!今年の二年三組の俺達の出し物は、自作演劇。王子と姫だ!」

クラス委員長の、堀田が言う。

「はあ?なんで?こんな、野郎だらけで、王子と姫?」クラスの中の誰もが言う。

「大体、姫役なんてするようなヤツ誰もいなくね?」「そうだよなー。」

バンッと堀田が机を叩いた。

「だからこそ!こんな虚しい男だらけの学園にこそ!ロマンスが必要じゃないか!心配するな、もう主役二人は決めてある!」

呆気にとられている、皆の衆に目力を無駄に使っている堀田。


「おめでとう。月影、花柳!お前達が主人公の王子と、姫だ!」


いや、普通にあの二人には無理だろ。誰もが、息をころして思った。

学園での、二大イケメンに君臨し、互いを忌み嫌いあっている二人に。

そんな事分かっていないのは熱血堀田委員長だけだ。

「俺はやらねー。パスっ!」

っと軽くいう学園一、他校の女子生徒と遊び暮らしていると噂の、こやつ、なんとも名前の通り輝いている、花柳太陽が言った。

「俺もやらない。こんな馬鹿とは無理だな。」

学園一、顔面よく秀才といわれる月影渉もひんやりとした目をして言った。学園には毎日、こやつを見る為だけに、他校の女子生徒がわんさか集まる。

その月影の馬鹿と言う言葉にえらく反応した花柳は、月影を睨んだ。

「じゃあ、やっぱ、俺やるわ。俺しか出来ないだろうしなあ、王子役。そこの勉強だけしかできない。童貞君には、王子なんて無理だしなあ。」

童貞と言う言葉にピキっと来たらしい、月影も花柳の方を向いた。

「そうか。なら、俺がやる。こんな、女の尻しか追いかけてない馬鹿が王子とは無理があるしな。」

二人は睨み合い始めた。

「な、なんか知らんが、二人とも、主役でいいんだよな?よ、よっしゃ、決まり!」

委員長は二人の顔色を伺いながら言った。


「で?結局、二人とも王子なら…。どっちが姫やんの?」

クラスの何処からか声が上がった。

だよなーなんて、声が散らばる。

「そ、それは追々芝居を見てから考えよう…。」

二人の間でほとばしる火花に委員長の声は小さくっていった。

花柳太陽、学園一モテ男の心の声。

(この世の女は皆俺様のものなのに。ちょいちょい、横取りしやがって、ぜってぇー、お前には負けねぇ。お前が姫やれ!)

月影渉、学園一イケメン秀才の心の声。

(ほーう。偉い自信だな。お前なんぞ、俺より上のものなんて、何一つない馬鹿が。女好きすぎて、女みたいな顔になってるぞ。お前は姫がお似合いだ。)

二人は勢いよく、顔をそらした。


そして、本日に戻る。

「委員長、どうするよー?これじゃあ、いつまで経っても姫がきまらねぇじゃん。」

クラスの草ケ部がもう、うんざりだと言うように言った。

「そ、そうだなぁ…。一応、俺の設定では、身長180超える男前な月影が王子役で、ちょっと中性的な顔してる花柳が姫役だったんだが…。」

「大体、花柳も、身長179じゃん。無理でしょ、特にあの二人の仲の悪さじゃ…。」

1cm、その1cmが気に入らない花柳太陽。

指摘され怒りが顔に表れている。

「やっぱり、俺が王子だな。」

余裕綽々と、太陽の方を見る月影。

「いや、正確に言うと俺様の身長は179.8cmだ!俺は伸び盛りで、将来的にはこいつより20cmは高くなる予定だ。」

「あーこんな馬鹿に付き合ってる暇なんて俺にはないんだが。」

「うっせぇー、大体この世では馬鹿、馬鹿いう奴の方が馬鹿っていうのがお決まりなんだよ!」

「本当の事を言ったまでだ。お前が俺に試験で勝てたことがあるか?」

「はあ?勉強より大切なもんが人生にはあるの知ってるか?どー貞くん?おかわいそうに。」

花柳はくすくすと笑い、月影は無表情で睨む。

とたんに、委員長が何やら、思い付いたと手を叩いた。


「そうだ!こういうのはどうだ?王子と王子!もう、これしか、二年三組に残された道はない!禁断の…ボーイズラブだ!」


静まりかえるクラス。

「誰が得すんの?男子校で?」

草ケ部は冷ややかな目をしていった。

すかさず、委員長が言う。

「いや、文化祭は他校の女子生徒も見にくる。いいぞ!見えた!見えたぞ!」


『何が!?』


渉と太陽、二人の声が被った。


「いいんじゃねー。それで、さっさと決まるなら。」

クラス中から、もう付き合いきれないとばかりに声が上がった。





















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