魔人の国へ 後
なんか、今までにないスピードで更新してる!?
朝、街道の道端で目が覚めたボクは街道を通る冒険者達に好奇の目で見られる前に国境近くの都市──ルガルへ速足で向かった。
朝一番、開いたばかりのルガルの門を通ったボクは、門番たちに「コイツ、早すぎないか」と疑いの目で見られたが、ボクは堂々と〈ステータスカード〉を出して堂々と通らせてもらった。
ちなみに、今のボクの〈ステータスカード〉はこんな感じである。
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ムイカ・ナカガミ 15歳 女 レベル:1 属性:闇
体力:21
筋力:16
敏捷:14
耐性:152
魔力:12
スキル:多言語理解(動物+)
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以上。昨日の疲労困憊で動けなくなったことが「鍛錬」と体に認識されたのか、全体的に数字が上がっている。なぜ、魔力が”2”上がっているのかは不明だが。
国境付近の都市、ルガルは元は魔人族との交易で栄えていたらしいが、戦争中の今は前線を支える、物資の要塞都市と化している。
「隣のミナリ村から今日、仕入れた野菜だよ!」
「魔術具の整備、お任せくださーい!」
「いわくつきの宝石、いらんかね?」
「超基調!魔獣の魔石、仕入れたよー!」
朝一番のルガルではにぎやかな朝市が開かれていたが、ボクはそれを無視して国境を守る、櫓とやらに急いだ。
「お嬢ちゃん、危ないよ。魔人とは昔、仲が良かったけど・・・」
説教を始める傭兵っぽいおっさんにリリン王女からの紙を突きつけると、しばらく口をパクパクさせて、その後すぐに櫓の中に引っ込んでいった。
石造りの櫓は見るからに要塞!といった感じで、堅固な威圧感を感じる。でも、ボクにとってはただの通過地点に過ぎない。なので、それ以外にこれといった感想は浮かばなかった。
ぼんやりと太陽の上り始めた東の空を見上げていると、櫓の中から騎士のような恰好をしたお兄さんが出てきた。黄緑色の髪が朝日の中、若草のように光り輝いている。
おー、イケメン。眩しー
王都で近衛隊長と〈ステータスカード〉を確認した時にも何人かイケメンな騎士さんがいて、女子たちが騒いでいたが、それをも凌駕するようなイケメンがこんな辺境にいた。
「君が魔人の国に行きたいという変わった少女で間違いないか?」
む、変わったとは・・・
あのおっさんがそう伝えたのだろうか。何度も言うが、ボクはただの中学生だ。しかし、ここで反論しても話がややこしくなるだけのような気がしたので、普通にうなずくことにした。
「はい」
「そうか。ここ付近の前線を任されているオリオン・ハヌランだ。王女様の許可が下りているとあれば、すぐにお通しするのが普通だが・・・状況が状況なので魔人の国になぜ行きたいのか理由を聞かせていただけないだろうか」
「分かりました」
ボクはリリン王女にしたように、魔人の国に行って魔獣使いになりたい旨をオリオンに伝えた。
するとオリオンは顔をしかめて首を傾げた。言葉は理解したが、意味を理解していないという顔だった。もっと分かりやすく説明しようかと思ったが、説明しようとすればするほど何だかこんがらがりそうなのでやめといた。
ともかく説明はしたぞ、とボクが胸を張ると、オリオンは眉をひそめたまま、後ろの傭兵に門を開けるように言った。
「話は(何となく)分かった。国境を通ることを許そう。ただし、その先の命の保証はしない」
「分かってます」
そんなの、承知の上で来ているのだ。今更、何といわれようと引く気もないし、自分の命は自分で守るつもりだ。
ボクはお手製のカチューシャを付けると、開き始めた門の前に立った。それを何とも言えない顔でオリオンが見てきた。
「どうしたんですか?」
「いや、君は本当に大丈夫なんだな?」
「はい」
「行く気満々だな・・・ならいいが・・・くれぐれも気をつけてくれ」
「どうも」
大丈夫だと言っているのになぜかまだ苦い顔のオリオンを尻目に、ボクは開かれた門からこの国の外へと歩みだした。
読了ありがとうございます。
自分の作品がどれほどのものか知りたいので、評価などなどよろしくお願いします。誤字報告もお願いいたします。
(不定期更新なので、とても空くことがあります)




