そうか
「マーク、この馬鹿に付き合わなくて良いのよ」
とウィルがはぁぁと息を吐く。
「馬鹿とは酷いな、ただの顔見せだ。挨拶も出来て良いじゃないか、人付き合いも勉強って昨日ウィル言ってただろ」
「それは言ったけど」
「なら、良いじゃね〜か。なあ、行こうぜマーク」
とファルが再び俺に視線を向ける。拒否ったら一人で行きそうだよなと考え
「じゃ、行こうか」
と軽く返事をするとウィルが心配そうな顔をして俺を見た後
「マーク、ファルの事お願いね」
「分かってるって」
と短く返事をするとファルは不服そうな顔をして
「早く行くぞ、マーク」
と歩き出す。俺は少し笑いながらファルの後を追いかける。
ファルとの顔見せというただの挨拶は教室の皆んながノリが良いから順調に進んでいく。このまま何事もなく終わるなと一安心しながら、次の人に挨拶をしに行く。
「ようお前、名前は何だ?」
とファルが本を読んでいる頭良さそうな少年に話しかける。すると少年は本を読むのをやめ、ファルを睨み
「人に名前を尋ねるなら自分から名乗れ」
と少し偉そうな口調で答える。
「悪い、悪い、そうだよな、俺から名乗らないとな俺の名はファルトでこっちはマークだ宜しくな」
「宜しく」
と自己紹介を済ませると少年はこちらを見て
「そうか、じゃ帰れ」
と言うと本をまた読み始める。
「おい、帰れとは何だあ。人が自己紹介したんだから、名前を名乗れよ」
とファルは少年に向かって指を指す。
「何故、僕が挨拶をしなければならないんだ。君達とは仲良くする気は無い」
と少年は少し嫌そうな顔をする。
「なんで仲良くする気無いんだよ」
とファルが食い下がる。すると少年はやれやれと言わんばかりの顔をして
「学校は読み書きを勉強する場所だ、仲良しごっこをする場所では無い」
と本に視線を戻す。こういう人って実際にいるんだなぁと感心をしていると
「おい、学校は人付き合いも勉強する場所だ」
とファルが小声だが少しキレた口調で言う。これは止めないとまずいかなとそう考えていると
「それはお前の考えだろ」
と少年は呆れた表情をする。するとファルは少しキレた表情をする。これはまずいと思い肩に手を伸ばし
「そろそろ、帰ろうぜ」
と優しく言うとファルトは少年を睨みながら
「学校は読み書きをする場所っていうのもさ、こいつの考えだよな。おかしいだろう」
と反論する。それは正しいなぁと思いつつもこの場を収めようと
「まあ、人それぞれには大切にしてる考えがあるんだから仕方ないと思うよ」
とファルに優しく語りかけるがまだキレてる様だったので俺は耳元で
「ここでキレて何かやったら絶対ウィルが怒るぞ」
とファルにとってのキラーフレーズを言うとファルは少し不満そうな顔をしながらも
「マーク、帰るぞ」
と言ってくれたので俺はファルについて行く。自分達の席に戻る道中後ろから視線を感じる。あんな事があったら仕方ないよなぁと思いながら気にせず戻る事にする。




