カイを求める者
「そこまで笑うなよ。マー」
「そうだぞ、そこまで笑う事はないぞマーク。だって新しく出来たうちの子なんだぞ。それは家に泊めたいだろ」
「おい、マウロ。カイは俺たちの娘だろう。勝手に自分のだけの子にすんな」
「いや、カイはマークのスキルだからね。うちだけの子だよ」
「おい、なんだよその心の狭え発言は!やるかマウロ!」
「ライがその気なら!」
と二人はさっきみたく睨み合う。俺は落ち着かせようと
「レイラの家に行こうかな」
と呟く。すると二人はハッとした顔をした後、冷静な顔になり
「もう辞めようかマウロ。これ以上やっても虚しいだけだな」
「うん、辞めよう。ここで争っていてもカイは俺たちの所に来ない」
「ああ、そうだなぁ」
とまた暗い顔をする。どんだけ泊めたかったんだよと思いながら、こういう時はパーっと酒でも呑めば万事解決かと思い
「あれから2年だから酒呑める年になったんだよね。だから酒呑まない?」
と明るく言ってみる。二人は少し顔を上げて
「そういえばあれから2年かー。もうマーも呑めるんか。これは呑まねーとな。うん、これは呑もう。うん呑んで呑まれて今日が無かった事にしようか」
「そうだね。うん呑んで記憶を飛ばしますか。それにしても息子と呑む日が来るなんて。何かこれはこれで良い日かな、そうだねさっきの事は忘れて良い日にしよう。こうなったらとっておきのを取ってきますか」
「とっておきのがあるんか、マウロ。こうなったら俺もとっておきのださないといけんな。でも家には入れんからなぁ。ああ!倉庫ならお腹空いてきた用の奴があるかもしれん。こうなったら倉庫に行って何か良いの持ってくるか!」
と二人は明るい顔をしながらそれぞれの目的地に向かって行く。これで少し空気が良くなったかなと少し安堵しながら、酒を呑むためのコップやおつまみ用の皿を準備する事にした。
準備が終わり久しぶりの家を眺めていると親父達が戻ってくる。レイパパはハムなどのおつまみを皿に並べ、親父は酒をコップに入れる。何かしようとするが主役だから少しは休んでなと言われ二人の準備を待つ。少し待っていると親父とレイパパは席に着き
「よし、宴をやろうか。そうだマーク、主役らしく何か一言お願いね」
「それは良いな。マー、音頭よろしくな」
と二人が笑いながら俺を見る。俺は何て言えば良いんだろと思いつつ無難で短くが良いかなと思い
「初の家呑みだから気にせず呑もう?まあ、とりあえず乾杯!」
とコップを掲げる。すると親父はなんだよそれと笑いながらコップを掲げ
「「乾杯!」」
と声を上げる。




