転回
カイとの握手を終えるとウィルがこちらを見て
「久しぶりね、レイラ、マーク」
「久しぶりだね、ウィル」
「久しぶり、ウィル」
「そういえば、何で帰ってきたの?見つかったの?」
「いや、全然。美味しい物は見つかるのにね」
とレイラが嬉しそうに笑う。ウィルも嬉しそうに笑い
「それは良かったわね」
「うん」
と2人で笑い合う。
「じゃ、今回は何で帰ってきたの?」
と少し首を傾げる。するとファルが文句ありそうな顔をしながら俺の事を指差し
「こいつよ、杖を無くしやがったんだよ。だから新しく作ってくれと帰ってきたんだよ」
「あー、だから武器馬鹿発動してたのね」
とウィルが納得している様な顔で頷く。
「ウィル、俺は武器馬鹿じゃねーよ」
と不満そうな顔をする。
「武器馬鹿は事実でしょ」
とフッと笑う。するとファルは俺たちを見て
「ウィルはあー言っているけど違うよなぁ」
と訴えってきた。俺たちは思いっきり目を逸らす。するとファルは天を見上げて
「俺は武器馬鹿なんかじゃねー!」
と大声で叫ぶ。するとウィルはファルの頭をパシンと叩き
「何、大声で叫んでんのそれじゃただの馬鹿よ」
と呆れた顔をしていた。俺はその光景を見て実家に帰って来たと改めて実感したのであった。
しばらく5人で喋っていると日が傾いてきた。そろそろ帰るかと皆んなで話しているとウィルが何か思い出した様な顔をする。
「あっ、そういえば、マーク。ジュウチョウ会が診療所近くの山の麓にロジ村へと続くトンネルを作ったって知ってる?」
と俺たちを見てきた。俺はその話を聞き、獣寵会の念願が叶ったんだなと考えつつも首を振り
「そうなんだ、会長だけど知らなかったよ」
と返事を返す。するとウィルは頷き
「じゃ、この話も知らなそうね」
「この話って何?」
「事実かどうか分からないけど。今、ジュウチョウ会ね、ロジ村の人達に目をつけられているらしいの」
「それはどうしてなんだ?」
と真剣な顔をして聞く。
「詳しいことは分からないけど、噂ではロジ村の女性を籠絡してるとかロジ村の人々を無理矢理手伝わせているとか」
とウィルが真剣な表情で答える。ロジ村の女性を籠絡するのはやりそうだけど無理矢理手伝わせるのは絶対無いよなと思いつつ
「そうなんだ、気になるから今から行ってみるよ」
「その方が良いと思うわ、それにしてもごめなさい。もっと早く思い出せれば良かったわね。急の再会で思わず忘れてたわ」
「いや、良いよ。教えてくれただけで感謝してる。そんじゃ行ってくるよ」
と歩き出そうとすると四人が
「私達も行くぞ」
「うん、行こう」
「俺もついていくぜ」
「私もついて行くわ」
と行く気満々な態度をしていた。俺は四人にごめんのポーズを作り
「いや、獣寵会の事だから今回は一人で行くよ。それでカイとレイラに頼みたい事があるんだけど」
「なんだ」
とカイがついて行きたかったのか少し不満そうに聞いてくる。俺はバックを肩から下ろして
「いや、今から森の中に入るから帰りの報告のついでにバックを家に届けて欲しいんだよね」
とカイにバックを差し出す。カイは少し不満そうな顔をしたままバックを受け取り
「分かった。早く帰ってくるんだぞ」
「分かった、なるべく早く帰ってくるよ。レイラ、道案内頼むね」
「うん、分かった。早く帰ってきてね」
「分かってる。ファルもウィル、またね」
「おう、気をつけろよ」
「気をつけてね」
「うん、じゃ行ってくるよ」
と俺は獣寵会の本部がある場所へと移動を開始した。




