覚悟って
いつもの広場に来た俺たちはファルを待つ時間を有意義にしようと少し遊ぶ事にした。童心に帰った様な気持ちになっていると遠くからファルの笑い声が聞こえてきた。
「ハハハ、何遊んでんだよ」
と大笑いしていた。俺たち三人はお互いの顔を見合わせて少し恥ずかしくなりながらファルを見て
「いやさ、少し体を動かそうと思ってね」
「うんうん。馬車の旅で体が凝っててね」
「そうだ。体が凝ってたせいだ」
と三人で恥ずかしさを誤魔化そうと言い訳をする。ファルは笑いながら
「言い訳しなくて良いぜ。それにして久しぶりだなマーク、レイラ」
「久しぶりだなぁ、ファル」
「そうだね、久しぶり」
と挨拶をするとファルはカイの方を向き
「初めまして俺はファルトって言うんだ。これからよろしくな」
と手を差し出すとカイはニヤッと笑って
「人間としては初めましてだな、私はカイだ」
とファルの手を握る。ファルは少し首を傾げて
「人間としては初めましてってどういう事だ?」
とカイを見つめる。するとカイは腕を組み
「私は元鑑定スキルだ!」
とドヤ顔を決めるとファルは一度天を見た後、ハッとした顔をして
「もしかしてあの子か!」
「そうだ。あの子だ!」
とカイはニヤッと笑いながらファルを見る。するとファルはうんうんと頷いて
「あの子かー、だったらもう一度挨拶をしなくてはな久しぶりだな。カイ」
と言った後、カイの頭を撫でる。カイはファルの手を払い除けて
「撫でるな恥ずかしい」
とファルを睨む。するとファルは笑って
「おう、反抗期か反抗期か昔、頭撫でてやったのに」
ともう一度頭を撫でる。カイは手をピシッと叩き
「撫でるな」
「ハハハ、悪い悪い」
とファルは少し謝った後、俺の方を向き真剣な顔をして
「所で此処に帰って来たって事はレイラが魔法使う方法見つけたのか?」
と聞いてくる。俺は首を振り
「いや、全然な」
とレイラの方を見る。
「美味しい名物は見つかるんだけどそれに関しては全然だね」
とレイラは笑顔でうんうん頷きながら答える。ファルは笑って
「そうなのか。じゃ今回はただ単に里帰りか?」
と質問してくる。俺は杖の件言わないとなと思いつつも知ったらブチ切れるよなぁと少し考えているとレイラが肘で俺の脇腹を小突いてきた。分かってると思いながらも知ったら怒るよなと考える。するとファルが俺の顔を見て
「おい、どうして黙っているんだ?」
と不思議そうに聞いてくる。俺は少し考えた後これならあんまり怒らせないで済むかと作戦を一つ思いついく。
「あの、ファル。武器って武器だよな?」
と質問するとファルは首を傾げる。この反応はよしよしと思いながら
「それゆえに武器って武器だよな?」
「何言ってんだマーク?」
とファルは俺を怪訝そうな顔で見てくる。よし、混乱しているな。これなら武器を壊した事を言っても混乱が勝って怒らないよなぁと考えた後、もう少し混乱させるかと思い
「だから武器って武器なんだよね?」
と自分でも何言ってんだと思いつつも言い、ファルの反応を見る。するとファルは少し考えている様な表情をした後、俺の肩に手を置き
「で、何が言いたいんだ?」
と笑いながら聞いてくる。ええとこの状況はまずいかと思いつつもここで諦めたら試合終了だなと思い
「武器はやっぱり武器なんだなぁって」
と言うとファルは俺の肩を掴み。満面の笑顔で
「そんな滑り散らかしてないで隠し事はちゃんと言おうな」
と少し切れた口調で言ってくる。これは駄目だと覚悟決め
「はい、ファルト様に作って頂いた杖が壊れてしまいました」
と目を全力で背ける。




