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番外編ー父親アレス目線ー5

「しかしあれだな。

俺さえしっかりしなければいけなかったのにな。」


「旦那様は少し抜けてるところがございますから期待はしておりませんよ。」


「じぃやまでそれを言うか。

娘は何処まで進めたんだろうな……。」


「今はまだ移動すらしてない気がします。」


「そうか?」


「妻の手紙を読んでたら1泊はその場でしなくてはいけないでしょうからね。」


「想定内ではあるな…。

何日も同じ場所に留まるほど効率は良くないだろ?」


「魔力操作も習ってないですから、愛し子であるなら女神様に助けを求めていてもおかしくないと思いますよ。」


「そういうことがあればな……。」


「どうなるかが分からないってのももどかしいですね……。」


「娘に全てを任せるってのもな……。

待つしか出来ないからそれでまでにやる事はやっておかないとな。」


「坊ちゃんが居ますからこちらの事は済むかもしれませんね。

旦那様は坊ちゃんが出来ないことをやってください。」


「そのつもりだが ……

しかし王家と魔塔か……。」


「仕方ありませんよ。

坊ちゃんにやらせる訳にはいかないのですから。」


「それはそうなんだけどな……。」


「杞憂なことが無くなることを祈ってますよ。」


「そうだな……。」



心配してないって思われていないだろうか?

これから俺は娘を守れるのか?

無事に着いてくれと祈る事しか出来ないのはとても辛いものだ…。

もし女神様が居るのならあの子を守ってくれ……。

また再び会える日までどうか娘が寂しい思いをしないように……。



「旦那様ですら近くにいけなかったのは残念ではありますね……。」


「あぁ……当主なのにな。

あれに反発され危害を加えられないとも限らなかったから穏便に出来ることをするしか無かったんだが……。」


じぃやは寂しいような辛そうな顔をしている。

助けてやれなかったのは同じだったはずだ…。


「……私も何も出来ませんでした。」


「それは俺も同じだ。」


「きっとお嬢様の事を思ってる使用人もいた事でしょう。」


「それはどうだかな……。」


「おや?全く居ないとは限りませんよ。

妻はよく把握してました…。

そういえば旦那様がお嬢様に与えた服を奪っていた使用人が居たのもこっそり教えて貰っていたそうですよ。」


「全くあれの傍に居る使用人は本当に手癖が悪いんだな……。」


「まぁそれももうすぐ終わる事でしょう。」


「頑張らないとな。」


「旦那様には我が一族がついております。

それに坊ちゃんも協力は惜しまないと思いますよ。

旦那様1人で頑張りすぎませんように…。」


「あぁ…。

いい方向に持っていくと約束しよう。」


「お嬢様の事情は数少ない者しか知りませんし、旦那様がお嬢様の事に専念できるように息子も騎士団をまとめてくれます。」


「じぃやの一族に協力してもらわなければ成し遂げられないって事なんだろうな……。」


「旦那様は旦那様がやるべきことをなさってください。」


「助かる。

じぃや達には苦労をかけるな……。」


「私達の成すべきことを皆やってるだけでございます。

苦労だと思ってはおりません。」


「ありがとう。」



娘は俺が知らなかっただけで愛されていたのかもしれないな。

きっと大丈夫。

お前を蔑む者は居なくなる。

ゆっくり外を見て思うのだ。

この庭を走る我が子の2人を見たいと思う。

子供の成長は早いというが関われなかった間の時間を取り戻したいとすら思ってしまう。

これから知っていけばいい。

何が好きで何が嫌いなのかを……。

大人になるまでの時間を幸せだったと思えるように……。

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