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プロローグ1

女神達の住む世界

「私達の愛しき子。

今日は下界を見てみましょう?」


「うん!」


「僕も一緒に見る!」



女神達に大切に育てられてるまだ小さい子。

愛されし子。

まさかこの時のことが女神界を悲しみに包まれる出来事になるのは誰も知らない…。



「ねぇ…。下の世界って人がいっぱいだね。」


「そうだね。僕達はこの世界ともう1つの世界を見守ってるんだ。」


「へぇ…。

私ってさ…。

最後の女神なのはどうしてなの?

どういう理があって女神って増えるの?」


「それは私から話すわ。

あなたはもう1つの世界のとある国が犯した罪を見守る為に産まれたのよ。

私達にとっても大切なあなたを守る騎士もきっといるはずよ。」


「騎士??それって双子になるって事?」


「そうよ。

時が来たらあなたは私達の愛し子としてその世界に騎士と一緒に産まれるはずよ。

それまでは私達が大切に育てるの。」


「そしたら産まれたら皆のこと忘れちゃうの?」


「忘れないわ…。

忘れるような事にならないようにするわ。」


「本当に?私達は家族だよね?」


「家族かぁ…。いい響きだね。僕が愛しき子の代表保護者になろうか。」


「お兄ちゃん本当?」


「もちろんだよ!」


「お姉ちゃんは代理保護者だね!」


「私が説明してるのに代理なの?

まぁあなたがそれで満足ならいいわよ?」


「やったーー!他にも皆居るのに2人だけなのどうして?」


「それはね…。

いつか私達の元を離れるあなたに愛情が移って手放したく無くなるからよ。

皆本当はあなたを愛したいのよ。

だから天命を終えて戻ってきたらみんなと一緒に居ましょ?」


「約束だよ!」


「皆愛が重いからなぁ…。

そりゃぁ接触したくないのはわかるわ。」


「そうなんだ…。

天命全うできるかな?」


「大丈夫だよ」

「大丈夫よ」


2人同時に安心させるために声が重なってしまう。


「本当?」


「だって君には騎士が一緒になるからね。」


「騎士…。どんな人なの?」


「ここでの話は思い出せないだろうから教えようかな。

君の騎士はもう1つの世界で理を破った人だよ。」


「理を破る?」


「そう。

国を滅ぼそうとした魔法使いさ。

彼が悪い訳では無いんだよ?

彼は双子で産まれて片割れを産まれてすぐ失った悲しみを忌み子説作って他の双子を不幸にしたんだ。」


「どうして彼の片割れは亡くなったの?」


「それは親が殺したからさ。

双子を育てる事が出来ないと判断した親が殺したのさ。

でもね…。

双子は2人で1人なんだ。

1人だけで生きるのは悲しくて辛いんだよ。

僕達は彼が国を滅ぼそうとしてやった事を許せないけど彼はずっと悲しかったんだと思うんだ。

今度は片割れを守れるようになって欲しいって思って彼が亡くなる前に天命を与えたんだ。」


「悲しい事件だね……。

それだと私が元々彼の片割れだよって言われてるように感じるよ?」


「君は頭の回転が早いね。

その通りだよ。

だから今度こそ彼には君を守って欲しいと思ったんだよ。」


「そっか……。

それじゃぁ私達は運命でずっと繋がってるんだね!」


「運命ね…。

果たしてそれは彼にとって本当に運命なのかしら?」


「巡りに巡ってまた2人で居れるってなったらそれは運命だと思うの!

私は大事な片割れのお兄ちゃんを大事にしてあげたいな…。

ずっと悲しみの中にいたならもう大丈夫って教えてあげたい!

もう離れな離れにはならないよって!」


「なんて優しいのかしら。

あなたはきっとずっと優しい心をもっていたのね。」


「逆に優しすぎだね。

君の兄がそれに気づかず悲しみに心を支配されて他の双子にも同じ気持ちを抱かせたのも悪いと思う。

彼と他の双子の違いは悲しみに耐えられなかったって所かな……。」


「それはそうでしょう?

大事な片割れが居ないんですもの。」


「そういうもん?」

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