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4月6日 開発と平和のためのスポーツの国際デー

「何になるんだ!!」


 棚に並んだメダルを砕き、壁にかけてある賞状を片っ端から破いていった。

 それでも彼の気持ちは収まらなかった。

 暴れて暴れて暴れた後に自分の脚を傷付けようとナイフを持った時、やっと暴れるのをやめた。

 一緒にいる妻が恐れながら声をかけてきた。


「あなた。」

「なんだ!!!」

「落ち着いてください。大切な身体なんで……」

「何が大切な身体だ!!娘に何も渡せないこんな身体なんて!!」

「そんな責めないでください。まだ希望は……」

「先生の話を聞いたか?ドナーは年々減っている。しかも適合者となると……」


 そこまでいって彼は言葉に詰まり慟哭した。

 世界を制したこともあるスポーツマンの身体から発せられる声は辺りを震わせていた。

 彼はやるせのない世界に怒りを感じていた。

 彼は自分の身の事など病に罹っている娘に比べればどうでもいいと感じていた。もし今日、結果の出た適合検査がよければこの身はすべて捧げようと思っていた。


 ーリリリリリリ


 電話がなった。

 妻は電話を出ると徐々に明るい表情になっていった。


「あなた。」

「なんだ。」

「ドナーの提供者が決ま……」


 そこから先は妻も言葉にならなかった。


 それから数日後、段取りが決まり、特別に提供者と会えることになった。


「ありがとうございます!!」


 驚くべき事に最初に感謝を伝えてきたのは提供者の方だった。


「僕、昔死のうとしていた時期があって。その時支えてくれたのがあなたの全力のプレーでした。」

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