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1月5日 囲碁の日
「異常なしです。」
入念なボディチェックを終えて勝負の場所についた。
精神集中を行い対戦に備える。
相手もやがてやってきた。
緊張を悟られないようにしているが俺からしたがすぐに緊張していると看破できた。
静かに一礼をし勝負が始まった。
相手が白石を握る。
未だにアナログな部分であるが解析の余地はある。
耳についた高性能スピーカーと眼鏡についている高精度のカメラを脳内のPCに送り解析を始める。
しかし、相手もプロだ。
握る手にはニギル碁石が分からないように隠蔽する機械が内蔵されているのだろう。
「半先」
相手はにやりと笑った。
後手となったが、これからが勝負だ。
禁止となっていない囲碁ソフトを脳内で立ち上げながら相手を待った。